〇牢獄
伊藤「ここにはいない！」
伊藤「やはり、魔女の元にいるのでしょうか」
シャルティア「そうかもしれない！」
伊藤「別行動しているユーリさんは 大丈夫でしょうか」

〇魔界
魔女「ここまで辿り着くとは思わなかったよ」
魔女「褒めてやろう」
ユーリ「全ての諸悪の根源の魔女だな」
ユーリ「お前を国家転覆の罪で拘束する」
魔女「やれるものならやってみるがいい」
ユーリ「久しぶりの剣だぜ」
ユーリ「ちっ、塞がれたか」
魔女「なかなかの腕じゃないか」
ユーリ「だが、これならどうだ」
魔女「くっ!?」
ユーリ「久しぶりに魔法使ったぜ」
魔女「お主、あの連中に馴染み過ぎて 気付かなかったがなかなかの腕前のようだ」
魔女「だが、これならどうだ」
ユーリ「・・・・・・」
ユーリ「誰？」

〇牢獄
　　一方その頃、シャルと伊藤は・・・・・・
伊藤「上の方から戦闘するような音がします！」
シャルティア「何か嫌な予感がする」
シャルティア「ユーリの元に急ごう！」

〇魔物の巣窟
　　一方その頃、オタクたちは・・・・・・
ゴブリンA「オデ　ワルイ　ゴブリン　ジャナイ」
岩本「ナカマ」
北川「ナカマ」
ゴブリンA「ナカマ？」

〇原っぱ
騎士「ゴブリンだ！倒せ！」
ゴブリンA「オデ　ワルイ　ゴブリン　ジャナイ」
騎士「ゴブリンは大抵、婦女子を襲うって 昔から決まってるんだ！」
ゴブリンA「ソンナコト　シナイ」

〇魔物の巣窟
岩本「ト　モ　ダ　チ」
ゴブリンA「ト」
ゴブリンA「モ」
ゴブリンA「ダ」
ゴブリンA「チ」
「トモダチ」
　　虐げられた者同士
　　種族を超えた友情を育んでいた

〇魔界
魔女「この娘はお前らがよく知っているはずだ」
エスティーナ「ふふふ」
ユーリ「まさか、その声は上杉さん!?」
エスティーナ「上杉、それは過去の名前よ」
エスティーナ「この世界に来た時に 私は世界に復讐するエスティーナになったの」
ユーリ「上杉さん、目を覚ませ！」
エスティーナ「だまれ！」
ユーリ「くっ！」
ユーリ「上杉さん相手じゃ手を出せない」
魔女「これぞ、人間の弱点 見ものだね」
伊藤「ユーリさん、無事ですか？」
ユーリ「ちょっと休めば大丈夫だ」
伊藤「良かった、少し休んでてください」
エスティーナ「新手かしら？」
伊藤「その声は、まさか上杉さんなんですか!?」
エスティーナ「あら、あなたはオタクじゃない」
伊藤「上杉さん、思い出してください！」
伊藤「私たちは仲間じゃないですか！」
エスティーナ「さあね」
伊藤「上杉さん」
シャルティア「ウエスギちゃん！　目を覚まして！」
シャルティア「もっとマンガを描きたいんでしょ!?」
エスティーナ「そんなもん何よ、描いたところで 否定されるだけよ」
シャルティア「そんなこと誰もしないよ」
シャルティア「みんなで即売会するんでしょ!?」
エスティーナ「やらないわ、そんなもの破壊してやる」
魔女「ひひひひ、何を言っても無駄だよ」
シャルティア「どうにかして、”洗脳”を解く方法はないの？」

