第7話 処刑人(脚本)
〇田舎の教会
姫の処刑と同時刻
エクレアは結婚式を挙げていた
薬で酩酊したチュロス
その時!!
チュロス「イテテ! 腹がいてぇ!!」
チュロス「ううう たまらん!!」
口からキラキラと モザイク案件
チュロス「苦しかった・・・ お陰で 目が覚めた」
チュロス「姫の料理が クソまずくて良かったよ」
軽い食中毒になっていたようだ
チュロス「姫を助けに行かなきゃ!!」
〇けもの道
エクレア「もう遅い! 今頃 首は無いかもね ハハハハハ」
〇ファンタジー世界
姫の処刑が
準備されていた
〇城壁
腕を振るう処刑人
大臣「首をはねる前に 余興として踊ってもらおうか」
大臣「死の舞を!!」
パンナコッタ姫「イヤじゃ イヤじゃ」
大臣「踊れ魔女 ワハハハハ」
パンナコッタ姫「大臣見そこなったぞ 悪人だったとは!」
パンナコッタ姫「成敗してやる そこへ直れ!!」
大臣「面白い 私の首を討つか?」
パンナコッタ姫「そこの者 こやつの首をはねよ!!」
処刑人「・・・・・・」
大臣「どちらの首をはねる? お前に選ばしてやるぞ」
処刑人は迷わず 姫を跪かせた
大臣「ワハハハハ」
パンナコッタ姫「うう・・・チュロス殿が助けに来てくれる」
大臣「チュロスというのは 以前 取り逃したネズミか?」
大臣「そうか ネズミ退治もできるな よし 暫し待ってやる」
大臣「2人まとめて首をはねる その前に──」
大臣「たっぷり死の舞を踊らせてやる 笑いが止まらんわ」
大臣の退屈しのぎが 時を稼いだ
〇洞窟の入口(看板無し)
駆けつけたチュロス
チュロス「地下からなんて グズグズしてられない」
チュロス「どうする!?」
〇海岸の岩場
チュロス「湖が!?」
水竜「見つけたぞ人間! お前が 卵を盗ませたのだね!?」
水竜「許さん」
湖から湧き出た水竜が チュロスを襲う
チュロス「うわあああああ」
〇水中
チュロス「ううううう!!」
湖に引き込まれる
執拗に襲ってくる水竜
チュロス「ゴボゴボゴボ」
溺れるチュロス
〇海岸の岩場
水竜の頭に乗り 城壁を目指す
頭を蹴って 城壁を飛び越える
〇城壁
パンナコッタ姫「かっこいい」
チュロス「待たせたな!」
処刑人「・・・・・・」
チュロスと処刑人の一騎打ち
振り翳した斧が 柱に突き刺さる
処刑人を蹴り飛ばし
柱に刺さった斧を奪うチュロス
チュロス「武器は奪ったぞ!」
大臣「この剣を使え」
処刑人「ヌウウ・・・」
チュロス「その剣は!?」
チュロス「俺が作った・・・兄さんの剣!!」
処刑人「ソイツ シンダ オレ コロシタ」
チュロス「きさま」
処刑人は黒い剣を握った
剣と斧の乱れ討ち
雷鳴とどろき
風雨が襲う
〇草原
処刑人の太刀さばきに
記憶を揺さぶられるチュロス
チュロス「その身のこなし・・・」
〇城壁
チュロス「兄さん? 兄さんだろう!?」
処刑人「ソイツ シンダ オレ コロシタ!!」
チュロス「嘘だ!! その剣を そんな風に扱えるのは・・・ 兄さん以外に無い!!!!」
チュロス「・・・・・・」
〇睡蓮の花園
魔女「お前の望みを叶えてやろう」
魔女「戦争で勇者になるのだろう?」
ブラウニー「そんな夢は捨てた」
魔女「捨てた?」
ブラウニー「彼女に出会えたから」
ブラウニー「勇者になる夢より 彼女と一緒に暮らす夢を見るよ」
魔女「ちっぽけな夢だね」
ブラウニー「大きな夢は身を滅ぼす 小さな夢でいいさ」
魔女「だけど あの子はドラゴン 結婚は不可能」
ブラウニー「どうでもいい 一緒にさえ居られれば」
ブラウニー「彼女は人間になりたいみたいだけど 俺はドラゴンでも構わない 姿は関係ない」
エクレア「ブラウニー ブラウニー」
ブラウニー「戻ってきたようだ」
魔女「シュヴァルツヴェルダー キルシュトルテ!!」
処刑人「!?」
処刑人「ココドコ? オレ ダレ?」
魔女「お前は処刑人 お前の居場所は ココじゃない」
エクレア「ブラウニー!! 私が誰かわかる!? 人間に・・・人間になれたの!!」
魔女「おいで 彼女が来る前に」
魔女「剣も忘れるな お前の痕跡は全て消さないと」
魔女「ここに漂う お前の匂いもね フォンダン・オ・ショコラ~」
