ブラック・クリスマス

尾長イルカ

First(脚本)

ブラック・クリスマス

尾長イルカ

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〇魔法陣2
  消費税25%に増税
  親ガチャならぬ 国ガチャ
  この国に生まれて不幸
  異世界へ生まれ変わりたい!!
  そう願う若者の間で流行る
  異世界自爆テロ

〇渋谷スクランブルスクエア
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「ううん・・・」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「アレ 生きてる? ここは まさか・・・」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「なんだよ 風景は変わらねーぞ?」
市民A「ブラック・クリスマス!!」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「なにする」
子供「ブラック・クリスマス!!」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「子供まで刃物を!?」
市民A「今日は待ちに待った 1日限定の──」
子供「殺人パーティ──」
「聖殺夜(ブラック・クリスマス)だ」
  しっかり 異世界転生していた
  恐ろしい世界へ

〇原宿の通り(看板無し)
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「うわあああああ」
「逃がさねーぜ」
市民A「俺の!!」
市民B「ウチの!!」
子供「ボクの!!」
「ごちそう」

〇駅のコインロッカー
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「た 助けて 助けてくれ・・・」
市民A「ルールは知ってんだろ?」
子供「今日1日 生き延びればいいだけさ」
市民B「楽勝ね~ ウチらに 見つからなければ」
市民A「でも 見ぃぃぃぃぃつけたっっっっ!!」
「アハハハハハハ」
  奥へ逃げ込む
市民A「いい子だから 手間取らせんな」
市民B「364日間 ずっっっと この日を楽しみにしてたんだ!!」
子供「ボクも何度 親殺しを我慢したか でも・・・やっと殺せたよ」
子供「今日なら 捕まらないからね!!」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「お前らまともじゃない・・・ イヤ この世界がイカれてるのか!?」
  半開きの 壊れたロッカーがあった
  そこに置いてあったのは──
市民A「ヒャーハッハッ」
市民A「わわわわ」
子供「ズルいぞ 卑怯者」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「うるさい!! 今日は 殺して良い日なんだろう?」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「来てみろ 全員ゴミにしてやる!!」
  退散する3人
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「ふううぅぅぅ 誰が拳銃を置き忘れたんだ? 壊れたロッカーなんかに」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「おかげで助かったぜ・・・」
「置き忘れじゃないの」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「プレゼントよ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「うわああああ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「くっ 来るな撃つゾ」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「落ち着いて 私は アイツらとは違う」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「嘘だ!! この世界の奴は まともじゃない!」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「今日だけよ ブラック・クリスマスだから」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「さっきから何だ!? ブラック・クリスマス? 狂人の祭りか!?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「その拳銃は「殺しのプレゼント」」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「!?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「サンタクロースが配ってる」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「さッ サンタクロース?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「ブラック・サンタ 陰で殺戮を操る悪魔」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「意味がわからない・・・」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「私と一緒に ブラック・サンタを見つけない?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「今日を 生き延びたければね」


〇SHIBUYA SKY
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「・・・・・・」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「また 飛び降りるの?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「あなたは 自爆テロを起こしたと言った」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「起こしたかったんだ・・・」

〇荒廃した国会議事堂
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「議事堂に突っ込むつもりだった」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「世の中を悪くした奴らを道連れに でも できなかった・・・」

〇渋谷スクランブルスクエア
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「ひとりで・・・飛び降りたよ・・・」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「「異世界自爆テロ」 俺の世界では 流行ってた みんな別の世界へ 逃げたくて・・・」

〇SHIBUYA SKY
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「この世界もキツイわよ」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「消費税60%」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「60%!? 何も買えないじゃないか」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「緊縮財政で 税金を吸い上げることしか 政府は考えてない」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「買い物なんか ナンセンス」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「買い物しないなら どうやって生きてくんだ?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「奪うのよ」

〇荒廃した街
  強盗・略奪あたり前
  そういった連中が多い
  勿論 そうじゃない人々も居る
  貧しくても 強奪しない人たちは
  たいてい 国から借金をする
  生まれた時から 生活費を国に借りるの
  出生を奨励するお金──「奨誕金」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「奨学金みたいだな? 奨学金で借金地獄の奴らが 俺の世界では多かったけど・・・」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「生まれた時から 借金地獄」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「国の奴隷じゃないか!!」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「だから 国民の不満は臨界点 いつ メルトダウンしてもおかしくない」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「不満を操る連中が 武器を配って ブラック・クリスマスを流行らせてるの」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「せっかく異世界転生したのに・・・ もっと酷い世界じゃないか」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「また死にたくなった?」

