悪い気のしない仲間(脚本)
〇西洋風の部屋
シルビア・ヤン・オードリー「──シェルシ・ルマン・フォーン」
フレイア・フェイン・アイン「年に一度の街の行事でフレッシングからヴォルムに10人くらい引き連れてやってくるんです」
アイン・イヨ・リトナ「10人、つまりその中の一人なんですね」
フレイア・フェイン・アイン「はいリトナさん、シェルシさんはとても優しい人で戦うことが嫌いなんです」
ウカ・デルマ・ネール「わかります、私も嫌いですから」
シルビア・ヤン・オードリー「ふ〜ん、それで?」
フレイア・フェイン・アイン「魔物に襲われても怖くて戦えないシェルシさんをお兄ちゃんは守って上げたんです。それからのお友だちに」
シルビア・ヤン・オードリー「それでなのね」
フレイア・フェイン・アイン「はい!」
シルビア・ヤン・オードリー「フレッシングか〜」
ウカ・デルマ・ネール「シルビアさん、フレッシングは・・・」
恐るおそる言葉を口にするウカ、
だがそれよりも前に出たリトナ。
アイン・イヨ・リトナ「和風な街だとおじいちゃんに聞いたことがあります」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、あんたしってんの?」
アイン・イヨ・リトナ「はい、フレッシング育ちではありませんが、私はおじいちゃんとフレッシングの外れに2人で住んでいましたから」
シルビア・ヤン・オードリー「それで下山してヴォルムに向かう途中で、あたしと出会ったのね」
アイン・イヨ・リトナ「はい」
ウカ・デルマ・ネール「シルビア、さん」
シルビア・ヤン・オードリー「なによ、ウカ」
ウカ・デルマ・ネール「ひぃ・・・」
ウカ・デルマ・ネール「ここからフレッシングだと、その、一週間以上はかかりますけど〜」
またそれか、と頭を抱えるシルビア。
窓から空を見つめるリトナ。
初対面で話し合うウカとフレイア。
呑気に見えるも悪い気はしない。むしろ安らぐ自分がいる・・・
自分がしっかりしなくてはいけないと考えに集中する。
シルビア・ヤン・オードリー「よし、決めた、リトナにウカ、行くわよ」
〇西洋の街並み
フレイア・フェイン・アイン「──それじゃお兄ちゃんに会ったらよろしくお伝えください」
シルビア・ヤン・オードリー「うん、じゃあ」
アイン・イヨ・リトナ「フレイアさんもお元気で」
〇海沿いの街
シルビア達は一度ヴォルムに戻ることにした。そして乗ってきた船でモイスからフレッシングに目指すことにしたのだ。
シルビア・ヤン・オードリー「こうすれば船で一日、モイスからフレッシングに徒歩でなら4、5日で着くはず」
アイン・イヨ・リトナ「つまり一日浮きますね!」
シルビア・ヤン・オードリー「本当はモイスから船でフレッシングがいいんだけど」
ウカ・デルマ・ネール「燃料は帰りの分しかありませんから、すいません」
シルビア・ヤン・オードリー「別にウカが悪いわけじゃないから」
おや、シルビア戻ってきたのか
話していた3人がヴォルム入口付近が見えた頃に青髪のスーペルがいた。
シルビア・ヤン・オードリー「スーペル、あんたまだここに居たんだ」
スーペル「まあね」
シルビア・ヤン・オードリー「暇なのね、呆れる」
スーペル「そんなことはないさ、ちゃんと任務を果たしてるよ、ほら、前ちゃんとあいさつしなかったから、スーペルですよろしく」
アイン・イヨ・リトナ「こんにちは」
ウカ・デルマ・ネール「こ、こんにち、は」
あいさつを済ますとリトナとウカ、観察するように二人を見るスーペル。
スーペル「君達か・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「もういいわよね、あたしたち急いでるから」
アイン・イヨ・リトナ「いいんですかシルビアさん」
シルビア・ヤン・オードリー「いいの、あたし等には関係ないんだから」
シルビアの背中に付いていく二人はヴォルムに入り船場えと向かって消えていった・・・。
スーペル(あの二人が獣を宿すもの・・・それは本当かシルビア、ちゃんと試したのか?)
スーペル(獣を宿すものは、その身に神獣を宿し、その力は自然界そのものと言われている、何か確かめられればいいのだが)
〇漁船の上
アイン・イヨ・リトナ「──また船を運転してもらってすいませんねウカさん」
ウカ・デルマ・ネール「いえ、仕方ありませんからこの場合は」
リトナはシルビアの方にも行ってみると船の降板いた。
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、また船とは思いませんでしたね」
シルビア・ヤン・オードリー「まあね、でもしょうがないわ」
シルビア・ヤン・オードリー「それよりもリトナ、ウカの事なんだけど」
アイン・イヨ・リトナ「はい?」
シルビア・ヤン・オードリー「獣を宿すものって感じとかする?」
アイン・イヨ・リトナ「え・・・え〜っと〜」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、あんた何か隠してるんじゃないの?」
アイン・イヨ・リトナ「そ、そんな〜、ただ」
シルビア・ヤン・オードリー「ただ?」
アイン・イヨ・リトナ「何が獣を宿すものということなのか今一しっくり来なくて」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさんはわかりますか?」
シルビア・ヤン・オードリー「え・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「それは神獣を宿して・・・その力は自然界、よ」
アイン・イヨ・リトナ「どういう事ですか?」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・」
アイン・イヨ・リトナ(神獣・・・)
アイン・イヨ・リトナ(ではウカさんのもう一人の人格が、神獣さん?)
アイン・イヨ・リトナ(でもそしたら、私も会話とかできるのかな)
アイン・イヨ・リトナ「な、なに!?」
シルビア・ヤン・オードリー「ウカッ、何かあった!?」
ウカ・デルマ・ネール「わかりません、でもこれは普通じゃない・・・」
ウカ・デルマ・ネール「巨大な、海の魔物かもしれません!」
「キャアァァァッ!」
〇海
船は大破し、シルビア達の目の前に、
アイン・イヨ・リトナ「この魔物は!?」
ウカ・デルマ・ネール「うっ、わたし本で読んだことがあります、海の怪物っ!」
シルビア・ヤン・オードリー「リ、リヴァイアサンッ!」