グレート=ダーティ☆エスケイプ

澤井 軽野

第10話 食べちゃう=イーター☆ガール(脚本)

グレート=ダーティ☆エスケイプ

澤井 軽野

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〇荒れた倉庫
怪人=ピート「ヒッ!」
怪人=ピート「誰か入ってくる⋯⋯ッ!」
怪人=ピート「か、隠れ──」
???「あれ? どこにいるの?」
怪人=ピート「お⋯⋯」
怪人=ピート「お前かーーッ!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「な、なんで急に泣いてんの⋯⋯?」

〇荒れた倉庫
輪島 津奈美(わじま つなみ)「その上司みたいな人、そんなに怖いの?」
怪人=ピート「怖いなンてモンじゃねえ! 俺にはわかる──」
怪人=ピート「あれは俺を喰う気だッッ!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「えぇ⋯!? 怪人って共食いとかするの⋯⋯!?」
怪人=ピート「普通はしねェよ! そんだけヤバい奴なンだよ!」
怪人=ピート「ずっとこの辺りをうろついてるッぽいし」
怪人=ピート「ここが見つかるのも時間の問題⋯⋯ッ!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「う~ん、でも⋯⋯」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「まだ警察が警戒してるから」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「今外に出たら捕まっちゃうと思うよ」
怪人=ピート「じゃあどうしろッてンだよ⋯⋯ッ!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「──そういえば」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「怪人って、人間そっくりの姿にもなれるって聞いた事あるけど」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「あんたできないの?」
怪人=ピート「えぇ⋯⋯?」
怪人=ピート「確かに、第2世代の怪人は大抵」
怪人=ピート「人間形態になッてるが──」
怪人=ピート「俺はンなの気持ちワリぃから 考えた事もねーよ⋯⋯」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「でも、それができれば外に出て 逃げられるかもじゃん」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「ちょっとの間だけでも、やってみたら?」
怪人=ピート「う~ん⋯⋯」
怪人=ピート「クソッ、仕方ねェ」
怪人=ピート「できるかわかンねーけど、やってみッか⋯⋯」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「え⋯⋯? すっご!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「ホントに人間になった!?」
怪人=ピート「うぇぇ⋯⋯やッぱめちゃくちゃ気持ちワリぃ」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「でも、これで逃げられるよ!」
輪島 津奈美(わじま つなみ)「怖い人が来る前に、早く行こう!」

〇広い公園
幹部=マティス「ハァッ⋯⋯ハァッ⋯⋯」
幹部=マティス「ち、血と肉⋯⋯」
幹部=マティス「食べなきゃ⋯⋯」
女の子「うぅ⋯⋯」
女の子「あ⋯たま⋯⋯いた⋯⋯」
  タベロ──
  タベロ──
女の子「た、たべ⋯⋯」
幹部=マティス「あっ!」
幹部=マティス「あの子供──!? こ、こんな所で──!」
幹部=マティス「クッ⋯体力が限界だわ⋯⋯」
幹部=マティス「もう何でもいい⋯⋯ッ! アイツを食べて回復するのよ!」
  タベロ──
  タベロ──
女の子「うぅ⋯⋯」
女の子「あっ!?」
幹部=マティス・マンティス「ギシャアァァーー!」
幹部=マティス・マンティス「か、身体が思い通りに動かない⋯⋯ッ」
幹部=マティス・マンティス「でも、絶対逃がさない⋯⋯ッ!」
幹部=マティス・マンティス「『スケジュール・ブック』で動きを先読みすれば──」
幹部=マティス・マンティス「限界の体力でも、確実に捕まえられるッ」

〇黒
  ⋯⋯え?
  な、何? これはッ!
  どうして? 未来が──
  な、何も見えない⋯⋯ッ!?
  どんなに弱ってる時だって、今までこんな事は一度も──

〇広い公園
幹部=マティス・マンティス「ハッッ!」
幹部=マティス・マンティス(あぁ、わかった──)
幹部=マティス・マンティス(未来が見えないのは、つまり──)
幹部=マティス・マンティス(私はここで──)
幹部=マティス・マンティス「た、助け────!」
女の子「う⋯⋯」
女の子「おいしく⋯⋯ない⋯⋯」

