Xヒーロー

語り部

第29話 約束された命(脚本)

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〇組織のアジト
  2021年 大阪府 堺市 南区 とある商店 地下
鸞「ひとまずミン達は蟲組の忍者達が保護した。それとフェード、ミンに紙を貰ったが···読んでくれるか?」
フェード「紙···?中国語だな、どれどれ···」
  フェードは紙を読んだ後、とある扉に目を向ける。
  皆もフェードと同じように目を向けると、その扉は『暗証番号』がついていた
  フェードが言うにはこの紙には暗証番号と扉の向こうにある物が記されていたらしく、早速開けてみることに
  そこにあった物は··· ··· ···

〇武器庫
フェード「武器庫か、近代兵器が多いが···あれ見てみろキング」
キング「流星錘、環首刀、三節棍、双鈎···中国武器術に系統する武器が揃ってやがる」
エンチャント魔導法士「ミンのヤツめ、こうなる事『想定』しとったな?抜け目ないヤツめ」
斎王幽羅「ひとまずここで次にどうするか考えよう、フェードは準備しながらでいいよ」
斎王幽羅「まず紅色派の共産派閥をどうするかだけど···フェード、共産派閥はどれくらいいるの?」
フェード「紅色派の全体で10万人、共産派閥は日本にいるので2.5万人、アメリカにいるので3.5万人だ」
斎王幽羅「民主派閥の人が確認できるだけで200人って言ってたから···エンチャントさん、どれくらいいると思う?」
エンチャント魔導法士「その200人は『巡回兼掃討隊』と見ていいだろうが、恐らく相手が『少数』とわかっている」
エンチャント魔導法士「全体で400···それくらいはいるかもしれんな」
斎王幽羅「とすると···2つだね。1つは神奈川に向かう、もう1つは『ロン』と呼ばれる共産派閥の中国人を無力化する事だね」
フェード「ロンは今すぐ細切れにしてやりたいが···鸞、お前の『終わりの試練』に時間制限は無いのか?そっちが心配だ」
斎王幽羅「『72時間以内』だよね?場所は聞いてるの?」
鸞「いや、聞いてない。だが恐らく里のある神奈川だろう」
凪園無頼「つーかその終わりの試練って何すんのー?」
鸞「わからない。だが祖父も父も同じ様に試練を受け、乗り越えた」
斎王幽羅「おじいさんとお父さんはどんな内容だったの?」
鸞「祖父は『両目を自ら取り出す事』で父は『喧嘩王の妹を殺す事』だと聞いている」
  そこにいた皆が息を飲む。一文字族という忍者組織を抜けるという行為に見合わない高すぎる代償、鸞は何を奪われるのかと
  そして終わりの試練の代償についてエンチャントは知っていた。鸞の父は三代目Xヒーローのサブマスター、所謂No.2である
  そして鸞も祖父は二代目Xヒーローの幹部メンバーであり、エンチャントは認知していた。だからこそこの代償の意味を知っていた
  この代償は『一番大事なものとの決別』を意味する。鸞の祖父は修行中の事故で舌を欠損していた為、両目を
  鸞の父は一番の親友であり、心を許すことが出来る喧嘩王の大事な存在『妹』の殺害
  そして今の鸞にとっての一番大事なもの。それは紛れもなく『斎王』であり、代償で斎王を奪われると予見した
  エンチャントはポケットの中にあるロザリオを握り、静かに『祈り』を捧げた
斎王幽羅「終わりの試練がそんな内容だ思わなかった··· ··· ···なんで出会った頃それを話してくれなかったの?」
鸞「こういうどうしようもない状況で出せる切り札だ、お前は優しいからきっと『他の手段を探そうとする』だろうからな」
鸞「『俺はお前の力になりたかったんだよ斎王。』まぁ、出会ったばかりで信用出来ないってのもあったがな」
斎王幽羅「もう··· ··· ···ひとまず、神奈川に戻るけど···皆いい?」
  皆が首を縦に降り、フェードも丁度準備が終わった様子であった。
エンチャント魔導法士「さて紅色派の共産派閥と警視庁に包囲されてるこの状況、どう『抜け出す』?」
鸞「俺は地上にいる事は出来る、終わりの試練の対象者は試練が終了するまで『不死状態』になるからな」
斎王幽羅「えぇぇぇぇ!?それも初めて聞いたんだけど!!?」
エンチャント魔導法士「鳳凰忍術『輪廻』だったか?どのような形で死んでも肉体を再形成して蘇生可能だが···心身の負担がでかいと聞いてるぞ?」
鸞「鳳凰様は『2回以上の蘇生で心を壊す』と仰っていた。だが逆に言えば『2回だけ無茶ができる』という事でもある」
斎王幽羅「ダメだ!鸞に負担を背負わせるなんて出来ない、何か他の手段を···」
  すると外から虫の羽音のようなものが小さく聞こえ、まもなく『爆撃』が始まった。
エンチャント魔導法士「ロンとかいう奴の異能武器か、おいキング!なんか弱点とかないのか!?」
キング「ねぇよ!異能の発生条件は『水』だ、それさえどうにかできれば虚空の星は機能しねえ!」
キング「ここら一帯あんたの魔術で蒸発させてもらえりゃいいんだけどな!」
  それを聞いたエンチャントは鸞を見つめ『にやっ』と笑う。鸞は同じように笑い、凪園とエンチャント、鸞は外に出ようとする
斎王幽羅「ま、待って!今行ったらまた見えない爆撃でやられるんじゃ···」
エンチャント魔導法士「大丈夫だ、ワシが『守る』。それに鸞と凪園なら水辺を吹き飛ばすどころか」
エンチャント魔導法士「『道すら作る』。さて···凪園、アストライア・ゼピュロスを最大の力で放て。鸞、閻魔裁きの術も最大の力で大丈夫だ」
凪園無頼「ちょーさいこー!見えるものぶっ壊せるとかやばくねー!?」
鸞「おいおい···パワーは凪園が上だ、俺の術がかき消されないか···?」
エンチャント魔導法士「『かき消されない』。絶対だ、ワシを信じろ。よし···行くぞ!」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第30話 閻魔の天秤

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