ラウンジの幕開け前の

ましまる

②.カメとエヘンとハンマーと(脚本)

ラウンジの幕開け前の

ましまる

今すぐ読む

ラウンジの幕開け前の
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ジャズバー
店長さん「はい、いらっしゃーい」
店長さん「まだ開店前ですよー」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「ええと、失礼します・・・」
店長さん「あー、アナタでしたか」
店長さん「どうですか、選曲のほうは?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「はい、しっかり練りに練ってきました」
店長さん「ほう、それはよかった」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「前回、店長さんに言われたことを ちゃんと意識しましたから」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「それと・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「ちゃんと自宅の中で選曲しましたから」
店長さん「ええ、そのほうが良いと思いましてね」
店長さん「どうやらアナタは、外部の音に 強く影響を受けてしまうようですから」
店長さん(・・・コンビニの入店音とか)
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「はいっ、しっかり「ステイホーム」して 音楽に向き合いましたから」
店長さん「その言葉、最近めっきり聞かなく・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「そうそう、店長さん、聞いてください」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「私、ここ数日はアニメを見て 「おうち時間」を過ごしていたのですが、」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「とっても素敵なアニメを見つけたので、 店長さんにもお伝えしたいと・・・」
店長さん「ほう、どんなアニメですか?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「亀さんが活躍するアニメなんですよ」
店長さん「亀さん・・・日本の昔話でしょうか?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「ええと・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「亀さんのお弟子さんと、 鶴さんのお弟子さんが、 天下一を賭けてバトルする作品です!」
店長さん(それ、誰もが知っているアニメ作品・・・)
店長さん(しかも、亀さんと鶴さんを フォーカスして見る人って・・・)
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「・・・ええと、どうされましたか」
店長さん「・・・いや、何でもないですよ」
店長さん「まあ、アニメの話も結構ですが、」
店長さん「まずはアナタの選んだピアノ曲を 聴かせていただこうかと」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「わかりました」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「では・・・」

〇ジャズバー
  (結女さん演奏中)
店長さん「はい、ストップ!」

〇ジャズバー
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「・・・えっ、どうしましたか?」
店長さん「この曲はやめておきましょうか」
店長さん「ウチのお客さん方の年齢層では、 この冒頭を聴くと・・・」
店長さん「「バーカ、バーカ」と 言ってしまいそうになりますから・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「えっ、「バーカバーカ」って・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「私、そんなつもりじゃ・・・」
店長さん「いえ、アナタに問題がある訳ではなく、」
店長さん「昔、曲にそんな歌詞を当てたCMが 放送されていたんですよ」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「・・・えっ、CMですか?」
店長さん「だいぶ昔のCMですので、 お若いアナタはご存知ないでしょうが」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「そうだったのですね・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「知りませんでした・・・」
店長さん「アナタに悪意がないことは 重々承知していますから」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「よかったです」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「つい、店長さんのこと、 エヘン虫くらい嫌いになるところでしたよ」
店長さん(絶対にそのCMのこと知ってるだろ・・・)
店長さん「まあ、今の曲はボツにするとして・・・」
店長さん「他にも用意した曲がありますよね?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「はい!」
店長さん「ちなみに、それもクラシック曲ですか?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「「さくらさくら」の変奏曲です」
店長さん「それは面白いかもしれませんね」
店長さん「著作権も問題なさそうですし」
店長さん「ただ、既存のアレンジ曲を用いると、 権利問題が生じるかもしれませんが・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「でしたら、問題はありません」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「私自身がアレンジした曲ですから」
店長さん「ほう、アナタが!?」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「はい、完全オリジナルです!」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「お聞きいただけますか?」
店長さん「では、お願いしますね」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「はいっ!」

〇ジャズバー
  (結女さん演奏中)
店長さん「ちょっと止めてください!」

〇ジャズバー
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「えっ、何か問題でも・・・」
店長さん「これ、旋律は確かに「さくら」ですが、」
店長さん「低音部が全く別の曲ですよね・・・」
店長さん「何だか、リズムも不思議な・・・」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「いえ、オリジナリティを出した結果 こんな曲調になりましたが、」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「「さくらさくら」からは 逸脱していないと思います」
胡蝶 結女(こちょう ゆめ)「リズムも、シンコペイションを入れて 躍動感を出そうとしたものですし」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

コメント

  • こんにちは〜
    10人目でした☺️やった〜!

    世代の笑い満載でしたが亀と鶴が一瞬わかりませんでした😂あとから納得しました👍

    2話がずっと読めていなかったので読めて良かったです!

  • 話から何のアニメかはわかりましたが、曲との関連はわかりませんでした。音楽センスゼロですみません… でも、自分で曲創ってストーリーに入れるって、よく考えるとすごいことですよね。

  • わ〜!世代によってわからないネタなんですね😂💦
    わからなかったです〜🥹✨
    ……嘘です。
    結女さんは何か傷ついた愛を取り戻す過去でもあるのか…!?
    品があって素敵な話でニマニマします🥰

コメントをもっと見る(6件)

ページTOPへ