HEAT

春島傑郎

10 火焜(脚本)

HEAT

春島傑郎

今すぐ読む

HEAT
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇綺麗な教会

〇教会の控室
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「私が見てこよう」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「ついにバレたか・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「おいヒカル 一緒に地下に行くぞ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「梓真・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あぁ・・・任せろ」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「入れるべきか迷ったが・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「お久〜〜!!」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「お前・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「殺されに来たのか?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「もうそんな信用無くなってんの? 薄情やな〜自分ら」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「そりゃそうだろ まぁ俺達に危害を加えちゃいないが・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「諸々説明するわ・・ 俺が知ってること、推測も含めて全部な」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「それから梓真にもプレゼントあんねん」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「諸悪の根源を・・・ ぶっ殺すプランをな」

〇黒

〇研究施設の玄関前
多井 億斗(タイ オクト)(上手くやれるかな 不安だけど楽しみだなぁ)

〇研究施設のオフィス
多井 億斗(タイ オクト)「今日からお世話になります よ、よろしくお願いします」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「君と会えるのを楽しみにしてたよ そんなに緊張しないでね」
多井 億斗(タイ オクト)(この人が烏丸さん・・・ 良い人そうでよかった)
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「億斗君は採用試験のスコアが歴代最高でね 話がしたかったんだ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「異能者に関する研究に興味があるんだよね?」
多井 億斗(タイ オクト)「はい 僕も異能者ということもあるのですが・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「異能者に対する世論を変えたいと思ってます 出生時AI診断システムの改良にも興味が」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「なるほどね システムは父の研究で最適とは程遠い・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「そうなんです!! 異能者は有利でも危険でもない」
多井 億斗(タイ オクト)「異能を利用した犯罪率は、常人が起こす犯罪率より低いし、犠牲者も少ないんです」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「素晴らしい分析だ でも父が生前施した暗号化が解けなくてね」
多井 億斗(タイ オクト)「そうなんですね・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「まぁそれは追々だね・・・ 一緒にがんばろう」
多井 億斗(タイ オクト)「はい!!」

〇中華料理店
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「彼が億斗君 でこっちのおじさんが蘆田君ね」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「初めまして 天才なんだってね億斗君」
多井 億斗(タイ オクト)「いえそんな・・・」
多井 億斗(タイ オクト)(元エネルギー庁の蘆田議員・・・? なんでこんな大物が・・・)
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「実は私と彼は蜜月の仲でね・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「蜜月・・・ですか?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「変な意味に取らないでくれよ ヒノカグツチは知っているかな?」
多井 億斗(タイ オクト)「もちろんです 日本、いや世界のエネルギー事情を変えた」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「あれで日本のプレゼンスは不動の地位だ 実は作ったのはこの烏丸博士だよ」
多井 億斗(タイ オクト)「凄いですね・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「いつか億斗君にも手伝ってもらおうかな」
多井 億斗(タイ オクト)「はい 是非やらせてください」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「守秘義務は絶対だぞ」
多井 億斗(タイ オクト)「それはもちろん あの、御手洗に・・・失礼します」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「うーん 何だか拍子抜けだなぁ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「当面の話相手としては満足してるんだ 思想もうまく誘導していくよ」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「当面の話相手? もう次の助手が決まってるのか?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「そうじゃなくてさぁ これだけ長い付き合いなのに解んないのぉ?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「君の考えなんて誰も解らんよ 彼をどうやって利用するんだ?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「異能者狩りなんてどうかな 同類の彼なら被害を抑えてくれそうだし」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「無傷で検体を手に入れたいだけだろう? まぁスペアは幾らでも欲しいね」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「とりあえずASHの籍は用意しておこう」

〇施設のトイレ
多井 億斗(タイ オクト)(想像よりもずっと凄い展開だ 僕なりのやり方で異能者を守れるかも・・・)
多井 億斗(タイ オクト)(異能者と常人の争いを無くして・・・ 天馬達がケガしない世界を作ってみせる)
多井 億斗(タイ オクト)(ただ蘆田議員・・・ あの人の黒い噂は絶えない)
多井 億斗(タイ オクト)(少し用心しておく必要があるな・・・)

