宝くじが当たって人助けした件

夏目心 KOKORONATSUME

2 借金返済(脚本)

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〇オフィスのフロア
  翌日。
剛力剛「納期が間に合わない?一体どう言う事だ!?」
一ノ瀬和人「も、申し訳有りません!別件が間に合わず、そちらの方が手付かずで・・・」
剛力剛「それはお前が振られた仕事を間に合わせないのが原因だろ!言われた事をやらないからこう成るんだ!!」
一ノ瀬和人「し、しかし部長、あれは誰がどう見ても・・・」
剛力剛「社会に出て言い訳が通用するか!そんな暇が有るならどうやったら効率良く仕事が出来るか考えろ!!」
一ノ瀬和人「は、はぁ・・・」
  同じ仕事場の仲間が部長に酷く怒られてた。自分の非は認めず、全て部下の所為にする。内では当たり前の光景だ。
剛力剛「良いかお前等!社会に置いては上の命令は絶対だ!上からの指示が有ったら最優先で片付けろ!それが出来なきゃ」
剛力剛「どんな仕事も出来ないと思え!!」
月影絢斗「(何時もこんな調子だ。大金が手に入るまでこんな奴の為に頑張ったと成ると、何だか虚しいな。)」
剛力剛「今度の日曜日、この部署に居る全員で飲み会に行くぞ!これは命令だ!分かったな!!」
月影絢斗「はい!」
一ノ瀬和人「はい・・・」
二宮玲奈「先輩、大丈夫ですか?」
一ノ瀬和人「大丈夫・・・だと思う・・・」
月影絢斗「もう、思い切っても良いかも知れないな・・・」
剛力剛「おい月影?何をブツブツ言っている?」
月影絢斗「え?あぁ!!何でも無いです!」
剛力剛「全く!ぼーっとしてるなら仕事しろ仕事!」
月影絢斗「・・・何で俺、此処に居るんだ・・・?」

〇通学路
月影絢斗「色々考えたけど、やっぱりこれが一番だよな・・・」
  今日も遅くまで仕事と向き合ってた俺は、手に入れた5億円をどうやって使おうか仕事をしながら考えていた。
  只遊びで使ってしまうのは容易いが、思い切ってジョブチェンジをして見ようと思ったが、次の転職先をどうするかは
  まだ決って無かった。
月影絢斗「一人暮らしだし、やっぱまともに稼げないとな。いっその事資格試験を受けるべきか・・・」
「お願いです!もう少しだけ待って下さい!」
月影絢斗「ん?こんな時間に誰か出歩いてるのか?」
  帰る途中、誰かの叫び声が聞こえたので、少しだけ様子を見に行く事にした。
取り立て屋「いや待てねぇな!俺達は遊びでやってるんじゃ無ぇんだ!借りた金は返して貰わねぇとな!」
木島明日香「後少しで給料が振り込まれます!だから!」
取り立て屋「あのな明日香ちゃん。俺等は馬鹿の一つ覚えじゃ無ぇんだ。出来ねぇってんなら、もう身体で払って貰う以外無ぇんだわ」
木島明日香「そ、そんな・・・」
月影絢斗「すみません、何の騒ぎですか?」
取り立て屋「ああん?何だてめぇは?」
月影絢斗「いや、名乗る程の者じゃ無いです。一体何の騒ぎかと思って・・・」
取り立て屋「あぁ、俺はその子の借金の取り立てに来たんだがな、期限までに間に合わせられなかった見たいだから一緒に来て貰う所だ」
月影絢斗「え?まだ学生ですよね?借金なんて出来るんですか?」
取り立て屋「いや、厳密に言えばこの子の両親だ。こいつの両親は飛んだ大馬鹿でな。自分達が良ければ周りなんて知らん顔の奴等だ」
取り立て屋「1ヶ月位前にこの子を置いて夜逃げしてな。だから俺等はこいつに返済を言い渡してる」
月影絢斗「(マジか。借金出来る所には法律が通用しない所が有るって昔聞いた事が有ったな。この子の両親、きっととんでも無い」
月影絢斗「奴等だったんだな。)」
月影絢斗「因みになんですが、借金はお幾らで?」
取り立て屋「5億だ」
月影絢斗「えぇ!!5億だって!?」
取り立て屋「こいつの両親はそこまで出来る馬鹿タレなのさ。もう気が済んだろ?部外者はとっとと消えな!」
月影絢斗「5億・・・5億か・・・」
取り立て屋「おい何だよ?まだ何か有るのか?」
月影絢斗「すみません、二人共ちょっとだけ付き合って貰って良いですか?」
取り立て屋「あん?こっちは遊びじゃ無ぇんだぞ?」
月影絢斗「分かってます!本当にちょっとだけですから!一緒に来て下さい!」
取り立て屋「・・・仕方無ぇ、冷やかしだったら訴えるからな?」
月影絢斗「はい!」

