炎を宿りし獄炎の女戦士

ヒムネ

ヴォルム到着(脚本)

炎を宿りし獄炎の女戦士

ヒムネ

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〇立派な洋館
スワン「──間に合ったか」
???「久しぶりだなスワン」
スワン「・・・シルスク殿」
シルスク・ヤン・オードリー「待っていたよ、入りたまえ」

〇洋館の廊下
シルスク・ヤン・オードリー「何年ぶりかな」
スワン「私が覚えている限りでは17年前、君達の娘が産まれそうな頃」
シルスク・ヤン・オードリー「おお、そうか〜、よく覚えているな」
スワン「あの時のあなたの顔は忘れられん」
シルスク・ヤン・オードリー「・・・どんな顔だったか?」
スワン「覚えていないのか?」
シルスク・ヤン・オードリー「私も忙しい身だ、そう何でもかんでも覚えてはいられない」
スワン「それも、そうですな」
シルスク・ヤン・オードリー「まあいい、これで揃った」
スワン「そうですか・・・」

〇漁船の上
  燃料も買い揃え出航していたシルビア達。
  リトナはどこか寂しそうな目で空を見つめていた。
シルビア・ヤン・オードリー「なにジッと空を見上げてんのよ」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、別にそんな」
シルビア・ヤン・オードリー「あの猫のことね」
アイン・イヨ・リトナ「・・・はい」
シルビア・ヤン・オードリー「終わった事はしょうがないでしょ」
シルビア・ヤン・オードリー「それとも愛を受け入れたかったの?」
アイン・イヨ・リトナ「え、愛なんて、そんな、私はまだ・・・」
アイン・イヨ・リトナ「ただ、あの泣き顔を思い出してしまうんです。気持ちに答えられなくても、何か他に方法があったのかも・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「無いわね」
アイン・イヨ・リトナ「え!?」
シルビア・ヤン・オードリー「あのカプリースって猫は、たぶんあんたを自分の思い通りにしたかっただけよ」
アイン・イヨ・リトナ「そ、そんなっ、そんなことはないと思います!」
シルビア・ヤン・オードリー「あんたの言葉も聞く耳を持たないのよ、猫のくせに」
シルビア・ヤン・オードリー「どのみちああなる運命だったってこと」
アイン・イヨ・リトナ「それでも・・・」
アイン・イヨ・リトナ「仲良くなる未来があったかもしれない、とちょっと思っただけです」
シルビア・ヤン・オードリー「そっ、あたしにはそんな考えなんて思いもしなかった」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、酷いです」
シルビア・ヤン・オードリー「終わった事はもいいわよ」
「ウカーッ」
アイン・イヨ・リトナ「わかりました・・・」
アイン・イヨ・リトナ「もう・・・」
  ちょっと憤怒なリトナは、運転するウカの元に。
ウカ・デルマ・ネール「ふ〜っ!」
シルビア・ヤン・オードリー「ウカ」
ウカ・デルマ・ネール「あ、シルビアさん、リトナさん」
シルビア・ヤン・オードリー「運転できるなんてすごいわね」
ウカ・デルマ・ネール「小さい頃から、たまに乗せてくれた父は私に運転させてくれたり、見ていたりしていましたから」
アイン・イヨ・リトナ「それで!」
ウカ・デルマ・ネール「はい、船に乗って父が疲れてる時に私が変わったりもしてましたので運転出来るんです」
シルビア・ヤン・オードリー「そっ、なら安心ね」
アイン・イヨ・リトナ「・・・それとウカさん」
アイン・イヨ・リトナ「いいんですか旅に着いてきて」
ウカ・デルマ・ネール「大丈夫です」
ウカ・デルマ・ネール「手紙を置いてきましたし。父や母はずっと私を待たせてるんです」
ウカ・デルマ・ネール「文句言う資格なんてないですよ」
アイン・イヨ・リトナ「それは、そうですが」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・・・・」
  思うところがあるシルビア。

〇怪しいロッジ
ウカ・デルマ・ネール「──お願いです。私も同行させてくれませんか?」
シルビア・ヤン・オードリー「はあ? ウカ何いってんのよ」
ウカ・デルマ・ネール「水の魔法だって少しは使えますし、戦いだって頑張って覚えて・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(少し?)
アイン・イヨ・リトナ「ウカさん、私と猫のカプリースさんとの戦いを見ていたと思いますが」
ウカ・デルマ・ネール「はい・・・」
アイン・イヨ・リトナ「相手は容赦してきませんし、攻撃をくらえば、血が出ます」
アイン・イヨ・リトナ「それはとても痛い事です。そして下手をすれば命だって落としてしまうんですよ」
ウカ・デルマ・ネール「い、命を奪われるのは、怖いですけど・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「訳ありならちゃんと言って、どうして危険な旅に同行したいのよ」
ウカ・デルマ・ネール「・・・私」
ウカ・デルマ・ネール「意識を失うときがあるんです」
ウカ・デルマ・ネール「僅かな時間だったり、長かったりですけど、そんな自分が怖くて」
シルビア・ヤン・オードリー「だから?」
ウカ・デルマ・ネール「それで、お二人の話でその、『獣を宿すもの』という言葉にハッとして」
アイン・イヨ・リトナ「まさかウカさんも?」
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ〜っ、そういうことね」
ウカ・デルマ・ネール「シルビアさん?」
シルビア・ヤン・オードリー「たしかに、あんたが別人っぽいときがあったわ」
ウカ・デルマ・ネール「やっぱり・・・実は」
シルビア・ヤン・オードリー「他にもあるの?」
ウカ・デルマ・ネール「いえ、お二人に出会った時も・・・」