〇SHIBUYA SKY
カンフー・マスター「そうはいかないアルよ」
マッド・ミックス「お前らは「血の滴るステーキ」だ 勝手に死なれちゃ 腹ペコだ」
マッド・ミックス「俺たちゃ 殺しのグルメマスターさ!!」
カンフー・マスター「「秘伝・うまダレ殺法」味わうヨロシ!!」
ウルフ・ビジネスマン「ワン ワン!!」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「逃げる? また異世界へ・・・ ここは屋上 一歩踏み出せば──」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「いや・・・」
カンフー・マスター「アイヤッー」
カンフー・マスター「いい 痛いアル・・・」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「俺は生きる」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「アラ ざーんねん!」
カンフー・マスター「追え! ワシの敵 討つヨロシ!」
カンフー・マスター「厚い脂肪がなかったら うまダレ・ステーキに なってたアル」

〇研究施設の廊下(曲がり角)
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「振り切ったか?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「あなたには 死んで欲しくない」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「ヘエエ 俺に興味でも?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「うぬぼれないで! 二度と見たくないのよ──」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「私のカレも・・・ この世界を嫌って 屋上から」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「そうなのか・・・」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「異世界へ逃げたい気持ちは分かる でも 自爆テロはダメ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「だからブラック・サンタを見つけたいのか」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「・・・」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「来るぞ!!」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「もっと奥へ隠れないと」
  しかし 奥に居たのは
人斬りイイゾウ「ここは通さねえぜ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「ムムッ」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「やつらの仲間?」
マッド・ミックス「俺たちに 仲間がいないと思ったか?」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「くっ・・・」
  男たちは逃げていった
スナイパー「・・・」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「私たちに 仲間がいないと思った?」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「子供を雇ってたのか?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「口の利き方を誤ると また異世界転生しちゃうよ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「こここ 子供じゃなくて 戦士のようだな・・・」
オジサン「コイツの顔 どこかで 見たことあるなぁ・・・」
オカッパ「どこにでもある顔だよ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「何だアンタら?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「震えて この子の後ろに隠れてたの? 情けない」
オジサン「へへへ 昔から暴力は苦手でね」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「アンタらも彼女の仲間か?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「彼女じゃなくて 鬼切カグラ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「俺は 東雲琉惺」
オジサン「グズグズしないで 早く行こうぜ 万物聖堂へ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「バンブ・・・なんだ?」

〇塔のある都市外観
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「「万物聖堂」 異世界転生を唱えている教団よ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「異世界転生!?」
オカッパ「現世を見限り 異世界転生して チート暮らしサイコーって教義さ」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「「異世界自爆テロ」という 物騒な方法でね」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「それは俺の居た世界と同じだ! だが・・・経典化してるのか!?」
オジサン「若者を騙して 世界の混乱と支配を狙ってんだろう」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「最悪じゃないか」
オジサン「「殺しのプレゼント」は 万物聖堂が配ってるって噂だ」
東雲 琉惺(しののめ りゅうせい)「じゃあ・・・そこに?」
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「ブラック・サンタ!!」
オカッパ「乗り込みますぞォ 腕が鳴るなァ~」
  スナイパーの少女は
  セーフティを解除した
鬼切 カグラ(おにきり かぐら)「走るわよ」
  いざ万物聖堂へ
  果たして 生きて帰れるのか!?
  続きはSecondで──

次のエピソード:Second

コメント

  • 凄く面白かったです。展開も早くて楽しめました。自分の悪いところがわかります。

  • スピーディーな展開のストーリーですが、裏にはいろいろある社会派の作品でもありますね。登場人物も全員なかなか個性的ですね。

  • サスペンスアクション良いですね! 世界情勢との絡みも、異世界モノなのに現実味があって共感できます。
    ブラックサンタの正体も気になりますが、琉惺も何か秘密がありそうですね。

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