〇マンションの共用廊下
  数分後、俺の自宅にて。
取り立て屋「たく何処へ連れてかれると思ったら、あいつん家だって?一体何しようってんだよ?こっちは只でさえ忙しいってのに!」
月影絢斗「お待たせしました」
取り立て屋「おい!こっちは忙しいんだ!早く要件を言え!」
月影絢斗「ご、御免なさい!取り合えずこれを見て下さい!」
取り立て屋「な、何だこりゃ!?こんなのどうやって手に入れた!?」
月影絢斗「昨日、宝くじで当たった5億円なんです。本当は別の目的で使うつもりでしたが、その子借金してるんですよね?」
月影絢斗「これで足りませんか?」
取り立て屋「お、おう!ちょっと待ってな!」
  俺は宝くじで当たった5億円を借金の建替えに使えないかと思い付き、彼等を自宅へ連れて来た。転職等に使うつもりだったが、
  俺にはこの子が放って置けなかった。
取り立て屋「ピッタリ5億有るな・・・部外者の兄ちゃん、念の為聞くが、後悔はしないか?」
月影絢斗「大丈夫です。俺は俺で貧乏慣れてますから!」
取り立て屋「良し分かった!明日香ちゃん・・・」
木島明日香「は、はい!」
取り立て屋「邪心ファイナンスのご利用有難う御座いました!今後のご利用は、計画的にお願いしますね!」
木島明日香「は、はい・・・」
月影絢斗「あの、念の為聞きますが、利子とかの心配は?」
取り立て屋「安心しろ、この子はまだ未成年だ。これ以上の事は出来ねぇから、もう何も心配しなくて良い」
月影絢斗「そうですか!良かった!」
取り立て屋「俺の仕事は終わりだ。お前等、借金するなら良く考えとけよ!」
月影絢斗「あぁ、怖かった・・・」
木島明日香「あ、あの!」
月影絢斗「ん?どうしたの?帰らないの?」
木島明日香「あの、その、有難う御座いました・・・まさか、こんな風に助けて頂けるだなんて・・・」
月影絢斗「まぁ、気にしないで。全部が全部、たまたまそう成っただけだから」
木島明日香「き、気にしますよ!さっき持って来てた5億円、元々貴方の物じゃないですか!それをどうして!」
月影絢斗「どうしてと言われたら、俺、あれの使い方に困ってたんだよね。バレたらバレたで色々面倒だし、使い方一歩間違えたら」
月影絢斗「俺がどうにか成っちゃうし、有る意味俺には丁度良かったかも知れないかなって」
木島明日香「は、はぁ・・・」
月影絢斗「君も早く帰りなよ。俺はもう疲れ・・・て・・・」
木島明日香「え?」
月影絢斗「・・・・・・」
木島明日香「え!えぇ!!お兄さん!確りして下さい!どうしたんですか!」
  緊張の糸が途切れた為か、俺は疲れ切って気絶してしまった。女の子は救急車を呼びたかったが、お金が無かったので出来なかった
  ので、俺を運んで俺の家へと入るのだった。

次のエピソード:3 二人の境遇

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