ベガの10000億リッツ

米子(公式)

第2話 東国の双子(脚本)

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〇東洋風カジノ(特別室)
マスター「では参加者はお一人300万リッツを」
トレヴァー「さ、300!?」
ベガ「ばか! 静かにっ」
マスター「おや?」
マスター「あなた方もご参加で?」
トレヴァー「いや・・・その」
ベガ「今日のところは観覧よ」
マスター「・・・そうですか」
マスター「では、ぜひ次回」
マスター「皆様と勝負するゲームは『雨札』」
マスター「勝者には賞金と合わせて」
マスター「幸運を授けると言われる、 東の国の希少民族」
マスター「この者を景品としてお譲り致します!!」
ベガ「景品!?」
ベガ「・・・あの子が!?」
???「きれい・・・私のコレクションに加えたい」
???「あれが手に入れば大金持ちだな」
参加者「欲しいわ」
参加者「なんとしても」
ベガ(コイツら・・・いかれてる!)
マスター「では第1ターン」
マスター「お客様にカードを」
ベガ(場に出た札と手札を合わせて)
ベガ(相手よりも早く、組み合わせを作る)
マスター「揃いました、勝負!」
ベガ(カウンティング・・・ するには札数が多いか)
ベガ(厄介なゲーム)

〇東洋風カジノ(特別室)
マスター「では合計点の発表を」
参加者「・・・ふざけんなっ」
参加者「イカサマだ!!」
参加者「でなきゃこんなに勝てるわけない」
トレヴァー「何か、気づきました?」
ベガ「いや」
ベガ「・・・見てる限り不審なとこはない」
マスター「はぁ・・・」
マスター「連れていけ」
参加者「うわっ、なんだ!?  おい!!」
マスター「・・・失礼、お目汚しを」
マスター「残念ですが 今夜も勝者はおりませんでしたね」
マスター「では皆様、またのお越しを」
ベガ「・・・予想以上にやばいわね、この裏賭場」
トレヴァー「人が、景品だなんて・・・」
トレヴァー「許されるはずが」
ベガ「帰るわよ」
ベガ「ここで稼ごうとするのは得策じゃない」

〇空

〇王宮の入口
男「君は・・・真剣にやる気があるのか!?」
美舟「だからあれは・・・」
美舟「わざとじゃなくて」
男「すまないが、もう付き合ってられない」
美舟「あ、待って!」
美舟「ねえ!!  お金は!?」
美舟「嘘でしょ・・・」
トレヴァー「痴話げんかですかね」
美舟「・・・あなた」
ベガ「げっ・・・」
美舟「よかったぁ! 探してたのよ」
トレヴァー「知り合いですか?」
ベガ「いや全く」
美舟「ひどい! さっき話したじゃない」
トレヴァー「あの、一体どうしたんです?」
美舟「あぁ・・・」
美舟「彼、ギャンブルのパートナーだったの」
美舟「でも、私の失敗が多くて」
美舟「嫌になっちゃったみたい・・・」
美舟「お願い!!  助けて!!」
美舟「大負けして、帰るお金すらない・・・」
美舟「野宿になっちゃう!!」
ベガ「自業自得ね」
トレヴァー「ベガ! かわいそうですよ」
トレヴァー「夜は危ないし・・・ 泣いてるじゃないですか」
ベガ「あんたねー」
ベガ「こんな奴いちいち助けてたら らちが明かないわよ!?」
トレヴァー「そうなんですけど・・・」
美舟「どうしたらいいのー!!」
通行人「なんだ?」
通行人「何かしたのか」
トレヴァー「私達、目立ってますよ」
ベガ「・・・あーっ」
ベガ「もう!」
ベガ「手持ち。いくらあんの?」
美舟「1500リッツ」
ベガ「貸して」
ベガ「中戻るわよ」
美舟「・・・助けてくれるの?」
ベガ「今回だけ! ただし!」
ベガ「資金はあんた持ち! 私は1リッツも使わないから!」

〇東洋風のカジノ
ベガ「うーん、低予算で参加できるゲーム」
ベガ「・・・そうだ! さっきの」
美舟「あぁ“三六”?」
ベガ「トレヴァー、あのじじいの配当表は?」
トレヴァー「ありますよ」
ベガ「この文字を・・・数字に置き換えられれば」
美舟「どうしてそんな事するの?」
ベガ「数字なら計算ができる。確率を出す為よ」
美舟「計算って・・・」
美舟「こんなの運じゃない」
ベガ「はぁ・・・」
ベガ「あんた、そんなんだから負けんのよ」
ベガ「いつ来るか分からない運を待ってても」
ベガ「しょうがないでしょ?」
ベガ「勝ちは自分で掴みにいくの」
ベガ「その為にあらゆる手を尽くす!」
美舟「・・・へーぇ」
トレヴァー「それにしても、 この文字の意味は一体・・・」
ベガ「・・・法則性が掴めないのよね」
美舟「貸して」
美舟「これ、東の国の芸能の名前よ」
美舟「文字順に並べれば・・・」
トレヴァー「すごい! よくご存知ですね」
美舟「だって私、東の国の生まれだもの」
美舟「ゲームのルールだって詳しいんだから」
ベガ「よし・・・有利なのは、合計数10と11!」
トレヴァー「『押戻』と『矢の根』ですね」
ベガ「こっから稼いでくわよ!」

〇空
美舟「49、50枚」

〇王宮の入口
トレヴァー「合計5万リッツです」
ベガ「なんとか上手くいったわね」
ベガ「ほら」
美舟「すごいっ!!」
美舟「まさか短時間でこんなに稼ぐなんて!!」
ベガ「・・・ねえ、あんたが言ってた家族って」
ベガ「あのディーラーのこと?」
美舟「・・・特別室に行ったのね」
美舟「こんな格好だから分からないと思うけど」
美舟「私はあの子・・・ “貴舟”の双子の姉なの」
トレヴァー「え!?」

〇テクスチャ
「──幸運を授ける力」
「その価値に目がくらんだマスターは」
「貴舟を連れ去った」

〇王宮の入口
ベガ「あほくさ。そんなの迷信でしょ?」
美舟「・・・とにかく」
美舟「異国の地で、力も味方もない私が あの子を取り戻すには」
美舟「特別室のゲームに、勝つしかないの」
トレヴァー「だから協力者を募ってお金を?」
美舟「私には才能がないから・・・」
美舟「でも、さっきので確信した」
美舟「私のゲームの知識と あなたの賢さが合わされば」
美舟「きっとうまくいく」
美舟「お願いっ!!  あなたが必要なの」

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