第6話 処刑前夜(脚本)
〇洞窟の入口(看板無し)
パンナコッタ姫「城のことは わらわに責任がある」
パンナコッタ姫「卵も大事だが 彼の兄を見つけたい!!」
〇らせん階段
〇牢屋の扉(鍵無し)
パンナコッタ姫「覗くなと言われた謎の部屋じゃな」
パンナコッタ姫「今日は鍵が掛かってない!」
パンナコッタ姫「もしや ここにチュロス殿の兄上が・・・」
〇拷問部屋
パンナコッタ姫「なんじゃ この部屋は!! 薄気味悪い」
パンナコッタ姫「何やら恐ろしそうな道具 一体何に使うのじゃ?」
パンナコッタ姫「血がついておる・・・ ゾッとするぞ」
パンナコッタ姫「はて? 何故お尻の所に 穴が開いておる!?」
パンナコッタ姫「下から お尻にいたずらでもするのかな?」
パンナコッタ姫「これは!!」
パンナコッタ姫「黒い! しかも ガードに五本の棘」
パンナコッタ姫「チュロス殿の作った剣に相違ない」
〇地下室
パンナコッタ姫「こっちに行くと罠があるな どうしよう・・・」
パンナコッタ姫(イカン 人が来る!)
〇地下室への扉
慌てて 逃げ込んだ部屋は
この男の待機部屋だった
〇城の客室
家来「怪しい女を捕まえました」
大臣「怪しい女?」
家来「パンナコッタ姫と名乗っております」
大臣「姫を騙る下女か」
大臣「首をはねろ」
家来「大臣を呼べと申してます」
大臣「面倒だな・・・」
あくびをする大臣
〇要塞の回廊
パンナコッタ姫「おお大臣!! 待っとったぞ わらわじゃ パンナコッタじゃ」
大臣「パンナコッタとは 何のこった?」
パンナコッタ姫「相変わらずつまらん 今日は特につまらんぞ」
パンナコッタ姫「この者たちは 誤解しておる 盗賊だと思っておじゃる」
大臣「どれどれ 顔をよく見せろ」
姫に顔を近づける大臣
パンナコッタ姫「パンナコッタじゃ 忘れたとは言わさんぞ」
大臣「確かに姫だ!」
兵「姫様でしたか 失礼いたしました!!」
大臣「いや 牢に入れろ!」
パンナコッタ姫「大臣!?」
大臣「確かに姫そっくりだ 姫そのものと言ってよい」
兵「だったら姫様では?」
大臣「だからこそ 却って怪しいのだ」
パンナコッタ姫「何を言ってる!? 本人だから 本人そっくりに決まっておる」
大臣「それが問題なのだ」
大臣「これほど似ているのは 魔女の術に違いない!」
兵「なるほど! 本人より似てる それは魔術だからだ!!」
大臣「似すぎているのは 魔女の証拠だ」
パンナコッタ姫「哲学的過ぎて 意味がわからんぞ!!」
兵「来い魔女め!!」
連行される姫
大臣「ワハハハハ」
大臣「世人が人を騙せば ペテンだが 大臣が人を欺けば 政治なのだ」
〇西洋の街並み
姫を探して町まで出ていた
チュロス「城の兵だ」
兵は貼り物をして引き上げた
チュロス「この似顔絵は」
チュロス「明日 広場で魔女を 魔女を・・・」
チュロス「・・・・・・ううう」
村人A「オイ 明日処刑だって ヤッホー!!」
村人B「仕事を早く切り上げて 見物 見物! 楽しみだな!!」
娯楽のない時代
公開処刑は エンタメだった
村人A「見ろコレ いい女だぜ」
村人B「魔女だろ? 本当はババァじゃねえか?」
村人A「化けてんのかな?」
村人B「絶対 ババァだよ」
命は娯楽にすぎなかった
チュロス「なんて奴らだ」
チュロス「こんな時に腹の調子が・・・ 姫の料理のせいだ」
チュロス「イテテテ」
不味い料理と姫の笑顔が 心に浮かぶ
その時 声をかける者が
チュロス「き 君は?」
〇牢獄
見回りする牢番
鉄格子越しに 声をかける
牢番1「姫 姫 大丈夫か!? 俺だチュロスだ」
薄暗い中 現れた姫の姿
パンナコッタ姫「嘘つき! 牢番ではないか!!」
牢番1「見つからねーように 牢番に化けてんだよ バカヤロウ」
パンナコッタ姫「その口調は確かに・・・」
牢番1「それより その髪は!?」
パンナコッタ姫「あっ これ・・・恥ずかしい💦」
パンナコッタ姫「ひどいじゃろ 明日がどうのとか言って 無理矢理・・・」
牢番1「明日・・・」
牢番1(明日の処刑に備えて 髪を切ったのか)
牢番1(首をはねるのに 邪魔だから)
パンナコッタ姫「大臣の奴! 絶対許してやらんぞ ここから出たら 仕返してやる!!」
パンナコッタ姫「どうしてやろうか 何だか楽しみじゃのう」
牢番1(出られると思ってるのか? 何も分かってないな・・・)
パンナコッタ姫「少年みたいじゃろ? みっともない チュロス殿には 見られたくなかった」
牢番1「イヤ 似合ってる 可愛い・・・」
パンナコッタ姫「本当!?」
牢番1「とても可愛いよ」
パンナコッタ姫「嬉しい!! でも その姿で言われてもな ウフフフ」
はにかんで 髪の毛をいじる姫
牢番1「・・・・・・」
何も知らず 微笑む姫に
胸が苦しくなるチュロス
パンナコッタ姫「そうじゃ 黒い剣を見つけたぞ」
牢番1「本当か!? だったらやっぱりこの城に」
パンナコッタ姫「兄上殿は きっと居る!!」