〇研究施設のオフィス
  数年後・・・
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「頑張ってるね」
多井 億斗(タイ オクト)「烏丸さん・・・ ありがとうございます」
多井 億斗(タイ オクト)「AI診断システムの暗号化なんですが・・・ もう少しの所まで来てる気がします」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「すごいね この前も君の研究の話は楽しかった」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「ASHとしての任務の件も順調だね 君は異能者から信頼を得るのが上手だ」
多井 億斗(タイ オクト)「同じ異能者ですからね・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「それじゃあ私は少し外に出てくるよ あまり無理しないでね」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)(今夜、確かめる・・・)

〇研究施設の廊下
多井 億斗(タイ オクト)(データベース復号化で判明したこと・・・ 暗号化したのは烏丸の父親じゃない)
多井 億斗(タイ オクト)(烏丸のウソだった 彼がヒノカグツチを作ったなら・・・)
多井 億斗(タイ オクト)(烏丸が最も力を入れている異能に関する 技術が応用されている可能性が高い)
多井 億斗(タイ オクト)(ヒノカグツチの原理・・・ 僕が予想する最悪のケースだったとしたら)
  僕が止めないと・・・

〇研究所の中枢
多井 億斗(タイ オクト)「初めて入るな ヒノカグツチの中枢・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「やっぱり・・・ 最悪じゃないか」
多井 億斗(タイ オクト)「最も憎むべき相手に協力してたなんて・・・」
ミコト「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「肉体のほとんどが機械化されて・・・ 異能を司る部位だけ生かされてる」
多井 億斗(タイ オクト)「異能のエネルギー利用・・・ 僕達はただの資源って訳だ」
多井 億斗(タイ オクト)「もう人としては死んでいる・・・ 僕が終わらせる」
多井 億斗(タイ オクト)「エネルギー供給を停止した・・・ これで完全に脳死するだろう」
多井 億斗(タイ オクト)「ごめんね・・・」
  ・・・あ
多井 億斗(タイ オクト)「・・・!?」
  ・・・り・・・がと・・・う
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「泣いてる場合じゃない・・・ 僕が連れてきた他の異能者も解放しなくちゃ」
多井 億斗(タイ オクト)「第二のヒノカグツチ候補・・・ リストアップした彼等にも警告を──」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・!!」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「やぁ億斗君・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「やってくれたね まさか君がそこまで出来るとは」
多井 億斗(タイ オクト)「手の内は明かしませんよ 貴方は他人を馬鹿にしすぎてるのが弱点です」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「話の合う君を失いたくないんだけど ミコトを壊されちゃったんじゃなぁ」
多井 億斗(タイ オクト)(腕部の武器化・・・!? 文字通りの手刀だな)
多井 億斗(タイ オクト)「貴方は異能者じゃない筈・・・ 異能の抽出技術は実用化してたんですね」
多井 億斗(タイ オクト)(僕の異能で隙を作って・・・ カウンターで殺る)
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「怯むこと無く分析できる 君のそういうとこ好きだった・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「よっっ!!!」
多井 億斗(タイ オクト)(よし・・・今だっ!!)
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「待ちなさい百慧!!」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「やぁ父さん また殺されるなんてね」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「なっ!?」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「ぐぅ・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「うぐ・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「”擬態”する相手を間違えたね」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「まぁ躊躇する人間なんて居ないけど」
多井 億斗(タイ オクト)「烏丸ァァァァ!!!!」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「まさか・・・ 自分も機械化しているのか?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「そうだよ」
多井 億斗(タイ オクト)「どうりで他人の異能を使える訳だ・・・ SH因子を仕込んだデバイスを身体に?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「必要なときに使いたい異能のSH因子を 脳に叩き込んでる」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「でも私の脳では適合率が低くてね ほとんど機能しない」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「そこでオーバードーズを使う そうすれば実用レベルまで引き上げられる」
多井 億斗(タイ オクト)「オーバードーズのデメリットは・・・ 機械化した身体には無いってことか」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「その通り・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「生来の異能者だって自身のSH因子との 適合率は20~50%程度だしね」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「彼等のソレと遜色は無いレベルだよ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「そうだ!! SH因子持続の課題について語らな──」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「あぁ、もう死んじゃうのかぁ・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「最期に何か言い残すことは? 最高の友人である私が聞こうじゃないか」
多井 億斗(タイ オクト)「友人・・・ははっ 知能指数でしか測れない貴方らしい」
多井 億斗(タイ オクト)「その身体・・・お似合いですよ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「ありがとう」
多井 億斗(タイ オクト)「それと最期に負け惜しみを1つ・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「最高の友人は貴方じゃない・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「僕を殺したんだ・・・ きっと貴方を殺しにやって来る」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「君の友人なら大歓迎さ!! 君のSH因子は私の中に取り込むから・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「そうすれば感動の再開が出来そうじゃない?」

