危機(脚本)
〇ファンタジー世界
サラマンダー「──ヤッハーッ、バーン・ガトリングッ!」
アイン・イヨ・リトナ(はやい)
敵は即座に5本の指から小さい炎を出し、狙われたリトナは横へよこへと逃げていく。
アイン・イヨ・リトナ「くうっ!」
しかし敵の方が早く、当たってしまう。
サラマンダー「いつまで耐えられるかなぁああーっ!?」
アイン・イヨ・リトナ「くう〜う〜」
サラマンダー「ひゃあぁっ、両手ならどうだぁーっ!」
もう片方の指からも連射、徐々に炎に包まれてしまう。
〇地下室
スーペル「サラマンダー、お前はこのリトナを狙え」
サラマンダー「へん、ただの女戦士じゃねぇか」
スーペル「甘く見るな、そいつは獣を宿すものの可能性がある」
サラマンダー「可能性? 曖昧だねぇ。灰にしち待っても?」
スーペル(この世に神獣はそれぞれの属性一種類につき一神が決まりのはず)
スーペル(同じ属性の獣を宿すものは二人とはありえない・・・では奴は・・・)
サラマンダー「おい、スーペルさんよ、良いのか、ワリィのか?」
スーペル「構わない」
サラマンダー「ヘヘっ、ありがてぇ」
スーペル(サラマンダーに殺られるようなら、悪いがその程度だったということだからな・・・・・・)
〇荒廃した街
シルビア・ヤン・オードリー「──こ、これはなんなんのよっ!」
ファンバオムにたどり着いたシルビア達。だがその目に見た光景は被害でボロボロだった。
シルビア・ヤン・オードリー「・・・直接聞いてやる!」
ウカ・デルマ・ネール「あ、シルビアさんどこにっ!?」
ムルピ「ダメじゃ、話を聞いておらん、追うぞウカ?」
ウカ・デルマ・ネール(あれは・・・お母さんっ!?)
ムルピ「どこ行くんじゃウカァッ!」
ムルピの声が聞こえていないのか街の東の方へと走っていくウカ
このままではシルビアを見失ってしまうと仕方なく放って置くことにした。
シルビア・ヤン・オードリー「あ・・・家、が・・・」
爺や「シルビアお嬢様!」
シルビア・ヤン・オードリー「爺や!」
爺や「すいませんお邸を守れずに」
シルビア・ヤン・オードリー「一体何が会ったの!?」
爺や「昨夜の事です」
爺や「急に大きな地震を感じたと思い外を覗いてみたら、魔物や獣の群れが進軍していたのです」
シルビア・ヤン・オードリー「侵略ってこと? どうして・・・」
爺や「わかりませんが、大神殿には各国の長も居るはずです。それを狙ったようにも思えます」
シルビア・ヤン・オードリー(各国って、なにを・・・儀式の事?)
爺や「シルビア様」
シルビア・ヤン・オードリー「たしかに狙らわれたと思ってもいいかもしれない。大神殿に行ってみるわ」
爺や「お嬢様っ、危険ですっ、お戻りをっ!」
シルビア・ヤン・オードリー「魔物とは戦ってきたから大丈夫よ、爺やは避難して」
爺や「お嬢様しかし・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(父がなに考えてるかは分からない、行って聞いてみるしかない)
爺や「お嬢様、御気をつけて」
シルビアは目線の先には魔物の群れが集う大神殿が見えたが、覚悟を決めて向かっていった・・・・・・。
〇荒廃した市街地
ウカ・デルマ・ネール「お母、さん・・・」
ウカの母「えっ、ウカッ、どうしてここにっ!?」
ウカ・デルマ・ネール「友だちと、旅してきたの」
ウカの母「友だち、あなたが・・・」
ウカ・デルマ・ネール「お父、さんはどこにいるの?」
ウカの母「そうだ、今あの家の中に」
ウカ・デルマ・ネール「えっ、そんなっ!」
〇西洋の住宅街
そこは火がまだ消えきっていない家だった。
ウカの母「男の子がお父さんを救うと言って入ってしまったの!」
ウカ・デルマ・ネール「・・・あ、ああ・・・」
お父さんが、死ぬ、それが頭を駆け巡った一瞬。前の自分なら泣いて叫んでいただろう。
ウカ・デルマ・ネール(死んじゃう・・・ちがう、あたしには、もう力があるんだ、だからっ!)