パンナコッタ姫「チュロス殿は 家族想いじゃな」
牢番1「姫だって 父上のために」
パンナコッタ姫「違うのじゃ わらわは・・・王位が嫌いじゃ」
パンナコッタ姫「父上が愛したのは亡くなった兄君 わらわのことは 目に入らぬ」
パンナコッタ姫「どんなイタズラをしても どんなワガママを言っても」
パンナコッタ姫「誰もわらわを 見てくれない シスターだけが 解ってくれた」
パンナコッタ姫「あの人だけが支えじゃった シスターに会いたい シスターなら助けてくれる!!」
牢番1「分かった シスターを探そう!」
立ち去ろうとするチュロスを
引き留める姫
牢番1「どうした?」
パンナコッタ姫「顔見せてよ 少しだけでも」
牢番1「今はダメだ!! 夜迎えに来る 絶対助けだす」
牢番1「もう行かないと・・・」
パンナコッタ姫「まって」
彼が行こうとすると
つい呼び止めてしまう
牢番1「なんだい?」
パンナコッタ姫「なんでもない・・・けど」
牢番1「なんでもないのに 呼び止めるなよ」
パンナコッタ姫「だって・・・ どうしよう え~と・・・ あっ そうだ! 髪本当に似合ってる?」
牢番1「似合ってるよ」
パンナコッタ姫「それなら 男の子みたいに冒険できるな」
パンナコッタ姫「城を出て 盗賊の弟子になり 世界中を冒険するのが夢じゃった」
パンナコッタ姫「お主と卵を探す旅に出て・・・楽しかった」
牢番1「また行けるよ ドラゴンの卵を 必ず見つけよう!!」
パンナコッタ姫「冒険をして そして そして」
パンナコッタ姫「・・・・・・」
牢番1「何を想像して 笑ってるんだい?」
パンナコッタ姫「何も想像しとらんぞ イヤな チュロス殿!!」
牢番1「マズい 本物の見張りが来る」
牢番1「じゃあ夜に 必ず」
パンナコッタ姫「待ってる 絶対待ってる!!」
〇要塞の回廊
牢番2「交代だ」
牢番1「了解」
牢番1「ひどい衣装だぜ 憎まれ仕事だから 顔を隠すのは 分かるけど・・・」
牢番1「この仮面 悪趣味だよな!?」
そう言って 仮面を外す
その顔はチュロスではなかった
牢番2「魔女は泣き止んだか? 一晩中泣かれたら 面倒だぞ」
牢番1「ん・・・よく憶えてない」
牢番1「いやぁ・・・ 丸で誰かに体を 乗っ取られたみたいな・・・妙な気分で」
牢番2「なに言ってんだ?」
〇暖炉のある小屋
チュロス「・・・・・・」
???「どうしたの?」
チュロス「疲れた・・・」
???「疲れたのはこっちよ」
???「あなたの魂を 牢番に移すのに どれだけの魔力がいると思うの」
チュロス「町で声をかけられた時 驚いたよ」
チュロス「本当に君なのか?」
???「そうよ私よ」
エクレア「エクレアよ」
チュロス「まるで別人だ!!」
チュロス「話せるようになったのか?」
エクレア「生まれ変わったの」
エクレア「あなたのために」
チュロス「もう夜だ すぐに姫を助けに行こう!!」
エクレア「何か食べていけば?」
チュロス「そんな暇ない」
エクレア「だったら これだけ飲んで 力がつくわ」
チュロス「・・・・・・」
エクレア「今度は 私の願いを聞く番よ」
チュロス「分かった」
エクレア「アハハハハ」
〇牢獄
夜中
ドキドキしながら姫は待っていた
髪をいじりながら
パンナコッタ姫(似合うだって フフフフ 可愛いだって ムフフフフ)
牢番1「早く出ろ!」
パンナコッタ姫「チュロス殿! 来てくれたのね!!」
牢番1「明日の処刑は 今晩に早まった」
パンナコッタ姫「チュロス殿 何を言っておるのじゃ? 処刑? 誰が??」
牢番1「チュロスって誰だい?」
パンナコッタ姫「!!」
〇城壁
公開処刑は取り止め
人知れず 城中で処刑されることに
大臣「政治だよ政治 ワハハハハ」
〇田舎の教会
その頃 チュロスとエクレアは
チュロス「・・・・・・」
薬で意識が酩酊しているチュロス
姫の処刑と同時刻に
結婚式を目論むエクレア
チュロスは姫を助けられるのか!?
波乱の次回!!
急転回に次ぐ急展開、もう目が離せません✨
拷問部屋と拷問器具の詳細な描写で、ストーリーの生々しさがアップですね😱
そして、エクレアも前話、前々話で深掘りされたキャラらしく、この山場でのキーパーソン(キードラゴン?)に😊 この危機を乗り切れるのか、次回のお楽しみですね👍
今回もめちゃくちゃ面白かったです!!!
髪型が変わる展開、いいですね!私も髪型を変えるシーンを入れようかと思った時もあるのですが、中々大変ですよね……短髪の方も可愛いです!
パンナコッタ姫がピンチに……どうにか処刑を避けないといけませんが、絶体絶命ですね……。
そして、世界観やパンナコッタ姫の過去が重いですね……彼女達がハッピーエンドを迎えられるように願っています。
うわ〜!絶対絶命回ですね。
コレは…一体どうやって乗り切るんだ…!?
パンナコッタ姫とチュロスのラブラブ度が増しているのが、余計に運命の輪に拍車をかけますね。
だ、誰か助けてくれる人居たかな…?
シスターも怪しいし…うわ〜ん!