エクレア「ブラウニー? ブラウニー? どこ? どこ行ったの!?」
エクレア「おかしい・・・どこにも居ない 匂いも・・・ない」
〇城壁
チュロスの一撃が決まった
それは兄から教わった必殺技だった
痛みが記憶を戻した
処刑人「ううう・・・ 強くなったな・・・チュロス 騎士になれるぞ」
チュロス「兄さん!! 顔を見せてくれ 覆面を取って」
処刑人「ダメだ」
処刑人「魔女が俺を変えてしまった・・・」
処刑人「俺の顔は化け物に・・・ 誰にも会わぬよう 化け物に変えてしまったんだ」
処刑人「もう 見せることはできない」
チュロス「村一番の美青年だった 兄さんが」
チュロス「だけど そんなの平気だよ 兄弟じゃないか!!」
チュロス「懐かしい顔を さあ!」
処刑人「ダメだ ダメだ ダメだ」
城壁の方へ 駆け出すブラウニー
水竜が城壁を超え
ブラウニーの首を噛みちぎる
チュロス「兄さん」
転がる生首
覆面が弾け飛ぶ
パンナコッタ姫「!!」
チュロス「見るな 兄の顔は」
パンナコッタ姫「綺麗な顔だよ・・・」
パンナコッタ姫「魔法が解けたのね」
チュロス「兄さん・・・確かに 眠ってるみたいだ」
大臣「まずい!!」
逃げる大臣
そして穏やかな顔でシスターが現れた
シスター「ひい様 大丈夫? 大臣がヒドいことしてると聞いて 飛んで来たのよ」
パンナコッタ姫「シスター会いたかった!!」
シスターに抱きついて泣く姫
パンナコッタ姫「怖かった 怖かった」
シスター「オオ よしよし 私の可愛い ひい様」
チュロス「バアさん 今までどこに居た?」
シスター「教会ですよ もちろん 教会でお勤めしていたわ」
チュロス「町に張り紙までされてたんだ 姫の処刑は 知ってたのでは?」
シスター「こもって 祈祷していたから 外の情報は 一切知らなかったの」
シスター「もし知っていたら 大臣に 勝手な真似はさせませんよ」
チュロス「本当か?」
パンナコッタ姫「チュロス殿 わらわは シスターだけが支えじゃ」
パンナコッタ姫「それを疑うなんてヒドい」
チュロス「すまん・・・」
シスター「オホホホホ 良いのです 誰にも間違いはあります」
目を剥いたブラウニーの首が
シスターに飛びかかる
シスター「コンチクショウ しつこい男は 嫌いだよ」
稲光に照らされたシスターの影
チュロス「魔女 魔女の影」
パンナコッタ姫「ええ!?」
シスター「大した執念だね 首になっても まだ私が憎いのかい!?」
シスター「アハハハハハ」
チュロス「お前が魔女? お前が兄さんを!?」
パンナコッタ姫「嘘じゃ・・・嘘じゃろ シスターが魔女? そんなバカな!!」
シスター「いやらしい さっさと水竜に食われな」
首を湖に投げ捨てる
〇黒背景
〇城壁
魔女「愚かな姫よ 竜の卵に 王を治す力などない!!」
パンナコッタ姫「そんなそんなそんな!! では では・・・何のために!?」
魔女「教えてやろう」
魔女「地獄でね」
チュロス「姫を返せ」
魔女は姫を連れて大空へ
チュロス「アツツ」
炎に邪魔され 追えない
魔女は姫を連れて消えた
そこへ大臣が
大勢の兵を連れて戻る
捕まるチュロス
〇黒
エクレア「こいつ 嫌いなんだけど」
魔女「まだ殺しちゃいけないよ 王家の一族を滅ぼすために この子の体が必要なのさ」
魔女(そしてお前を本気で怒らせるために 姫が必要だった)
魔女(まんまと お前と姫は出会った 男を挟んでね ヒヒヒヒヒ)
エクレア「どこまで企んでるの? 恐ろしい人 いえ 恐ろしい魔女だね」
魔女「アハハハハハ」
いよいよ話は佳境へ
次回乞うご期待
今回もとても凄い作品でした……投稿して下さりありがとうございます!!!
折角のお兄さんとの再開出来たのに、悲しいですね……。
そしてシスターがここで登場、そして魔女でしたか!!難を逃れたかと思いきや、前より更に絶体絶命のピンチ……今後どうなるのでしょうか……。
う、うわ〜ん!
お兄ちゃんと感動の再開が、あっという間に生首に…!!
エクレアは気づかなかった?気づいても自分を捨てた人だと思って気にしなかった?
裏切ってなかったと知ると、余計にお兄ちゃん、悲運ですね。
シスターはやはり敵でしたか。優しすぎる人は疑いたくなるんですよね。