ウカの母「ウカッ!?」
ウカ・デルマ・ネール「ウンディーネェェェーッ!」
〇黒
ウンディーネ「積極的にあたしを呼んでくれて嬉しいわよ、ウカ」
〇西洋の住宅街
ウカの母「ウカ・・・どうなってるの」
ウカ・デルマ・ネール「火は私が消す・・・」
ウカ・デルマ・ネール「アクア・ミストッ!」
〇西洋の住宅街
火災の家は霧に包まれ炎は弱り消えていく。するとウカの父を方に担いで出てきた男。
イザーク・フェイン・リッダ「ぷはっ、なんだ急にすごい濡れた、おばさんっ!」
ウカの母「ああ、あなたっ!」
ウカ・デルマ・ネール「お父さんっ!」
イザーク・フェイン・リッダ「ヘヘっ、君が娘さんか」
ウカ・デルマ・ネール「どなたか存じませんが、ありがとうございました」
イザーク・フェイン・リッダ「困ってる人はほっとけないたちなだけさ」
イザーク・フェイン・リッダ「ここには魔物もいる皆さんは避難所に行ってください」
ウカ・デルマ・ネール「お母さん、お父さんをお願い」
ウカの母「え、ウカッ、あなたも避難を」
ウカ・デルマ・ネール「さっきすごい力を見たでしょ」
ウカ・デルマ・ネール「ごめんなさいお母さん、私にはやることがあるの、だからお願い、行って!」
ウカの母「なんだか強くなったわね、ウカ」
ウカ・デルマ・ネール「・・・うん」
いままで見たことのない娘の真剣な目に信じる気になって避難所に向かう母だった。
イザーク・フェイン・リッダ「おいおい残る気か、魔物もいるんだぞ」
ウカ・デルマ・ネール「大丈夫、です。魔物との戦いは出来ますから。それよりもあなたにもお力をお借りしたいです」
イザーク・フェイン・リッダ「はぁ〜、やれやれ弱そうに見えるだけで意思の強い人だ」
イザーク・フェイン・リッダ「オレはイザーク、イザーク・フェイン・リッダだ」
ウカ・デルマ・ネール「私はウカ・・・って、あなたがっ、イザークさんっ!」
イザーク・フェイン・リッダ「え・・・キミはいったい・・・」
〇ファンタジー世界
アイン・イヨ・リトナ「うわぁぁーっ!」
サラマンダー「何だコイツ急にっ、火が効かねえっ!」
アイン・イヨ・リトナ「私には火は効きませんっ、やあぁっ!」
リトナは力を開放してサラマンダーに、思いきり握った両手で斧で水平に斬り裂いた。
サラマンダー「がはっ・・・」
アイン・イヨ・リトナ「ハァ、ハァ、私もファンバオムに・・・」
アイン・イヨ・リトナ「でも喉乾きました〜」
リトナは喉の乾きを我慢しつつファンバオムに顔を向けた
「ひゃあぁぁぁっ!」
アイン・イヨ・リトナ「ぐうっ、あなた、まだ、生きてっ!」
サラマンダー(真の姿)「これが俺の真の姿よ、ヒッヒッヒッ」
今度のサラマンダーは全身が炎。油断して後ろから掴まれた首と腕を離そうとしない。
アイン・イヨ・リトナ「こ、これは」
〇ファンタジー世界
サラマンダー(真の姿)「このまま離さずにどうなるか気がついたか? そうさ、この状態であんたを炎に包み続けるのさ」
アイン・イヨ・リトナ「くっ、やはりっ!」
サラマンダー(真の姿)「さっきの力を使ってもオレに効果は薄い、このまま灰になっちまいなっ!」
アイン・イヨ・リトナ(獣の力をっ!)
サラマンダー(真の姿)「おーっと、あんたも力が上がっても意味ないね〜」
アイン・イヨ・リトナ(ハァ、さっきので、獣の力が、弱い)
サラマンダー(真の姿)「ヒッヒッヒッ、5分くらいたったか、まだまだいつまで持つかなーっ!?」
アイン・イヨ・リトナ「うっ、うああ、うわあぁぁぁーっ!」
サラマンダー(真の姿)「燃え尽きろっ、もがき苦しめっ、泣き叫べぇぇぇーっ!」