第34話 持久戦(脚本)
〇施設内の道
2021年 神奈川県 綾瀬市大和市間 海上自衛隊厚木飛行場
キング「おい斎王どうする?··· ··· ···おい斎王、しっかりしろ!ボーッとすんな!」
斎王幽羅「え、う···うん···ごめん···ひとまず雷王跋会の若頭の人が来るまでこの場所を守ろう」
斎王は鸞の事でどうしても切り替えができず目の前のことに集中出来ずにいた
本当にこれでいいのか?鸞は自分の為にあんな『体』になる必要はなかったんじゃないか?
思考がループする。答えが見つからない問題を永遠に繰り返していくうちに遂に警察達が到着した
岡崎 警視正「海上自衛隊厚木飛行場内にいる者は直ちに投降せよ!お前達は重い罪を既に複数も重ねている!」
岡崎 警視正「そして斎王幽羅とその一派!そこで待っていろ、今すぐ我々が一斉逮捕してやる!」
警察達と機動隊が到着し、厚木飛行場内に侵入しようとした時1人の忍者が現れ、それを止める
虻「どうもこんにちわ、私は一文字族蟲組頭領の虻(アブ)と申します。無理に入ろうとするのはおすすめしませんよ?」
忍者の登場と共に忍者の周りにハエやアリといった日常的に見かける虫が無数に集まり始まる。
警察達や機動隊員は困惑していたが、岡崎は1人の警官に銃を持たせて忍者に無理やり発砲させる
警官「お、岡崎さん!なぜ私に発砲させたんですか···!?···ひぃぃ!こ、こいつ···体が···!」
忍者は頭を撃たれその場に倒れる。だが体は徐々に大量の『虻』に変化し、周りに居たハエやアリなども合わせ
発砲した警官に群がり、そのままどこかに連れ去ってしまう。周りは完全に恐怖していたが、岡崎はそれに反して
『やっぱりか』という反応を示し、まるでわかっていたかのような様子であった
警官「岡崎さんいいんですか?連れていかれたヤツ助けに行かなくて」
警官「そ、そうですよ!今すぐあの警官を連れ戻すべきです!今すぐ数人編成して向かいます!」
岡崎 警視正「やめろ。どうせ死んでる」
警官「なぜそう言い切れるのですか!?」
岡崎 警視正「忍者組織一文字族の蟲組っていうグループは虫を操って諜報や戦闘をする。虫達には命令に従った礼として」
岡崎 警視正「エサを与える事になっている。この入口付近にある死体に湧いてた虫みたろ?あの警察官も今頃」
岡崎 警視正「あのハエやアリ達に生きながら『食い殺されてる』だろうな」
岡崎 警視正「そしてこの入場ゲート付近にまだ何か罠があると考えていいだろう···という事だ、さっさと行け」
岡崎は1人の警官に銃を向け入るように促す。銃を向けられた警官は先程の非情な判断をした岡崎に対して
『岡崎なら引き金を引きかねない』と悟り、足取りを重くしながら1人、また1人とゆっくり入場ゲートに入る
〇施設内の道
キング「あいつひでェな···仲間をなんだと思ってんだ?」
斎王幽羅「鳳凰さん、蟲組が仕掛けた罠ってどれくらいあるか分かりますか?」
鳳凰「あまり無いかもしれんな。蟲組には『蟲の如く密やかにそして確実に害を与えろ』と教育してるからな」
鳳凰「それに虻が変わり身の術で1人連れ去ったが、まさかあんな手段を使って罠を突破するとは思ってなかったな」
鳳凰「普通なら目の前で虫に群がられながら人1人連れ去られたら、ビビって足を止めるもんだけどな···」
フェード「歩幅が大きくなっている、警官達が入ってくるぞ」
エンチャント魔導法士「ヘリもいつの間にか増えてるな、攻撃する気満々のロケットランチャーがこっちを向いてやがる」
斎王幽羅「エンチャントさんと凪園はヘリを、他の皆は地上を対処しよう。それと鳳凰さんは鸞を守ってください」
斎王幽羅「ぞろぞろ来たね···皆行くよ!」
警官と機動隊員達は斎王達の方へ向かってくる。ある程度の距離まで詰めると足を止め、陣形を取り出すが
陣形が完成する前にキングがバリケードを展開した。
キング「『城門障壁(ゲート・ウェイ・ウォール)!!』」
突如展開されたバリケードに警官達は困惑するも、機動隊員達は一様に手榴弾を持ち出し安全ピンを抜く
投げようとした瞬間、バリケードの上部をジャンプと共に乗り越えてきたフェードが流星錘で機動隊員の手元を攻撃
機動隊員達が手に持っていた手榴弾は瞬く間に爆発し、警官達が驚いている間にフェードは流星錘で次々と
警官達の顔面を叩きつけ攻撃をする。そしてフェードは警官達に向け言葉を放つ
フェード「来吧,你们这些无能的人。(かかってこい、無能共)」
すると警官達は銃をフェードに向けるも、見覚えのある突風が吹き弾道は逸れ、警官と機動隊員達の足元は
コンクリートが巻き付き、動けなくなっていた
凪園無頼「俺もまぁーぜてー」
斎王幽羅「あ、あれ···?ヘリはもういいの···?」
エンチャント魔導法士「凪園の突風に煽られたんだ、平行を維持できず勝手に墜落してくれるわ。ほら、今もう一機落ちたぞ」
斎王達が後ろを振り返るとヘリが次々に回転しながら勝手に墜落しており、そこには竜巻が一つ起きていた
斎王幽羅「あれじゃあ流石に落ちるのか···ひとまず、目の前に集中しよう」
To Be Continued··· ··· ···