〇黒
  もう意識が・・・
  あぁ悔しい・・・悔しいなぁ・・・
  ごめん・・・天馬・・・

〇低層ビルの屋上
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「おい! 億斗!」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「死ぬなよ・・・」
  約束・・・
  守れなかった・・・

〇トラックの荷台
ASH隊員「今日も億斗さんが先に話をしますか?」
多井 億斗(タイ オクト)「話・・・?」
ASH隊員「異能者の説得をいつもしてるので・・・ 怖いのは彼等も同じだと」
ASH隊員「戦闘になると双方負傷しかねませんし 説得できれば一番良いと・・・」
多井 億斗(タイ オクト)(戦闘になった方が対象の異能を観察 できるじゃあないか・・・)
多井 億斗(タイ オクト)「うーん 名目は制御が拙い異能者の保護だけどさ」
多井 億斗(タイ オクト)「実態的には対異能者の研究材料だ・・・ 大人なら本音と建前はちゃんとするべきだよ」
多井 億斗(タイ オクト)「それにさぁ 異能者が脅威で無くなったら・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「君達って仕事無くなるよね?」
「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「さぁ行こうか」
ASH隊員「ど、どうしちまったんだ?」
ASH隊員「わからん・・・」

〇研究施設のオフィス
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「ヒノカグツチの再建はまだなのか?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「ちょっとヤル気無くなってさぁ お気に入りのオモチャが同時に壊れたし」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「各国を騙すのにも限界がある 早急に事を運んでくれ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「はいはい」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)(そもそもエネルギー事業に興味ないからなぁ まぁ政府を利用するには必要かぁ)
研究員「来客ですよ烏丸博士」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「ん? 誰?」
研究員「億斗さんの友人とのことですが」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「へぇ・・・ 通して良いよ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「こんちわ! 億斗いてますか?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「億斗君は出向になっていてね そう簡単には会えないんだ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「えぇ〜 僕それなりの仲なんですけど」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「名前は?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「天馬いいます」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「私は烏丸 億斗君には伝えておこう」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)(こいつが烏丸か・・・)
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「僕もここで働けます?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「いやぁ 君はちょっとアレそうだなぁ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)(なんやこのクソボケ シバキ回したろか)
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「異能者の研究してはるんでしょ? 僕も異能者なんで協力するけど?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「へぇ それなら血液検査から協力願えるかな?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「いいスよ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)(多少身売りしてでも懐に入らんとな・・・)

〇近未来の手術室
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「・・・」
須藤 武(スドウ タケシ)「失礼します」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「来てもらって悪いね」
須藤 武(スドウ タケシ)「とんでもございません 例の謝礼金の件は間違いないんですよね?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「うん 協力してくれれば」
須藤 武(スドウ タケシ)「さて、私は何をすればいいん──」
須藤 武(スドウ タケシ)「へぇげ・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「億斗君の異能である”擬態” 擬態するには対象の観察が必要」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:〈終〉HEAT

コメント

  • てんま君、親友が擬態、偽物だったと考えると可哀想でした
    一瞬悪い人なのかなと思ってしまいドキドキしました

    ゴールまであと一話
    ゆっくりじっくり読もうと思います

  • 億斗くんキャラ全然違うよ?あれれ?と思ったら、そういうことでしたか!
    天馬くん😭わかってたんですね😭
    次回フィナーレですか……梓真にちょっとでも救いがあればいいな……

  • 今回の最初と前回の最後の部分で時間が飛んでちょっと見直していました。あと、変装しているときに台詞の名前部分で差別化したりすると(偽)とか。混乱の回避になったりしますがそれはさておき。

    親友が変わったことくらいわかるっていう天馬の怒りは熱かったです。
    さて、借り物の能力はどの程度連発できるのかが勝敗を分けそうですね。けどもういいよね、燃やしちゃっても!やったれ!と思ってます。

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