第六話 そして…(脚本)
〇豪華な部屋
その晩僕らは
応接室に身を寄せ
肩を震わせながら
重く哀しい夜が
過ぎるのを待った
雨音と やまない嗚咽を
子守唄に──
〇広い玄関
翌朝
静永 春花「本当にいくの? 雨降ってるよ?」
樋上 雄司「小雨だ 大したことはない」
ネイキッド・N・ヌーディック「心配ないですよ。 二人一組で動きますし、」
ネイキッド・N・ヌーディック「浜辺を軽く見て回るだけです」
穂積 真緒「森側は調べないの?」
ネイキッド・N・ヌーディック「事前にイノ君の携帯で 島の航空写真を見たのですが、」
ネイキッド・N・ヌーディック「島の北側は崖になっていて 上陸は難しそうでした」
穂積 真緒「なるほど 犯人がまだ島にいるなら、」
穂積 真緒「浜辺付近に船があるかもしれないね」
樋上 雄司「すぐ戻るから4人でいるんだぞ」
樋上 雄司「何かあったらすぐ駆けつけるからな!」
「いってきます」
大原 満枝「さ、朝ご飯の片付けをしようかね」
穂積 真緒 「終わったら風呂掃除もしておこう」
服部 せつな「どしたん、春ちー?」
静永 春花「⋯あ、あのさ、これ──」
静永 春花「電話線がなかったのって⋯ オーナーがつけ忘れただけだよね?」
静永 春花「は、犯人の仕業じゃないよね?」
穂積 真緒「絶対違うとは言い切れないかも⋯」
穂積 真緒「屋敷の鍵は屋外にあって 合鍵を作れる状況だったし、」
穂積 真緒「犯人の狙いが我々なら、 外との連絡手段は断ちたかったはずで⋯」
大原 満枝「やっぱり島に潜んでいるんだね!? 殺人鬼が⋯」
静永 春花「そ⋯そんな⋯ 逃げ場もないのに⋯」
穂積 真緒「いや、あくまで仮説で まだそうと決まったわけじゃ──」
服部 せつな「武器だッ!! 武器的な何か探してくる!!!」
穂積 真緒 「あ、コラッ! 勝手に突っ走らないで!」
〇広い厨房
穂積 真緒 「包丁が1丁に、 ケーキナイフが1本か」
静永 春花「まさか、これで一輝さんを⋯!?」
穂積 真緒 「違うと思う」
穂積 真緒 「胸の傷は背中まで貫通していた」
穂積 真緒 「凶器は刃渡30cm以上はあったはずだ」
この包丁じゃ短すぎるし、
ケーキナイフではペラすぎる
穂積 真緒 「危ないからしまっておこうね?」
大原 満枝「侵入経路にバリケードでも 作っておこうかね?」
静永 春花「で、でも犯人が中にいたら? 逃げられなくなっちゃう⋯」
「うん?」
服部 せつな「どゆ意味? まさか──」
服部 せつな「あーしらン中に犯人がいるっつーの?」
静永 春花「そ、そうじゃなくて⋯」
静永 春花「洋館って隠し部屋とか ありそうだから⋯」
服部 せつな「少なくとも1階にはないよ」
服部 せつな「見た感じ、屋敷の外観と 室内の内寸はフィットしてるからね」
大原 満枝「見ただけで分かるのかい?」
服部 せつな「採寸も服屋の仕事だかんね」
服部 せつな「『目盛り~メモリ~』」
服部 せつな「瞬時にサイズを読み取り記憶する あーしの能力さ」
服部 せつな「給料には反映されないんだけどね🥺」
静永 春花「2階も調べておきませんか?」
穂積 真緒「風呂掃除は後に回すか」
大原 満枝「あ、待って! 上に行くなら追加の氷を⋯」
〇可愛らしいホテルの一室
「・・・」
大原 満枝「さ、隣の部屋から見ていきま⋯」
大原 満枝「ヒョェ────!!」
穂積 真緒「どうしたの!?」
大原 満枝「い⋯いきなりお腹が⋯」
大原 満枝「お花つんでくるから、 隣部屋から確認してて──!」
ミッチェママ「いっけない! 合鍵持ってきちゃった──!」
ミッチェママ「隣の部屋にさしとくわね!」
ミッチェママ「んぁおおぉぉお──!!!」
静永 春花「一体ママに何が⋯? まさか毒? それとも呪いとか⋯」
服部 せつな「エアコンで冷えたんしょ」
穂積 真緒「とりあえず先に回ろう」
〇暗い廊下
〇可愛らしいホテルの一室
服部 せつな「違和感なし! OK」
服部 せつな「はい、ここもOK」
〇暗い廊下
トイレ前
穂積 真緒「ママ、大丈夫?」
穂積 真緒「あ、開いてる」
〇清潔なトイレ
穂積 真緒 「あれ? いない?」
静永 春花「そういえばさっき階段おりてた? 下のトイレかも」
服部 せつな「サウンド・エチケット的な~?」
穂積 真緒 「じゃ、最後の物置に行こうか」
〇古書店
穂積 真緒「⋯蒸すね」
静永 春花「窓開けますね」
静永 春花「なんで⋯窓が塞がれているの?」
穂積 真緒「蹴れば破れそうなベニヤ板だ。 監禁とかの目的ではなさそうだね」
