英雄親子の里帰り

筑豊ナンバー

2、父親の戦友(脚本)

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〇昔ながらの一軒家
アリス・ワトソン「・・・ここなんですね?」
レイ・コウデリ「はい。ここにアリスさんが探してる人物がいます」
アリス・ワトソン「・・・」
  念の為もう一度「父」ご残した写真を見た。
  写真の彼女の名はアイシャ・コウデリ。
  父の海兵隊時代のバディだった人物だ。
  もう何年も別世界にいた私の目的を果たすには彼女の協力が必要不可欠だ。
  こちらに転移してすぐに彼女の息子であるレイとあえたのは幸いだった。
  彼とあっていなければ今頃途方に暮れていたことだろう。
レイ・コウデリ「すこし待っていてください! すぐ読んできます!」
アリス・ワトソン「・・・・・・」
  もし私のことを忘れていたらどうしようか?
  そんな不安を胸に数十秒待つとかなり大きく早い足音が迫ってきた。
アイシャ・コウデリ「・・・・・・アリス!?」
アリス・ワトソン「アイシャ・・・さん?」
アイシャ・コウデリ「アリス!!良かった!!本当に!!」
  私を抱きしめた彼女から忘れ去ったはずの温もりを感じる。
  間違いない。彼女がアイシャさんだ。
アイシャ・コウデリ「お帰り!アリス!!」
アリス・ワトソン「ただいまです。アイシャさん」

〇古めかしい和室
アリス・ワトソン「これ・・・父から預かっていたものです」
アイシャ・コウデリ「・・・・・・」
アイシャ・コウデリ「そうか・・・」
アイシャ・コウデリ「最後の最後でやっと見つけられたんだな・・・」
アリス・ワトソン「父は勇敢でした」
アイシャ・コウデリ「だがとんでもない大馬鹿野郎だ」
アリス・ワトソン「・・・」
アイシャ・コウデリ「しかしまさか異世界にいたとはねぇ・・・道理でどこ探しても見つからないわけだ」
アリス・ワトソン「全部信じてもらえるんですか?」
アイシャ・コウデリ「もう忘れちゃってるかもしれないけど君ら親子とは長い付き合いでね。 噓がつけるほど器用な人間じゃないことくらい掌握してるよ」
アリス・ワトソン「良かった!信じもらえて・・・」
アイシャ・コウデリ「ところでアリスはこの後行く当てはあるの?」
アリス・ワトソン「・・・それが・・・正直言うとアイシャさんをあてにしてました。すみません」
アイシャ・コウデリ「そんな謝る必要はないよ!! 好きなだけ泊まっていくといい!」
アリス・ワトソン「何から何まですみません」

〇怪しげな部屋
レイ・コウデリ(ひとまず収入源はつぶせた。 だが遅れてる。すでに必要な額は集まっているだろう)
  壁に一面に貼り付けた写真や資料の一部に赤ペンでバツ印をする。
  『犯罪者狩り』を始めて数年。
  少しずつではあるが治安はよくなってきている。だが根本的な問題は解決できていない。
  暴力団や半グレをいくら倒してもそれらを利用して資金調達をしている組織にはたいした打撃を与えられない。
レイ・コウデリ(『エリクサー』『魔王協会』『吸血騎士団』・・・こいつらの目的は?)
  信じがたいことにこの世界とは時代も生態系も常識も異なる異世界が存在している。
  特に警戒している3つの組織のうち2つは異世界で活動している。
  現時点では異世界に行く方法がわからないため手出し出来ない
  アリスに協力してもらうのもありか?・・・いやアリスの存在は異世界が実在する証明にはなっているが本当に味方なのかまだ不明だ
  となると次に仕掛けるべきは・・・不死薬の名を名乗る奇妙な組織
レイ・コウデリ「──『エリクサー』次はお前らだ」
アイシャ・コウデリ「え?なに?アレクサー?うちにそんなのないよ?」
レイ・コウデリ「ちょッ!?何勝手に入ってきてんスか!?!?」
アイシャ・コウデリ「ご飯できたよ!!はやくしないとさめちゃうよ~」
レイ・コウデリ「すぐ行きますから先に行っててください!!」
アイシャ・コウデリ「おー了解!!了解!!・・・あーあと・・・」
アイシャ・コウデリ「探偵ごっこはほどほどにね」
レイ・コウデリ「あはは・・・なんのことですか?自分は勉強してただけですよ」
アイシャ・コウデリ「・・・そういうことにしといてあげるよ」
レイ・コウデリ「ばれるのも時間の問題か・・・」

〇古めかしい和室
アイシャ・コウデリ「レイはもう少し時間がかかるみたいだから先に食べてて!」
アリス・ワトソン「はい!!お先に頂きます!!」
アリス・ワトソン「いい匂い!!」
アイシャ・コウデリ「カレーライスって食べ物だよ。 もしかして初めて?」
アリス・ワトソン「そのはずなんですけど・・・どこかで見たことがあるような懐かしさがあります」
アイシャ・コウデリ「・・・そうだろうね」
アリス・ワトソン「あむ!!ん!?美味しい!!美味しいです!!」
アイシャ・コウデリ「口に合ってよっかたよ」
アリス・ワトソン「あれ?なんで涙が?」
アイシャ・コウデリ「・・・・・・」
アリス・ワトソン「こんなに美味しいのに?こんなに幸せなのになんで?」
アイシャ・コウデリ「・・・・・・アリスこの料理は──」
レイ・コウデリ「すみません!またせました!!」
アイシャ・コウデリ「・・・」
レイ・コウデリ「って!?アリスさんないてるんスか?」
アリス・ワトソン「すみません・・・カレーが美味しくて・・・」
レイ・コウデリ「ん?カレー・・・あーそういう・・・」
アイシャ・コウデリ「それじゃみんなで食べよっか!!」
レイ・コウデリ「頂きます」
アイシャ・コウデリ「頂きます」
  この世界は優しく美しい光に照らされている。普通に暮らしていれば平和で穏やかな生活を送れるだろう。
  でも忘れてはいけない事がある。

〇魔法陣のある研究室
武藤 関「やったぞ!!せいこうだ!!」
  光が強ければ強いほど目がくらみより強くなる陰にきずくことが難しくなり、きずいたときには──
  ──もうどうしようもないとこまで真っ黒にそまっている。

次のエピソード:3,離れ離れになった絆

コメント

  • 謎の組織はそれぞれ魅力的な名前ですね!!
    これから三つ巴になるのか行末が楽しみです。
    異世界物の本格的な物語が見られると思って、ワクワクしますね!!
    タップノベル盛り上げましょう、私のも覗きに来てください(*゚▽゚)ノ

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