〇漁船の上
シルビア・ヤン・オードリー「あたしとリトナに会った時も、気がついたときにはそこに自分は立ってた、だったわね」
ウカ・デルマ・ネール「はい」
アイン・イヨ・リトナ「・・・よかった」
「えっ?」
アイン・イヨ・リトナ「私も意識を失うんですよ」
ウカ・デルマ・ネール「リトナさんも、そうだったんですね!」
アイン・イヨ・リトナ「そうなんですよ〜、仲間ですね」
ウカ・デルマ・ネール「はいリトナさん」
アイン・イヨ・リトナ「ハハハッ」
ウカ・デルマ・ネール「エヘヘッ」
シルビア・ヤン・オードリー(なんなのよコイツ等は、意味わかってんの?)
「シルビアさん?」
シルビア・ヤン・オードリー「とにかく、まずはヴォルムに・・・」
ウカ・デルマ・ネール「魔物ですっ、リトナさん、シルビアさんお願いします!」
シルビア・ヤン・オードリー「行くわよリトナ!」
アイン・イヨ・リトナ「はい、シルビアさん!」
  ウカが運転し、シルビアとリトナが魔物から守り続け順調に船は進み続けた・・・。

〇洞窟の入口(看板無し)
  モフ村からシルビア達が向かった洞窟。
スーペル(崩壊している、どうやらデス・キラーは完全に消滅してしまったようだ)
スーペル「父に報告するか」

〇海沿いの街
ウカ・デルマ・ネール「──着きましたよヴォルム・・・」
アイン・イヨ・リトナ「ようやく戻って来たんですね」
シルビア・ヤン・オードリー「はしゃがないの、まずは村に行って」
  ウカは倒れた。
シルビア・ヤン・オードリー「ウカ!」
「つーかーれーまーしーたー」
アイン・イヨ・リトナ「ずっと運転しっぱなしでしたしね」
シルビア・ヤン・オードリー「仕方ない、宿に泊まるわよ」
  ほぼ1日中運転していたため無理もない。
  リトナはウカを持ち上げてシルビアを先頭にヴォルムを見渡し宿をとる。

〇可愛らしいホテルの一室
ウカ・デルマ・ネール「は〜」
ウカ・デルマ・ネール「ベッドは気持ちいいですね〜」
  ベッドにダイブしたウカを見てもうすぐ夜になるしとシルビアも椅子に座り一息つく。
シルビア・ヤン・オードリー「ふ〜・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(ヴォルムに着いたけど、この街を出て少しの距離がイザークの村なはず、早く合流を)
アイン・イヨ・リトナ「あの・・・シルビアさん」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、なによ?」
アイン・イヨ・リトナ「私は外を出てきますね」
シルビア・ヤン・オードリー「え・・・あー、赤い玉の事、そうだったわね」
アイン・イヨ・リトナ「はい、おじいちゃんからは場所も聞いているので」
シルビア・ヤン・オードリー「そっ、よいしょっと」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん? ウカさんと休んでていいですよ」
シルビア・ヤン・オードリー「別にいいでしょ、あたしの勝手、ほら行くわよ」

〇海沿いの街
アイン・イヨ・リトナ「暗くなってきましたね」
シルビア・ヤン・オードリー「着いたときには夕方だったしね」
アイン・イヨ・リトナ「・・・あの」
シルビア・ヤン・オードリー「なに」
アイン・イヨ・リトナ「どうして、着いてきたんですか?」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・別に、あたしの事でヴォルムが遠回りになっちゃったから、だからよ」
アイン・イヨ・リトナ「そんな、あのときは私が連れ去られてしまって」
シルビア・ヤン・オードリー「いーわよそんな過去話、道、大丈夫なの?」
アイン・イヨ・リトナ「はい、もうすぐです」
シルビア・ヤン・オードリー(・・・リトナの事を知れば、獣を宿すものの事も)
  思いをそれぞれに足を進めていくとやがてお店が見えてきてリトナは止まる。

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