Xヒーロー

語り部

第30話 閻魔の天秤(脚本)

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〇武器庫
  2021年 大阪府 堺市 南区 とある商店 地下室
  エンチャント、鸞、凪園の三人は見えない爆撃が収まった瞬間に外へ出る。そこには紅色派共産派閥の中国人達が大勢居た

〇荒廃した街
  南区 半壊したとある商店
紅色派の中国人「我在那里!射它!(居たぞ!撃ち殺せ!)」
  紅色派の中国人達はエンチャントに銃口を向け、あまりに軽々しく引き金を引く。
エンチャント魔導法士「銃程度でイキがりおって。凪園、鸞、準備しとけよ」
  エンチャントは即座に近くにあった瓦礫をコンクリートの壁に作り替え、銃弾を防ぐ。その間凪園と鸞は
  ゆっくりとそして大きく息を整え、『行ける』とエンチャントに合図を送る
  周りの様子を見て、銃声が止んだ瞬間。エンチャントはコンクリの壁を取り払い、それと同時に凪園は高く飛び上がる
  凪園の蹴り足が形取り、今まさに蹴り技が放たれる瞬間に鸞は凪園に向かって術を放つ
鸞「獄炎 『閻魔裁きの術!』」
  鸞の口から放たれた炎は閻魔を形取り、周りは『異常な暑さ』となっていた
凪園無頼「風のビート『アストライア・ゼピュロス!』」
  凪園から繰り出された『風で出来た女神』は天秤を高々と掲げる。鸞から作り出された閻魔が笏を天秤に向けると
  天秤には『風と炎』が出現し炎に傾いた。異常な暑さは和らいだが、代わりに油断すると『体が浮いてしまう』ような暴風が発生する
  紅色派の中国人達は呆気に取られてる間に、風の女神は天秤をエンチャント達に向ける。
  そして凪園の向いてる方向一直線を安全地帯とし、左右には『炎と風の壁』が出来上がった。
  炎と風の壁は周りの水溜まりを一瞬で蒸発させ、そして壁に吸い込むように風が吹いていた
エンチャント魔導法士「三人とも、出てきていいぞ。凪園、鸞、今すぐ酸素吸入器を吸え。『窒息で死ぬぞ』」
  鸞と凪園は苦しそうに胸を抑えながらエンチャントが差し出した酸素吸入器を取り、直ぐさま使用した
  そして斎王、キング、フェードが地上に姿を出すと直ぐさま鸞と凪園に駆け寄りエンチャントに事情を聞き出す
エンチャント魔導法士「大技の弊害だ、死にはせんが自立呼吸が少しの間できん。斎王とキングでおぶってやれ」
  斎王とキングはエンチャントに言われた通りにし、炎と風の壁の間にできた道を進もうとしようとするがそこには
  炎と風の壁の向こう側から『拒絶する声』が聞こえ『炎を纏った骸骨』が次々に現れ、力無く倒れていく
斎王幽羅「まるで『阿鼻叫喚の地獄』だね···この骸骨達ってやっぱり···」
エンチャント魔導法士「『紅色派の中国人共』だな、触れれば肉が溶けるような『炎』にそこに吸い込むように発生する『暴風』だからな」
エンチャント魔導法士「早く行くぞ、この壁もいつまで持つかわからん」
  斎王達は歩を進める。その間にも骸骨達は現れるが誰一人『襲ってやろう』という意思は見られなかった。
  歩いてる最中、斎王はエンチャントに疑問を投げかける
斎王幽羅「ねぇ···なんで俺達は『大丈夫』なの?風はいいとして炎にはまぁまぁ近いから俺達も無事じゃ済まなそうだけど···」
エンチャント魔導法士「本来は無事じゃすまんが、ワシの魔術で『酸素の場所を固定』している」
斎王幽羅「··· ······つまり?」
エンチャント魔導法士「わからん奴だな、授業で習わなかったのか?炎は酸素を巻き込むことによってより拡散して燃える」
エンチャント魔導法士「だがその拡散される炎が『一定箇所で酸素が固定』されたら?」
斎王幽羅「拡散しようとする炎は酸素を求めるけど、まず酸素がないから『拡散しようがない』って事だね!?」
エンチャント魔導法士「そういう事だ。というか···キング、お前大丈夫か?『溶けたり』してないか?」
キング「俺はポエナリ城の城壁から作られた盾だからな。槍、矢、剣、火矢、挙句川の氾濫すら耐えてんだ、屁でもねえな」
エンチャント魔導法士「ということはお前生まれは『ルーマニア』か。おっと···フェード、終点にいる『あれ』知り合いか?」
  炎と風の壁の終点に1人の男がいた。フェードは直ぐに斎王達の前に出て、その男を警戒する
ロン「そう警戒するなよフェード、つい最近まで仲良くやってただろ?」
フェード「离开那里,龍。我怀念和你说话的时间(そこをどけ、ロン。お前と話す時間も惜しい)」
ロン「おいおい、冷たいなフェード。せっかく感動の再開をしたんだ、少しはゆっくりしていけよ」
  すると相手の中国人は銃をこちらに向ける。銃口の先は斎王の方を向いていたが、ここで斎王はひとつの質問を投げかける
斎王幽羅「あんたが紅色派の共産派閥の大将なんだろ?なら聞かせてくれ『俺の懸賞金には何の意味がある?』」
ロン「意味?簡単な話だアメリカ人がお前を『欲しがってる』からだ」
ロン「知ってんだろ?『氷帝』鬼月冷羅の居場所をよ。教えてくれよ」
斎王幽羅「それだけの為に俺に5000万の懸賞金を···?他に理由があるんだろ?」
ロン「わかんねえな~···鬼月冷羅は今アメリカで軍を組織しているがなぜか『姿を表さない』」
ロン「軍の指揮は『フィンガーズ』と呼ばれる5人が行っており、人員管理や金銭の工面もしている」
ロン「中には鬼月冷羅はいないんじゃないか?って声もあるが4か月前異能力規制法の推進派の議員総勢26名が」
ロン「ホワイトハウスに『凍結』された状態で送られてきたそうだ。付属のカードには一言」
ロン「『氷は荒縄すら纏う』と書いていたそうだ。既にFBI、CIA、PFPA(国防総省局)が血眼になって探してるが」
ロン「未だ進展なし。だからこそお前に5000万なんて大金かけてでも『鬼月冷羅』の居場所を特定したいんだよ」
ロン「んでどうよ、教えてくれるかい?」
斎王幽羅「教えない。というかそもそも知らないから教えようがない、通してくれないか?」
  斎王がそう答えるとロンは石の様なものを取り出すが、皆それがキングが言っていた異能武器
  『虚空の石』と理解し、フェードは迷いなく歩を進める。
  ロンは虚空の石の異能を使おうとするも、異能の条件である『水』が蒸発しきってる為発動せず
  近づいてくるフェードに発砲するもフェードは手に持っている鉄扇を使い、銃弾の起動を逸らしながら
  まるで『踊るような動き』でロンに近づき、鉄扇で手首を切り裂き、ロンは手首を抑えながらその場にうずくまる
ロン「うぐっ···!さ、流石だなフェード。手首切り落とすくらい朝飯前ってか···?」
フェード「切り落とす?鉄扇の鋭さではそこまで出来ん。お前の手首の『腱』を切っただけだ、一生使い物にならん手首と暮らせ」
  フェードは鉄扇を仕舞うと皆に急ごうと言い、斎王達は新大阪駅へ向かった
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第31話 外道のスジ

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