海外転勤が決まったら彼女と別れた件

夏目心 KOKORONATSUME

1 浮気相手(脚本)

海外転勤が決まったら彼女と別れた件

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

海外転勤が決まったら彼女と別れた件
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇オフィスのフロア
鍵山陸斗「部長、只今出頭しました」
部長「おぉ鍵山君!来てくれたか!」
鍵山陸斗「はい、それで、お話とは?」
  俺の名前は鍵山陸斗。プラモ開発企業に務める一般社員だ。たった今部長に呼ばれて、俺は話を聞きに来ていた。
部長「実はな、先程上層部の会議でこんな話が出たのだ。鍵山君、君にアメリカのニューヨーク支社に転勤して欲しいとの事だ」
鍵山陸斗「え!?部長!今アメリカって言いました!?」
部長「あぁ、言ったぞ・・・」
鍵山陸斗「急ですね・・・一体どう言った経緯で?」
部長「今後の君のキャリアアップと、ニューヨークの同業者が進めてるプロジェクトへの助っ人を依頼したいとの事だ」
部長「向こう側も、思ったよりプロジェクトの進行に手間取って居てね」
鍵山陸斗「・・・成る程、まぁ、英語はある程度は出来るので・・・分かりました」
部長「おぉ!それは助かる!日程は追って連絡するよ!!」
鍵山陸斗「分かりました・・・俺も準備進めて起きます・・・」
  何と俺にされた話はアメリカへの転勤命令だった。今まで国内で頑張ってた事も有り、正直物凄く不安だったが、
  良く良く見れば滅多に無い機会なので乗る事にした。只、俺には彼女が居るので彼女がどんな反応をするかだけが気掛かりだった。

〇シックなカフェ
女性店員「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」
鍵山陸斗「あ、待ち合わせしてる者なんですが・・・」
女性店員「畏まりました!それではご案内しますね!」
女性店員「お客様、こちらに成ります!」
宮下園香「あ!陸斗!」
鍵山陸斗「園香、お待たせ!」
女性店員「それでは、ご注文がお決まりに成りましたら、お呼び下さいませ!」
宮下園香「調子はどう?」
鍵山陸斗「あぁ、何時も通りかな・・・」
  仕事の休憩時間、俺は彼女で在る宮下園香と近くのカフェで待ち合わせをしていた。園香と付き合ってから半年には成る。
鍵山陸斗「実は、今日こんな話が有ってさ・・・」
宮下園香「ん?何か有ったの?」
鍵山陸斗「部長からの話なんだけどな、俺、近い内にアメリカに転勤する事に成ってさ・・・」
宮下園香「え?」
鍵山陸斗「何と言うか、滅多に無い機会だし、行き詰まったプロジェクトを手伝って欲しい見たいな感じでな・・・」
宮下園香「・・・それ、何時までの期間なの?」
鍵山陸斗「まだ期間とか何時行くのかとか、分からないんだよね。部長から追って連絡来るから」
宮下園香「ふぅん・・・」
宮下園香「ねぇ、そしたら私どう成るの?」
鍵山陸斗「え?」
宮下園香「今までご飯とか奢ってくれたし、欲しい物買ってくれたりしたでしょ?その陸斗が居なく成ったら誰が私の欲しい物買ってくれる訳?」
鍵山陸斗「え?いや何言ってるんだよ?確かに色々俺が奢ってたけどさ・・・」
宮下園香「仮に期間が長過ぎたりしたら私の生活とかどう成る訳!?アメリカに転勤って、要は左遷されるって事でしょ!?」
鍵山陸斗「おいおい!お前だって働いてるだろ?なのにどうして!?」
宮下園香「はぁ・・・陸斗、貴方私の事何も分かって無いわね・・・」
鍵山陸斗「おい、どう言う事だよ?」
白石拓人「園香!お待たせ!」
宮下園香「拓人!もぉ遅いよ〜!!」
鍵山陸斗「えぇ!?白石さん!?園香!これは一体・・・!?」
白石拓人「あれ?鍵山、俺の彼女に何か有るのか?」
鍵山陸斗「え?」
宮下園香「あ、陸斗にはまだ話して無かったわね、私と拓人、付き合ってるの!」
鍵山陸斗「はぁ!?何だよそれ・・・俺園香と結婚する気で居たのに!?」
宮下園香「陸斗知らないの?拓人は仕事も出来て貴方よりもお金持ちで、将来有望な人なのよ?そんな素敵な人を見逃す手は無いでしょ?」
鍵山陸斗「・・・冗談だろ・・・園香、最初からそんなつもりで・・・」
白石拓人「俺が優秀な人間で悪かったな。園香が結婚したいのは俺なんだよ」
鍵山陸斗「・・・白石さん・・・園香とは何時から・・・」
白石拓人「三ヶ月位に成るかな・・・」
宮下園香「陸斗、そう言う事だから、陸斗はアメリカでもカナダでも、何処へでも行って来たら?最悪帰って来なくても良いから!」
鍵山陸斗「・・・!!そうだな・・・俺、今日用事有るんだったわ・・・」
鍵山陸斗「じゃあな園香・・・白石さん、お邪魔しました・・・」
白石拓人「良いのか園香?何だかんだ半年も一緒だったんだろ?」
宮下園香「一緒だったわよ!でも思い通りに成らない事も多かったから」
白石拓人「そうかそうか!でも、俺が居る限り何も不自由させないさ!」
宮下園香「有難う拓人!結婚が楽しみね!」
  俺は園香が別の男と浮気していたと言う事実に絶望し、金だけを置いて出て行く事とした。園香が先輩の白石さんと話している
  表情は、俺の時と違って生き生きとしていた。何より、園香の物言いから彼女は俺に対して金目当てで、これまで俺が
  彼女に奢っていた事も有り、正直別れて正解だと内心思っていた。後日、俺は一週間後にアメリカへ行く事と成り、期間は
  一年との事だった。

次のエピソード:2 新天地へ

ページTOPへ