穂積 真緒「骨董品を日光から 守るためじゃないかな?」
服部 せつな(金目のもの、金目のもの⋯)
穂積 真緒 「随分ゴチャついた部屋だけど、 測れそうかな?」
服部 せつな「え? あぁ、」
服部 せつな「ここもOK 外観とシンデレラフィットだょ」
静永 春花「あと隠れられるのは、屋根裏とか⋯?」
穂積 真緒 「可能性は低いんじゃない? 梯子や階段の類は見当たらないし」
服部 せつな「誰かいたら気付くっしょ! こんな床のうっすいハリボテ屋敷!」
静永 春花「で、でも⋯」
服部 せつな「春ち〜、昨日から心配しすぎ!」
服部 せつな「何をそんなにビビッてんの?」
静永 春花「な、何って⋯」
静永 春花「一輝さんが殺されて 犯人が島にいるかもしれないんだよ!?」
静永 春花「怖がらない方がおかしいよ!」
服部 せつな「おかしぃ? あーしをディスってんの?」
穂積 真緒「とりあえず下に戻ろうか パトロール組も帰る頃だろう」
〇空
〇海辺
ネイキッド・N・ヌーディック(やはり船は見当たりませんね)
ネイキッド・N・ヌーディック(食糧は、三日分程度なら 持ち込めるでしょうが⋯)
ネイキッド・N・ヌーディック(外部犯が佐江川さんだけを狙って この島に来たとは考えにくい)
ネイキッド・N・ヌーディック(島との往復だけでも 足がつきやすいし、)
ネイキッド・N・ヌーディック(関係者以外いない無人島、 目撃された場合のリスクも高い)
ネイキッド・N・ヌーディック(⋯)
ネイキッド・N・ヌーディック(もし犯人がメンバーの誰かに なりすまして、紛れ込んでいたら?)
ネイキッド・N・ヌーディック(そして、もしそれが 13年前と同じ犯人なら⋯)
ネイキッド・N・ヌーディック(年齢的にあり得るのは──)
ネイキッド・N・ヌーディック「ミッチェ先生に双子の姉妹は いましたっけ?」
無名山 ホルヘ「なんですか、藪から棒に」
無名山 ホルヘ「天涯孤独だったからこそ 似た境遇の子らに尽くしている」
無名山 ホルヘ「そういう話だったと思うが?」
ネイキッド・N・ヌーディック「そうでしたか」
ネイキッド・N・ヌーディック(『着膨れた道化師』に 引っ張られすぎましたかね)
ネイキッド・N・ヌーディック「最近施設メンバー内で 仲違いはありましたか?」
無名山 ホルヘ「卒園後は喧嘩をするほど 頻繁には会っていないのでは?」
無名山 ホルヘ「なぜ私に聞くのかな?」
ネイキッド・N・ヌーディック「すみません、立場上 相談に乗ることも多いのかと──」
無名山 ホルヘ「あいにく信者で手一杯でね」
無名山 ホルヘ「それに、仮に相談に乗ったとして それを他人にもらしはしない」
無名山 ホルヘ「セニョールもそうだろう?」
ネイキッド・N・ヌーディック「え?」
無名山 ホルヘ「悩める心を紐解く名探偵なのでは?」
ネイキッド・N・ヌーディック「それは、皆さんが私の様子を 見にきてくれるときの口実ですよ」
無名山 ホルヘ「ほぅ、分かっていたとは」
ネイキッド・N・ヌーディック「誰かに頼られるような 大した人間ではありませんから⋯」
樋上 雄司「おーい、そっち何かあったか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「いえ、何も」
無名山 ホルヘ「復讐を果たした犯人が 長居するはずないのだよ」
角下 イノ「雨が止んだら反対側も 調べましょっか?」
角下 イノ「空から来た可能性もあるッス 気球とか──」
「気、球⋯?」
樋上 雄司「屋敷の方からだ! 春花ッ──!!」
〇山道
〇古い洋館
服部 せつな「早く来て!」
服部 せつな「ママが⋯ミッチェママが⋯!!!」
〇おしゃれな廊下
何かの間違いであってくれ⋯
頼むから⋯
もうこれ以上は──
〇豪華な部屋
ネイキッド・N・ヌーディック「大原先生──!」
「みんな!!」
「そ、そんな⋯」
ママ────────ッ!!!
あんなにコミカルに去ったのに、あれきりだなんて😱ショックですね!
急にお腹が大変なことになったのは、毒か何かのせいだったのでしょうか。
みんなキャラがいいだけに殺された時のショックがデカいですね…! 過去と今のの事件、ネイキッドの謎、並行で紐解いていくのはかなりの高等技術なのでは…🤔? 3つの謎が明かされるかれるのを楽しみにしてます!
あっという間に次の被害者が…… 時間的にアリバイを確認すればわかりそうですが…… トラップ的なもの? 次回も楽しみです(密室の件は失礼しました🙇)