第6話『てえてえ手』(脚本)
〇貴族の部屋
伊藤「今日も朝がやってきたな」
伊藤「そろそろ私も仕事見つけないと」
伊藤「でも、人と接するのまだ苦手だからなぁ」
伊藤「お姉様かシャルさんに相談してみようかな」
〇おしゃれな食堂
ユーリ「お前ら、ちゃんとマンガ描いてるんだろうな」
岩本「当たり前じゃないですか! 三日三晩寝ずに描いてますよ」
石井「昨日から徹夜で、やっとご飯ですよ」
ユーリ「そうか、それならいい」
〇おしゃれな食堂
伊藤「さすが、お姉さま、みんなから人気だ」
伊藤「推してる身として誇り高いです」
伊藤「はっ、いけない 変な想像してた」
シャルティア「おはよう!イトーちゃん」
伊藤「おはようございます!」
シャルティア「ご機嫌良さそうだけど、どうかした?」
伊藤「いえ、ちょっと」
シャルティア「ユーリは朝から忙しそうだね」
伊藤「はい」
伊藤「そういえば、シャルさんとお姉様は どんな関係なんですか?」
シャルティア「フィアンセだよ」
シャルティア「イトーちゃん、鼻血!」
伊藤「まさか、そう来ましたか」
伊藤「尊すぎる」
シャルティア「おーい、イトーちゃん?」
伊藤「す、すみません」
伊藤「ど、どっちから プロポーズされたんですか?」
シャルティア「ユーリだよ」
伊藤「さ、さすがお姉様」
〇海辺
シャルティア「夕陽が綺麗だね」
※伊藤の妄想の影響により
一部映像に加工が施されています
ユーリ「しゃ、しゃる!」
シャルティア「何かな?」
ユーリ「え、えっと、これ」
シャルティア「こ、これって!?」
ユーリ「お、俺と結婚してくれ!」
シャルティア「えっ!?」
シャルティア「嬉しい」
ユーリ「答えは?」
シャルティア「もちろん、喜んでお受けします」
シャルティア「永遠に一緒だよ」
〇おしゃれな食堂
伊藤「くはっ!てえてえ!」
シャルティア「い、いとーちゃん!」
伊藤「す、すみません」
シャルティア「体調悪いんなら、休んで」
伊藤「体調は全然悪くありませんし むしろ絶好調です」
伊藤「あ、あの!」
シャルティア「ん?なにかな?」
伊藤「お二人の出会いとか お話聞かせていただけませんか」
シャルティア「いいよ!」
〇山中の川
シャル「道に迷っちゃった」
シャル「お城に帰れないよぉ」
ユーリ「君、もしかしてシャルティア姫?」
※伊藤の妄想の影響により
一部映像に加工が施されています
シャル「あなたは?」
ユーリ「俺はユーリと申します 大司祭ガルードの息子です」
ユーリ「あなたを探しに来ました」
シャル「本当?」
ユーリ「はい」
ユーリ「帰りましょう」
シャル「う、うん」
ユーリ「はぐれないように手を握ろう」
シャル「うん」
シャル「ねえ」
ユーリ「なに?」
シャル「私と友達になって」
ユーリ「もちろん」
シャル「嬉しい!これからずっと一緒だよ」
〇おしゃれな食堂
伊藤「だ、誰か輸血してえ このままだと体中の水分持ってかれる」
シャルティア「今度は吐血!?」
シャルティア「もしかして、病気?」
伊藤「生まれてから風邪ぐらいしか 引いたことありません」
シャルティア「それなら、いいんだけど」
伊藤「そ、その続きをお願いします!」
シャルティア「う、うん」
シャルティア「じゃあ、私とユーリが付き合う時の話かな」
〇ファンタジーの学園
シャルティア「凄いなぁ、ユーリは騎士になるって 夢がしっかりしててさ」
ユーリ「そうか?」
※伊藤の妄想の影響により
一部映像に加工が施されています
ユーリ「俺は騎士になって この国を守りたいんだ」
シャルティア「私は将来のことなんて何も決めてないよ」
シャルティア「このまま学校を卒業したら 皇女として公務をする毎日になるんだよね」
ユーリ「そんなの誰が決めたんだ?」
シャルティア「えっ?」
ユーリ「確かに、そのまま何もしなければ 王室の決めた道を歩くだけだ」
ユーリ「だけど、誰かが決めるのではなく 自分が自分で道を切り開くんだろ」
シャルティア「そうだよね」
シャルティア「ユーリも魔法を使えなかったのに 頑張って魔法を使えるようになって 自分で騎士への道を切り開いたんだよね」
ユーリ「ああ」
シャルティア「決めた!」
シャルティア「私も騎士を目指す!」
シャルティア「騎士になって王国の人たちを守りたい」
ユーリ「言えたじゃねえか」
ユーリ「一緒に国王陛下のところについてくよ」
シャルティア「えっ?」
ユーリ「1人じゃ言いづらいんだろ?」
シャルティア「ばれてたか」
ユーリ「当たり前だろ! 何年の付き合いだと思ってるんだ?」
シャルティア(あれ?今の感じ何?)
