愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第49話 アイリスを継ぐもの①(脚本)

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〇大広間
  ~三年前~
  アイリス・ウェディングのホールで新社長の就任パーティが営まれていた。
霧乃明「パパがしゃちょー? しゃちょーって強いの?」
霧乃良雄「ははっ、そうだな。悪者は倒さないけど、ここで働く皆を守る強さは必要かな」
霧乃あやめ「そうよ明。これからパパはじいじの代わりにこの会社を守るの。まるでヒーローみたいだね」
霧乃明「パパかっこいいー。へーんしん!」
霧乃良雄「ははは。変身はしないけどね」
霧乃あやめ「会社まで辞めて・・・ありがとう、あなた」
霧乃良雄「お義父さんみたいに皆から慕われる社長になれるよう頑張りますっ」
霧乃あやめ「私も出来る限り手伝うからね」
霧乃良雄「あやめは無理しないで。 明の子育てにまだ手がかかるんだから」
霧乃良雄「って言ってるそばからっ」
霧乃あやめ「明! まだ写真撮ってない。待って!」

〇大広間
  ──パシャ!

〇校長室
  左手に光る結婚指輪。
  あやめはパーティの記念写真を眺めながらため息をついた。
霧乃あやめ「こんなに笑顔だったのに一年後には・・・どうして・・・」
霧乃明「ママー、早く行こうよ。仕事休みでしょ」
霧乃あやめ「明。ごめん、ごめん」

〇スポーツクラブ
  あやめは明を連れてスイミングスクールにやってきた。

〇スポーツクラブのプール
  インストラクターに従われて、明は子供用の小プールで練習を始める。
  あやめは主婦たちのグループと、プールサイドでストレッチをした。
女性「そういえばあやめさんとこのご主人、まだ帰って来ないの?」
女性「長いわねー海外赴任。 もう3年は経つんじゃない?」
霧乃あやめ「・・・え、ええ。中々難しいみたいで」
霧乃あやめ「・・・失礼、お先に」
  プールの中に飛び込むあやめ。

〇水中
霧乃あやめ(海外赴任だなんて嘘ついて)
  ボストンバックを片手に、家を去った夫の後ろ姿を思い出す。
  三年前、あやめの夫は家族を置いて姿を消したのであった。
霧乃あやめ(どうして・・・どうして出て行ったの?)

〇宇宙要塞

〇謎の施設の中枢
ベーザイ「お前達、いつまであんな小娘どもに手間取っている!」
ビーモン「申し訳ございません」
ジュロー「ベーザイ様! わたくしにお任せ下さい」
ジュロー「このジュローが必ずやベーザイ様のお気に召す結果を出して見せましょう!」
ホーディ「口ばっかりのインテリ野郎が」
ジュロー「ふっ、お前らに出来なかったことを俺が成し遂げる。愛天使の首を持って帰って来てやるさ」
ホーディ「そんなに気負って大丈夫なのか? ちゃんと生きて帰って来いよ」
エビーダ「策に溺れて自爆なんてしないでくれよな。ははっ」
ジュロー「貴様ら・・・笑っていられるのも今のうちだ。俺の雄姿をしっかりと瞼に焼き付けるんだな!」

〇空
  ジュローは使い魔・水魔霊を連れて、結婚式場の上空を探索した。
ジュロー「あいつらめ、絶対見返してやる」
ジュロー「俺は発見したんだ。この辺りで騒ぎを起こせば必ず愛天使がやって来るってな」
水魔霊「わ~たくしの能力『暴露シャワー』で人々に罪を告白させ、混乱に陥れて見せましょう~!」

〇綺麗なキッチン
朝陽林檎「ふんふんふ~ん♪」
  林檎は鼻歌を歌いながら、生地の型抜きをしてクッキーを作っていた。
バビルン「ご機嫌だな」
朝陽林檎「だってこれはねー、優斗さんに・・・」
朝陽林檎「優斗さんからだ!」
  「ごめん。今日の出張、仕事が終わらなくて泊りになった」
朝陽林檎「え~、折角作ってるのに!」
朝陽林檎「明日は早めに戻れるから会おう? きゃー」
バビルン「ったく、忙しい奴だ」
朝陽林檎「もうー、いじけないの。 バビルンも同じ位好きだよ」
バビルン「いじけてないし」
朝陽林檎「照れない照れない」
バビルン(ここは、居心地が良い。 このままここに・・・なんてな)
  バビルンが思案していると、窓の外を人影が通り過ぎた。
バビルン(ん、何だ今の?)

〇空
バビルン「ここで、何やってんだよ」
ジュロー「あ? 何してるんですか、だろ」
バビルン「・・・何、してるんですか?」
ジュロー「ふっ、お前は知らないだろうが、愛天使はこの辺りにいる!」
バビルン「・・・。そっ、そうなんです!?」
バビルン(やばい、バレる。まだ林檎との暮らし、壊されたくないよ・・・)
バビルン「この辺りは調べ尽くしましたが、愛天使は見つかりませんでした。あっちの山の方がー、怪しいでーあります!」
ジュロー「何! 俺様が間違っているとでもいうのか! この下っ端が!」
バビルン「うぎゃーーーっ!」
  ジュローはバビルンを放り投げると、急いで広場の方向へ飛び去った。

〇結婚式場前の広場
  式場内にある噴水前の広場。
  そこに、電柱に隠れてウロウロする人影があった。
???「今日は明の誕生日プレゼントを渡すだけ。まずはあやめに謝って・・・」
???「・・・何から? 何に対して。いやここで悩んでもしょうがない。でも──」
マスター「こらっ、不審者め!」
???「うわっ! マスター⁈」
マスター「って君は・・・良雄君!? 海外に行ってるんじゃ?」
霧乃良雄「僕が、海外・・・?」

〇結婚式場前の広場
マスター「良雄君が、まさかそんな事を・・・」
霧乃良雄「なんて馬鹿な事をしたんだ、俺は。 あやめを裏切ってしまった」

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