道中(脚本)
〇城の救護室
その夜、ムルピの神殿に泊まらせてもらったシルビアたちだった。
シルビア・ヤン・オードリー「・・・・・・」
〇中東の街
シルビア・ヤン・オードリー(これで、イザークが獣のを宿すものを見つけてくれてれば全てが揃う・・・)
シルビア・ヤン・オードリー(儀式をして、世界はまた100年は平和の網で安定に・・・)
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん?」
シルビア・ヤン・オードリー「あ、リトナ」
アイン・イヨ・リトナ「眠れないようですね」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・そうだリトナ、あんたにも言っとくことがあるわ」
アイン・イヨ・リトナ「わ、私なにか怒らすような事をしましたか?」
シルビア・ヤン・オードリー「あたしは儀式を終えたら」
シルビア・ヤン・オードリー「旅も終る」
シルビア・ヤン・オードリー「あんたはお墓に行く」
シルビア・ヤン・オードリー「そうしたら・・・あたしと別れて」
アイン・イヨ・リトナ「・・・・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「まず先に、おじいさんやお婆さんにちゃんと感謝しに行きなさいよ」
アイン・イヨ・リトナ「え・・・そう、ですよね忘れてました」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさんは世界のために、私はファンバオムにあるお墓に、なんかあっという間でしたね」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・手をかして」
アイン・イヨ・リトナ「え、はい」
リトナは言われたとおり右手を差し出すと、シルビアは両手で触れる。
シルビア・ヤン・オードリー「あったかいわね」
アイン・イヨ・リトナ「私は昔から寒さに強いんです。これも獣の力のおかげですかねハハッ」
しかし離すことなく手の甲を優しく触れていた。
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、どうしました?」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・あったかいから、触ってるの、ダメ?」
アイン・イヨ・リトナ「いいえ、でも、なにかあったんですか?」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・うんうん・・・なん、にも・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「ただ、こうして自分じゃない体温を感じるってとても暖かいことだと、思って・・・」
その猫背になってリトナの手を擦るシルビアから感じる温もり、
それはとても優しく、
どうしてか分からずも震えていて、
アイン・イヨ・リトナ「ヒール・・・」
そっと左腕で彼女を包み魔法で夜の寒さから護ったのだった・・・。
〇中東の街
シルビア・ヤン・オードリー「──じゃあ行くわよ」
「はい」
アイン・イヨ・リトナ「・・・・・・」
早朝、シルビアはいつもの性格だった。
振り切ったであろう彼女に、リトナあの夜の事は気持ちの中に閉まって4人でファンバオムに行くことにした。
〇山並み
ウカ・デルマ・ネール「ムルピちゃん、両親にはちゃんと話しましたか?」
ムルピ「わしは両親はおらん」
アイン・イヨ・リトナ「えっ、両親いない!?」
ムルピ「わしは気がついたときから一人で生きて来た」
ウカ・デルマ・ネール「そんな、魔物だっているのに?」
ムルピ「わしは獣を宿すものじゃ、タイタンと共にこの年まで生きて来た」
驚愕するリトナとウカだがシルビアはキリッとした目になる。
シルビア・ヤン・オードリー「そっ・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「じゃあ頼りになるわね。期待するわ」
ムルピ「シルビア・・・」
ムルピ「うん!」
シルビア・ヤン・オードリー(厳しい環境に育っても、中身は12才の女の子ね)
アイン・イヨ・リトナ「しかしここからファンバオムまでは約3日間、気をつけて行きましょう」
〇森の中
こうして4人の旅が始まり魔物に襲われながらも順調に進んで行った。
アイン・イヨ・リトナ「やあぁぁっ!」
アイン・イヨ・リトナ「今です、ウカさんっ!」
ウカ・デルマ・ネール「ウォーター・・・スピアッ!」
「やったーっ!」
シルビア・ヤン・オードリー「ムルピ、あたしが引きつけたあとに・・・」
ムルピ「ストーン!」
シルビア・ヤン・オードリー「ちょっと・・・」
ムルピ「ロック・クロー!」
シルビア・ヤン・オードリー「もうっ、バーンブレードッ!」
ウカ・デルマ・ネール「戦えました!」
アイン・イヨ・リトナ「的確でしたよさすがウカさん、飲み込みが早いです!」
ウカ・デルマ・ネール「少しでも皆さんのお役に立てるよう頑張ります」
ちゃんとあたしの話しを聞きなさいよっ!
