愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第50話 アイリスを継ぐもの②(脚本)

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〇黒
  あやめの前に突然現れた夫・良雄。
  あやめは怒りと困惑から、彼の言葉に耳も貸さずに立ち去った。

〇空
  そんな二人の様子を、ジュローとその使い魔・水魔霊が上空から眺めていた。
ジュロー「ふっ。あの男の罪は大きそうだな。 あいつに憑りついてやれ!」
水魔霊「か~しこまりました。 大暴れしてきましょう!」

〇ホテルの駐車場
霧乃良雄「あやめ・・・」
霧乃良雄「全部、俺のせいだ・・・」
水魔霊「ふっふっふ、そ~んな罪の意識は水に流して、私と一緒に暴れましょう」
  声に驚いて良雄が振り向いた瞬間──
  水魔霊は黒いオーラに変化して、良雄の口から体内に入り込んだ。
霧乃良雄「ぐわーーー!」

〇結婚式場前の広場
  噴水広場では、恋人たちが思い思いに過ごしていた。
霧乃良雄「お前たち、罪を暴露するんだ!」
霧乃良雄「憎め、罵れ、いがみ合え! 暴露シャワー!」
  困惑する人々に向かって、汚濁した水の塊を噴射する。
  汚水に飲み込まれた人々は、目の色を変えて喧嘩を始めた。
女性「私本当は29歳じゃなくて36歳なの。 気づかないなんて馬鹿よね」
男性「ふっ、そっちこそ。俺は4股している。 しかも本命はお前じゃない!」
霧乃良雄「そうだ、もっといがみ合え! うわーはっはっは」

〇お花屋さん
  花屋にやってきた蘭は、レジに榊(さかき)の花を差し出した。
苗場桜「毎月2回。ちゃんとしてるんだね。 こういう所は」
武笠蘭「こういう所はって!」
武笠蘭「1日と15日には交換するのが習わしなの。道場の神棚はすっごい大事──」
苗場桜「しー、静かに! 外が騒がしい」

〇シックなバー
  バーの看板の準備していた椿も、広場から聞こえる悲鳴に気付いた。
雪代椿「・・・一体、何の騒ぎかしら?」

〇明るいリビング
  林檎のクッキーを食べて満腹になった明は、いつの間にやら眠ってしまった。
  台所から戻ってきた林檎は、眠っている明を覗き込んで微笑む。
朝陽林檎「寝ちゃった。ふふ」
朝陽林檎「バビルン、クッキー焼けたよー」
朝陽林檎「どこ行ったんだろ」
  周囲を見回していると突然、胸のペンダントが光り始めた。
朝陽林檎「これは・・・!」

〇結婚式場前の広場
アップル「あそこね」
「アップル!」
  他の愛天使たちも、アップルの元へと駆け付けた。
霧乃良雄「はーっはっは。結婚なんてやめろやめろ。苦しみしか待ってないぞ!」
  良雄は噴水の水を吸収すると、周囲に分厚い水の壁を作りあげる。
アップル「愛し合い結婚を控えた者たちを、こんな風に戦わせるなんて許せない」
アップル「このウェディングアップルが──」
???「あなたーーー!」
アップル「えっ!?」
アップル「あやめさん?」
カミーリア「あなた、って事は・・・」
「あやめさんの旦那さん?」
霧乃あやめ「あなたたちは・・・?」
アップル「私たちは・・・魔霊と戦う愛天使です!」
霧乃あやめ「魔霊? 愛天使??」
アップル「あの人も魔霊に憑りつかれているのです」
霧乃あやめ「一体何の話をしているの? あなたも早くそんな所から出て来て!」
霧乃良雄「うるさーい!」
アップル「危ない!」
「きゃー!!」
  咄嗟にあやめを庇ったアップルは、体が水の玉に包まれた。
オーキッド「アップル!!」
アップル「ううっ」
霧乃良雄「お前達、よーく聞け! 俺の罪を告白するぞ!!」
霧乃良雄「俺は──浮気をした!!」
霧乃あやめ「止めて!」
「おーーー!!」
霧乃良雄「そして、幼い子供と妻を見捨て、家を出てやったぞーーー!」
霧乃あやめ「酷い、そんな言い方」
「うおーーーっ!!!」
カミーリア「男と女には色々ありますわ。そのような事を人前で暴露するなんて許せない」
カミーリア「バージンロード!」
  カミーリアの放った炎の絨毯が、良雄をめがけて走る。
  しかし、攻撃は良雄が作り出した水の壁によって防がれた。
カミーリア「わたくしとした事が! 火は水に負けますわよね・・・」
チェリー「フラワーブリザード!」
  チェリーが花吹雪で攻撃するが、やはり水の壁に飲み込まれて沈んでいく。
チェリー「あちゃ。花びらも駄目か」
アップル「うううっ・・・」
オーキッド「アップルを苦しめるなんて!」
霧乃良雄「お前らの攻撃は、その程度か」
霧乃良雄「では、こちらから行くぞ。 うおぉぉぉー!」
  良雄はオーキッドの攻撃をかわして水の塊を放射した。
オーキッド「うわっ」
  愛天使たちは水の玉に飲み込まれて身動きが取れない。
霧乃あやめ「もう止めてー!」
霧乃良雄「全部お前の所為だ。お前が悪いんだ!」
アップル「うう・・・。あやめさん。聞いちゃ駄目」
カミーリア「くっ、旦那様は魔霊に乗っ取られていますの」
オーキッド「そうだ・・・ あんなの嘘だ!」
霧乃あやめ「・・・全部が、嘘じゃない」
霧乃あやめ「浮気も家出も本当なの」
アップル「そんな・・・」
霧乃あやめ「あなたが憎いのは私でしょ。 他の人を巻き込まないで!」
霧乃あやめ「あなたは簡単に人を裏切るような人ではない。理由を話して!」
霧乃良雄「黙れーーー!」
  叫び声をあげて、あやめに襲いかかる。
アップル「思い出して! あやめさんを愛していた日々を」

〇大広間

〇結婚式場前の広場
霧乃良雄「ううっ」
霧乃良雄「脱サラして急に社長なんて、俺には無理だったんだ」
霧乃あやめ「あなたは頑張ってたじゃない」
霧乃良雄「俺だって必死にやったさ」
霧乃良雄「なのに、なのに社員達は、俺は使えない、あやめが社長になれば良かったって・・・」
霧乃あやめ「そんな」
霧乃良雄「一番辛かったのは! 俺自身もそう思っていた事だよ。あやめの方がむいているって」
霧乃あやめ「あなた・・・」
霧乃良雄「毎日毎日プレッシャーで! そんな時に優しくされ、つい・・・魔が差して」
霧乃あやめ「私だって、逃げ出したいほど辛い時もある。でも浮気なんてしないわ!」
霧乃良雄「だから! 罪悪感で家に居られなくなった・・・」
霧乃あやめ「逃げてばっかり。どうしてもっと向かい合ってくれなかったの!」
アップル「そうです。ちゃんと気持ちを伝えて!」
  リン、リン、リン
霧乃良雄「ぐわーーー!」
  大量のオーラを放出しながら、水魔霊と良雄の体が分離した。

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コメント

  • きたぁぁぁあああっ!!
    あやめさん愛天使化!

    しかもロン毛×白無垢とは癖的にドストレートすぎるぜっっっ!!

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