ユーリ「シャル、どうかしたか?」
シャルティア「な、なんでもない」
〇城の廊下
ユーリ「国王陛下驚いてたけど 無事に承諾してもらえて良かったな」
シャルティア「う、うん」
シャルティア「全部ユーリのおかげだよ」
ユーリ「シャルがしっかりと自分の意見を 言えたからだぞ」
シャルティア「う、うん」
ユーリ「どうした?顔赤いぞ 熱でもあるのか?」
シャルティア「な、なんでもない!」
ユーリ「シャル、どうしたんだ?」
ユーリ「風邪でも引いたのかな」
〇貴族の応接間
シャルティア「はあはあ」
シャルティア「ユーリと目を合わせるとドキドキする」
シャルティア「なんで?」
シャルティア「これって、、、もしかして」
〇海辺
ユーリ「こんなところに呼び出してどうしたんだ?」
シャルティア「あ、あのね」
シャルティア「真面目な話だから聞いてね」
シャルティア「ユーリと出逢って もう8年ぐらい経つよね」
ユーリ「そうだな」
シャルティア「え、えっとね」
ユーリ「どうしたんだ?」
シャルティア(がんばれ、わたし)
ユーリ「シャル?」
シャルティア「あ、あのね」
ユーリ「お、おう」
シャルティア「す、すき」
ユーリ「えっ?」
シャルティア「ゆ、ユーリのことが」
シャルティア「すきなの」
シャルティア「ユーリのことが好きだって気付いたの」
シャルティア「あなたがいると 胸が高鳴って、ドキドキして」
シャルティア「他の女の子と話してると 嫌な気持ちになるの」
シャルティア「あなたは私にとって大切な人なの」
ユーリ「・・・・・・」
シャルティア(黙っちゃった)
シャルティア(この関係終わっちゃうのかな)
ユーリ「俺もだ」
シャルティア「えっ?」
ユーリ「俺もシャルのことが好きだ」
ユーリ「いつもニコニコ笑顔で優しくて 近くにいてくれるから俺は強くなれたんだ」
ユーリ「シャルティア好きだ」
シャルティア「嬉しい」
シャルティア「私と付き合ってください!」
ユーリ「喜んで!」
シャルティア「良かった!」
シャルティア「嬉しい!」
ユーリ「俺も」
シャルティア「ずっと一緒だよ!」
〇おしゃれな食堂
伊藤「・・・・・・」
シャルティア「イトーちゃん?」
「ちょっと失礼」
シャルティア「ん?」
〇市場
〇華やかな広場
〇草原の道
〇原っぱ
モンスター「♫」
モンスター「!?」
モンスター「ぎゃ──」
〇原っぱ
伊藤「てえてえ!」
伊藤「てえてえ!」
伊藤「てえてえ!」
〇おしゃれな食堂
シャルティア「イトーちゃん大丈夫かな」
シャルティア「下手したら死ぬ量の血吐いてたけど」
伊藤「戻りました」
シャルティア「おかえり」
シャルティア「大丈夫?」
伊藤「すっきりしました」
シャルティア(トイレでも行ってきたのかな)
伊藤「今日はとてもいい話を聞かせてもらいました」
シャルティア「それなら、良かったよ」
シャルティア「じゃあ、私、仕事があるから失礼するね」
シャルティア(イトーちゃんって面白いな)
伊藤「血だ!血が足りねえ!」
伊藤「とりあえずご飯食べて、血を作らないと」
〇華やかな広場
伊藤「はあー」
伊藤「尊過ぎる」
伊藤「世界遺産にするべき」
〇大樹の下
シャルティア「天気がいいからお散歩気持ちいいね」
ユーリ「ああ」
〇華やかな広場
伊藤「あの2人絵になるな」
伊藤「もうそういう関係なのかな」
伊藤「やっぱ、シャルさんが積極的そう」
〇貴族の部屋
シャルティア「やっと2人きりになれたね」
ユーリ「ま、まだ心の準備が」
シャルティア「大丈夫!私も初めてだから!」
ユーリ「ま、まって!」
シャルティア「いただきまーす」
〇華やかな広場
伊藤「さすがに、ダメだよ!」
伊藤「恩人2人のそんなことを妄想するなんて」
伊藤「だけど、妄想の暴走が止まらない!」
伊藤「えっ?え、えっと」
伊藤「こ、これは」
伊藤「読めってことですか?」
「・・・・・・」
伊藤「わかりました」
伊藤「・・・・・・」
伊藤「こ、これは」
伊藤「お姉様とシャルさんの同人本!」
伊藤「素晴らしい」
伊藤「まさに痛いところに手が届く展開」
伊藤「凄すぎる!」
伊藤「ありがとうございます」
「同志(とも)よ」
伊藤「同志(とも)よ」
「ようこそ、こちら側へ」
〇城の会議室
伊藤「編集長!シャルユリ本のネームできました!」
岩本「ああ!」
伊藤「筆が止まりません!」
山田「頼もしい仲間ができた」
〇城の会議室
シャルティア「よく分からないけど 打ち解けたようで良かった」
ユーリ「なんか、凄い不純な動機みたいだけどな」
シャルティア「いいじゃん!」
ユーリ「あ、ああ」
伊藤ちゃん……ただのコミュ障女子かと思っていたら、尋常でないレベルでみだりにみだらな妄想を🤣🤣 笑いすぎて苦しい…😂
そして、あっという間に仲間が…✨ 同好の士って、やっぱりイイものですね~(ナニを共に好んでいるかはさておき😇)
妄想力が半端ないー!出血多量で危ないってほど吐血する度に笑っちゃいました🤣🤣🤣いつの間にか同志となった伊藤ちゃん。仲間っていつの間にかできるもんですね☺️