炎を宿りし獄炎の女戦士

ヒムネ

水碧い(脚本)

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〇海沿いの街
  ──船が何席も避難していことに気がついたスーペル。
スーペル(船長達か)
  いけねー、今出たら化け物に飲み込めれて終わりだ
スーペル(化け物?)
  あんなんに襲われたら船はひとたまりもねーな
スーペル(シルビア達の船も、襲われているのか・・・)
スーペル(シルビア、彼女には魔物を呼び寄せる力がある・・・)
  それも強力な化け物をとスーペルは思っていた。
スーペル「空、しかないか・・・」

〇水中
  そのころ海の怪物リヴァイアサンはシルビア達を渦に巻き込んでいた。
シルビア・ヤン・オードリー(か、身体が、動かない!?)
アイン・イヨ・リトナ(渦の、力が、強すぎてどうすれば・・・)
ウカ・デルマ・ネール(シルビアさん、リトナさん、助けてっ)
リヴァイアサン「ガァァァァッ!」
シルビア・ヤン・オードリー(さらに強く・・・このままじゃ息がもたない)
アイン・イヨ・リトナ(こうなれば、獣の力、で)
  だが身体は水に持っていかれて自由が効かず、息も限界になるのも時間の問題。
  そんな中でウカにも息切れの危機が訪れてきていた。
ウカ・デルマ・ネール(どうしよう・・・このままじゃ死んじゃう)
ウカ・デルマ・ネール(そんなの嫌だっ!)
ウカ・デルマ・ネール「い、き・・・が・・・」

〇黒
  ・・・ピンチのようね。
ウカ・デルマ・ネール「あ、あなたは・・・」
ウカ・デルマ・ネール「フフ♪」
ウカ・デルマ・ネール「も、もう一人のあたし!?」
ウカ・デルマ・ネール「正確には違うんだけどね」
ウカ・デルマ・ネール「え?」
ウカ・デルマ・ネール「ねえ、今ピンチよ、それでも私に恐怖を抱く?」
ウカ・デルマ・ネール「恐怖・・・ずっと意識を失うのが恐かった。気づけば知らずに別の場所に立ってたりして」
ウカ・デルマ・ネール「それ全部わたし」
ウカ・デルマ・ネール「やっぱり!」
ウカ・デルマ・ネール「恐がらせたのはごめんね」
ウカ・デルマ・ネール「ごめんって・・・私がどれだけ恐怖したか・・・」
ウカ・デルマ・ネール「でも気まぐれでやったわけじゃないの、全てはあなたのためよウカ」
ウカ・デルマ・ネール「わたしの?」
ウカ・デルマ・ネール「それよりも今は絶対絶命のピンチ」
ウカ・デルマ・ネール「・・・」
ウカ・デルマ・ネール「私ならこの危機を救えるわ、あとはあなた自身が決めて」
ウカ・デルマ・ネール「私は」
ウカ・デルマ・ネール「わがままを受け入れてくれたリトナさんやシルビアさん」
ウカ・デルマ・ネール「そんな優しい二人と、今度は」
ウカ・デルマ・ネール「ともに歩く、仲間として横に並びたい!」
ウカ・デルマ・ネール「もっと役に立ちたい、二人を、救いたいです!」
ウカ・デルマ・ネール「家族や友達にいつも一歩引いてしまうあなたは」
ウカ・デルマ・ネール「本当は強くなりたかったのよね、ウカ」
ウカ・デルマ・ネール「じゃあ、助けましょう、一緒にね・・・」

〇海
シルビア・ヤン・オードリー「ぷはっ!」
シルビア・ヤン・オードリー(死ぬかと、思ったわ、はぁ、はぁ)
アイン・イヨ・リトナ「ぷはっ、わわっ」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、よかった」
アイン・イヨ・リトナ「はぁ、はぁ、はぁ・・・あの浮いている人は、ウカさんっ!」
ウカ・デルマ・ネール「いまの私はウカではない、水碧いの神獣ウンディーネ!」
シルビア・ヤン・オードリー「ウン、ディーネ・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(水を扱うウンディーネって、たしか本のおとぎ話だと思ってたけど)
シルビア・ヤン・オードリー(ウカは獣を宿すものの一人だったんだ・・・)
リヴァイアサン「ガァァァァッ!」
  リヴァイアサンの雄叫びとともに渦がウンディーネを襲う。
ウカ・デルマ・ネール「私を恐れないのね・・・おもしろい」
ウカ・デルマ・ネール「はっ」
  ニヤリすると同じく渦を作り出し、激突させる。
アイン・イヨ・リトナ「すごいっ、これが獣の宿すものの力、イザークさんの時よりも強力な気がします」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・ウカ」