シルビア・ヤン・オードリー「どうして話し終える前に攻撃仕掛けるのよ!」
ムルピ「あんな敵、恐るにたらずじゃ!」
シルビア・ヤン・オードリー「恐るにたらずとかじゃなくて、一緒に戦ってるんでしょっ!」
ムルピ「ふーん、シルビアが遅いだけじゃ、ムルピ悪くないもーん」
シルビア・ヤン・オードリー「なに〜っ!」
アイン・イヨ・リトナ「まあまあ・・・」
「フンッ!」
アイン・イヨ・リトナ(はぁ〜、どうして仲が悪いんでしょうか〜)
〇草原の道
──2日目、山と山の間から薄っすらと顔を出し始めたファンバオム。
〇ファンタジー世界
シルビア・ヤン・オードリー「あれって・・・ファンバオムに、煙?」
アイン・イヨ・リトナ「黒煙、ですね」
ウカ・デルマ・ネール「なにかあったのかもしれません!」
ムルピ「急ごう!」
嫌な予感がするシルビア、それは3人も感じ取っていた。
シルビア・ヤン・オードリー「くっ、魔物が、急いでるのに!」
ウカ・デルマ・ネール(ウンディーネ・・・お願いします、力を貸して)
ウカ・デルマ・ネール「アクア・マリン・レーザーッ!」
シルビア・ヤン・オードリー「あ、あのときの・・・」
ウカ・デルマ・ネール「はぁ、はぁ、できた・・・急ぎましょう」
シルビア・ヤン・オードリー「う、うん」
アイン・イヨ・リトナ「強そうですね・・・ムルピちゃん気をつけて」
ムルピ「タイタンよ、力を・・・」
ムルピ「グランド・フォレストッ!」
アイン・イヨ・リトナ「敵が一瞬で・・・すごい」
ムルピ「行こう」
早くファンバオムに着くためにもウカやムルピは身に宿す神獣の力で魔物をアッという間に片付けていく。
アイン・イヨ・リトナ(ウカさん、ムルピちゃん、私も獣の力を・・・)
アイン・イヨ・リトナ「くっ!」
サラマンダー「クックックッ、その赤髪〜、お前がリトナかー」
アイン・イヨ・リトナ(私を知っている!?)
シルビア・ヤン・オードリー「ん、リトナ・・・今助けるわっ!」
アイン・イヨ・リトナ「わ、私は大丈夫っ、早くファンバオムに行ってくださいシルビアさんっ!」
シルビア・ヤン・オードリー「え・・・」
アイン・イヨ・リトナ「あなたの狙いは、私ですか」
サラマンダー「そうだ、他の奴らは関係ねぇ」
アイン・イヨ・リトナ「よかった・・・」
サラマンダー「あん?」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、はやくっ」
シルビア・ヤン・オードリー「また捨て身なの?」
アイン・イヨ・リトナ「違いますっ、この程度の相手みんなで戦う必要ありません。だから行ってください」
シルビア・ヤン・オードリー「でも」
アイン・イヨ・リトナ「すぐ追いつきますから」
ウカ・デルマ・ネール「行きましょうシルビアさん」
ムルピ「リトナなら大丈夫じゃ」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・わかったっ、先行ってるわよ」
サラマンダー「言ってくれるじゃねかよ、リトナちゃん、ん?」
アイン・イヨ・リトナ「どなたか知りませんが・・・」
重量のある斧を構えた。
アイン・イヨ・リトナ「不届き者には天罰をっ、ですっ!」