〇魔物の巣窟
　　洗脳？
「・・・・・・行かなきゃ」

〇魔界
エスティーナ「さあ、終わりにしましょう」
シャルティア「ウエスギちゃん」
「ちょっと待った！」
エスティーナ「誰!?」
シャルティア「イワモトくん」
岩本「シャルさん、ここは僕たちに任せてください」
シャルティア「この光景、どこかで見たことあるんだけど」
エスティーナ「あんたらが来たところで何も変わらないわ」
岩本「洗脳でいたいけな乙女の純情を 奪い去るなんて絶対許さない！」
岩本「僕は洗脳ではなく 純愛が好きなんだ！」
シャルティア「まさか、そのこだわりのために バーサーカー化が解けたの？」
岩本「魔女！　洗脳なんてゲスなことはやめろ！」
岩本「あんたのやろうとしていることは アプリや催眠で洗脳するエロ同人に 登場するゲス野郎と同じだ！」
魔女「意味分からんことを言うな！」
岩本「そして、いたいけな乙女を洗脳した時点で あんたには負けフラグが立っている！」
魔女「言ってることが全く理解できない」
石井「残念でしたね」
石井「あなたのような卑怯者は このSNSがはびこる世界で 栄えたためしがありません」
魔女「SNS??」
石井「そして、何よりも」
石井「またもや展開が 異世界ものっぽくなってきたことに 大興奮してます！」
魔女「何に興奮してんだ！変態が！」
シャルティア「魔女に正論言われてる」
魔女「状況分かってるのか!?」
石井「もちろん」
石井「主要メインキャラの美少女の弱みを利用し 悪堕ち洗脳する展開 まさに大好物です！」
石井「ありがとうございます！」
シャルティア「ごめん ちょっと何言ってるか分からない」
魔女「何の礼だよ！」
山田「洗脳なんて外道！」
シャルティア「あのヤマダくんが怒っている」
山田「あなたのような非道でゲスで邪悪な人間は 愛の力で滅ばされるべきです！」
シャルティア「結構な言いよう」
山田「純愛こそ正義！」
山田「洗脳百合なんて百合じゃない！」
山田「趣味や嗜好は誰かが強制するものじゃない！」
シャルティア「百合におそろしいほどのこだわりがある」
山田「洗脳を解くのは穢れなき愛の力のみ！」
魔女「理解が追いつかない」
山田「そして、何よりも」
山田「シャルユリ本バンザイ！」
山田「上杉伊藤本バンザイ！」
山田「上杉ユリ本バンザイ！」
シャルティア「本人いるよ？」
伊藤「そ、そんな」
シャルティア「まんざらでもなさそう」
山田「あなたのようなゲスな人間は 愛の力で処断されるべきだ！」
山田「昔から洗脳を解くのは 愛の力だって相場が決まってるんだ！」
山田「僕は、自分の好きなものを堂々と言って 否定されないこの世界が大好きだ！」
シャルティア「ヤマダくん！」
魔女「黙って聞いていれば調子に乗りおって！」
魔女「エスティーナ、奴らを始末しな」
エスティーナ「悪いけど、あんたらには死んでもらうわ」
シャルティア「もう戦うしかないの？」
伊藤「上杉さん！」
伊藤「これを見てください！」
エスティーナ「同人誌」
伊藤「そうです、あなたの描いた同人誌です！」
伊藤「可愛い男の娘がたくさん載ってます！」
伊藤「そして、上杉さんはもっと・・・・・・」
伊藤「お◯◯◯◯を 描きたいんじゃないんですか!?」
エスティーナ「私は・・・・・・」
シャルティア「１番まともな説得なのに何か凄い」
エスティーナ「お◯◯◯◯」
伊藤「そう、お◯◯◯◯です」
シャルティア「両耳がすごい」
エスティーナ「私は自分から拒絶するの？」
エスティーナ「あのとき、誰にも打ち明けられなかった あの時の気持ち」

〇学校の部室
部員B「悪いけど責任取って辞めてくれない？」
部員A「あなたが漫研にいる資格はないわ」
上杉「うるさい」
部員A「えっ？」
上杉「私はマンガを描く！」
上杉「漫研なんて辞めてやる！」
上杉「私には私を守ってくれる 新しい仲間がいるんだ！」

〇カウンター席
クラスメイト「いいじゃん、あんなやつ死んだってさ」
クラスメイトB「まあ、そうなんだけどさ」
エスティーナ「死ぬわけないじゃない」
「えっ？」
エスティーナ「私はマンガを描いてやる！」
エスティーナ「あんたらが、異世界に転移してきたら 私の名前が世界中に轟いている世界を 見せてやる！」

〇魔界
エスティーナ「過去なんて、復讐なんてくだらない」
エスティーナ「私はエスティーナじゃない」
エスティーナ「上杉よ」
上杉「ただいま」
「おかえりなさい」
上杉「私を受け入れてくれた あなた達のいる世界が大好きよ」
　　↑　　　　　　　　↑　　　　　　　　↑
　　　　　女の子同士の友情を見れて満足
山田「じゃあ、行きましょうか」
岩本「邪魔者は去ろう」
石井「あとは任せましょう」
ユーリ「どさくさに紛れて 逃げようとしてんじゃねえ」
「ですよねー」
ユーリ「ちょっと待て」
石井「どうかしました？」
ユーリ「魔女はどこに行った？」
「確かに、どこにもいない」
魔女「ここにいるぞ」
魔女「お前たちの茶番、楽しめたぞ」
ユーリ「茶番だと!?」
上杉「人の心を弄んでおいて何言ってんの」
魔女「とにかく、そろそろ本気を出してやろうか」
上杉「まさか!?」

〇空

〇魔界
シャルティア「魔女に雷が直撃したけど」
ユーリ「何が起こった！」
上杉「みんな、気を付けて！」
上杉「やつの本来の姿が現れるわ！」
ユーリ「魔女の本来の姿!?」
魔女「さあ、続きをやろうか」