〇広い公園
警官「怪人が公園にいると通報があったが──」
警官「誰もいないじゃないか」

〇広い公園
女の子「う⋯⋯」
女の子「シシオ──」
警官「怪人が公園にいると通報があったが──」
警官「誰もいないじゃないか」

〇ビジネスホテル
川渡 シシオ(かわど ししお)「おーーーい! ガキーーッ!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「クソッ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「一体どこ行ったんじゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「どこじゃーー!ガキーーッ!」
???「え、なに?」
ガキンチョ「俺に何か用かオッサン!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「あァ? なんじゃお前は!」
ガキンチョ「今、俺を呼んだだろ!?」
ガキンチョ「何か困ってるなら言ってみろ!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ガキといってもお前じゃないわい!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「シッシッ!」
ガキンチョ「なんだァ~ 俺じゃねーのかァ」
ガキンチョ「おーい! このオッサンが呼んでるぞー!」
ガキンチョ「えっ?えっ? オイラの事?」
ガキンチョ「て、照れるな⋯⋯デヘヘ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「誰じゃお前は!?」
ガキンチョ「まあまあ遠慮すんなよオッサン!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「邪魔じゃ! どっか行けーーッ!」
女の子「うぅ⋯⋯シシオ⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「あッ!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「お、オイ!? 大丈夫か!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「どこ行っとったんじゃ!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「まだ具合悪いのか!?」
女の子「ん⋯⋯大丈夫」
川渡 シシオ(かわど ししお)「そうじゃ、飯にしよう! 食えるじゃろ!?」
女の子「⋯⋯うん」
ガキンチョ「どうやら僕らはお呼びではないようですね」
ガキンチョ「え~」

〇テーブル席
川渡 シシオ(かわど ししお)「ホレ! 食えば元気出るじゃろ」
女の子「うん⋯⋯」
女の子「⋯⋯」
女の子「⋯⋯美味し」
女の子「シシオがくれるごはんは、美味しいね⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「別にワシが作ったワケじゃあないがの」
女の子「うん、でも──」
女の子「シシオがくれたから、美味しい──」
川渡 シシオ(かわど ししお)「そんなモンかのォ⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ワシはタダ飯が一番ウマいがのォ~~!」
女の子「フフ⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「しかし──」
川渡 シシオ(かわど ししお)「なんか今日はよく喋るのォ? ガ──」
川渡 シシオ(かわど ししお)「おっと!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「またあの変なお子様どもを呼んじまうところだった」
川渡 シシオ(かわど ししお)「50年間、基地に子供なんざ居らんかったからうっかりしてたが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「考えてみりゃ人間社会には」
川渡 シシオ(かわど ししお)「少子化といっても ガキはゴロゴロおるもんなァ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「やはり名前が必要かのォ」

〇テーブル席
川渡 シシオ(かわど ししお)「ならシロ──今日からそれがお前の名じゃ」

〇テーブル席
女の子「シロ──」
川渡 シシオ(かわど ししお)「なんじゃ、思い出したのか?」
川渡 シシオ(かわど ししお)「まあワシのやった白衣を着とるし」
川渡 シシオ(かわど ししお)「何となく似合いの名じゃな」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ならシロ──今日からそれがお前の名じゃ」
女の子「⋯⋯うん!」

〇闇の要塞

〇貴族の部屋
大幹部=スカーレット・ウェスト「フフ⋯⋯川渡シシオ」
大幹部=スカーレット・ウェスト「挨拶は済んだわね」
大幹部=スカーレット・ウェスト「じゃあそろそろ”本題”に入りましょうか──」

コメント

  • 遅れましたが、10話達成おめでとうございます🎉
    ピートの人間姿がイケメンでビックリでした😆
    津奈美たち女子高生に人気出そうです✨
    少女の名前がシロと名付けられて心がほっこりしました☺️能力を吸収したおかげですね✨
    怪人が怪人を食すの伏線、シロが回収した事に驚きでした!
    確かにシロの能力は脅威ですね🤔
    全てを喰らい尽くしてしまいかねない力、シシオは制御出来るのか、続きを楽しみに待ってます!

  • 完結してなかったのですね!
    確かに、まだまだ敵は一杯いますからねww
    結構な大長編の予感がします。
    ピート君の別の面も見られたり、少女の別の面も見られていよいよ第2章って感じですね。
    楽しみです😃

  • 一気読みさせていただきました!✨☺️👍実はずっと卑怯なおっさんことシシオが脳裏にチラつくことはあったのですが、やっと会いに来れてよかったです✨☺️面白いですね✨

    シシオはシロのこと心配し始めてて、卑怯なおっさんにときめき始めている自分がいます…これも卑怯ゆえのギャップ…ある意味のギャップ萌え…

    食べられたのがまさかのあのキャラというのもびっくりしつつ面白かったです!!

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