〇水中
  巨大な渦の中に入るリヴァイアサンを追うウンディーネだったが
  それはリヴァイアサンの罠
  噛みつこうとしてきた。
ウカ・デルマ・ネール「わざと私を誘い込んだのね・・・」
ウカ・デルマ・ネール「ウフッ、こちらにも丁度いいわ」

〇海
アイン・イヨ・リトナ「ウカさん、ウンディーネさん・・・」
アイン・イヨ・リトナ「え?」
シルビア・ヤン・オードリー「渦とリヴァイアサンが、消えた」
ウカ・デルマ・ネール「アクア・ドレイン・・・ごちそうさま」
スーペル(真の姿)「見たぞ・・・あれが、獣の宿すもの・・・」
スーペル(真の姿)(普通の人間なら食われて終わりだ、それを化け物ごと消し去るとはあの青髪の・・・あとはもう一人、あの赤髪の女)
  真の姿で飛んできたスーペル一部始終を目撃した。

〇海辺
シルビア・ヤン・オードリー「──助かった、ありがとうウンディーネ」
アイン・イヨ・リトナ「ありがとう、ございます」
ウカ・デルマ・ネール「ええ、あとはウカ見てあげて、じゃあ」
  ウンディーネの言葉の後、ウカは力が抜けたのか倒れる。
アイン・イヨ・リトナ「ウ、ウカさん!」
ウカ・デルマ・ネール「リ、トナ、さん」
アイン・イヨ・リトナ「ウカさん、ウカさんのおかげで助かりましたよ」
ウカ・デルマ・ネール「よかった・・・うっ!」
ウカ・デルマ・ネール(身体が、重い、動かせない)
シルビア・ヤン・オードリー「反動ね」
アイン・イヨ・リトナ「そのようですね、ウカさんはしばらく寝かせておきましょう」
シルビア・ヤン・オードリー「ええ・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(船が沈没、ここはヴォルムが見えるくらいの場所か)
  幸いなことに見渡すとまだ小さく見えるヴォルムに頭を抱えつつも戻るしかないと決めるシルビア。
シルビア・ヤン・オードリー「しかたない、いったん戻るしかないわ」
アイン・イヨ・リトナ「そうですね、ウカさんも心配ですし」
  砂浜を歩き森林を入ろうとする。と、
スーペル「やあシルビア」
シルビア・ヤン・オードリー「え、スーペル!?」
  スーペルが現れた。
シルビア・ヤン・オードリー「あんたっ、あたし達を付けてたのねっ!」
スーペル「いや、街で噂を聞き来てみたら君達がリヴァイアサンに襲われていたのを目撃した」
シルビア・ヤン・オードリー「目撃って・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「ウカを見たのね」
スーペル「見せてもらった、獣を宿すものの力」
  何を考えているか分からないスーペルに、シルビアとリトナは警戒をする。
スーペル「素晴らしい力だった。リヴァイアサンを消し去るとは・・・未知なものだな」
シルビア・ヤン・オードリー「そっ」
シルビア・ヤン・オードリー「ようがないなら退いて、あんたも見てたならこの子が危ないのは分かるでしょ」
アイン・イヨ・リトナ「そういうわけなんです、スーペルさん」
スーペル「君にも」
スーペル「とても興味が湧いてくるよ。どんな力なのか」
アイン・イヨ・リトナ「失礼、します」
スーペル「その子を背負ったままでは戦闘もままならないだろうから、僕もヴォルムまで付いていくよ」
シルビア・ヤン・オードリー「結構よ」
アイン・イヨ・リトナ「・・・シルビアさん」
アイン・イヨ・リトナ「話にのりませんか?」
シルビア・ヤン・オードリー「はあ? リトナなんで」
アイン・イヨ・リトナ「ウカさんを背負っての戦闘は不利だし」
アイン・イヨ・リトナ「移動の途中でリヴァイアサンやデス・キラーのような魔物も現れないとは言い切れないかと」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・そう、ね」
シルビア・ヤン・オードリー「じゃあ頼むわスーペル」
スーペル「ああ」
スーペル(シルビア、少し変わったな)
スーペル「ただ、一つ頼みがある・・・」

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