9 送火(脚本)
〇研究施設の玄関前
〇研究施設の廊下
〇研究所の中枢
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「急に呼び出してすまないね えっと名前は・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「えーねんそれ 要件はなんや?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「億斗君と梓真君を・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「天秤にかけようと思ってね」
〇黒
〇病室
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「憂華・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「あ・・・梓真くん」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「来てくれたんだ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「うん」
「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あのさ──」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「ごめんね 嫌なお願いしちゃって・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そんなに・・・悪いのか?」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「オーバードーズの副作用でね・・・ ちょっと無理しすぎちゃった」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「でも今は調子が良いみたい だから良かった・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「嫌味なお医者さんに言われたの 内蔵がもうダメになってるって」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「目もあまり見えなくなっちゃった・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「でも耳は良くなったかも 梓真君の声はすぐにわかったから」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「ごめん・・・ 俺のせいだ」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「そういえば梓真君の異能凄かったね ゴォォって火が出て」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「梓咲さんのに似てる 流石姉弟だ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「最近、使えるようになったんだ・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「やっぱり俺は──」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「天国は生きてる内に行かなきゃいけないの」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・ヒデ兄が言ってたね」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「これから先は衰弱するだけ 良い事なんてない」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「手・・・繋いで欲しい」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「私の最期のお願い・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「いいよ・・・」
〇川沿いの公園
あぁ・・・
もっと色んな所に行ってみたかったな
そしたら二人はもっと近くなって・・・
そしたらいつか梓真君がね・・・
私に言うの・・・
なんて・・・
そうなったら良かったなぁ
〇黒
でも十分に幸せ・・・
初めて手繋いじゃった
梓真君の手・・・熱くて安心する
「本当に・・・いいのか?」
「うん・・・おねがい」
「そうか・・・」
「・・・」
「ありがとう・・・梓真君」
夜になると”無”になるのが怖くなる
こんなに疲れる人生だったくせに・・・
でも今は手が温かくて安心・・・
好きな人に手を握られて・・・
好きな人に見守られて・・・
きっと今ここが・・・
天国だ・・・
「最期までいるよ・・・ 何があっても何処にも行かないから」
「ふふ・・・ イケメン・・・だなぁ」
〇空
〇綺麗な教会
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「・・・・・・」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「何してるの?」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「私のセリフだ まだ外に出てはいけないよ」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「息がつまっちゃうね」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ふふ」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「娘が天を昇っていくかもしれないから 見送っていたんだ」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「死んじゃったの?」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「そうだね・・・ 梓真君には辛い事を押し付けてしまった」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「ふーん」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「でもお空にはいないんじゃない?」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「そうかい? じゃあどこに行くのかな?」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「そこ」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ん?私?」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「その人を想ってる人の中にいるんだって」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「タカトラが言ってた」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「だからママはボクといるの」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「想えばいつだって・・・か・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「きっとそうだね・・・ 素敵なパパじゃないか」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「マシュマロあんまりくれないから普通かな」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ふふ」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「話し相手になってくれてありがとう」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「いつでもどうぞ」
〇病院の待合室
看護師「おはようございます」
看護師「先生の担当の異能者の方 今朝亡くなってたそうですよ」
嫌味な医者「あっそうなの? 随分早かったなぁ」
嫌味な医者「まぁこの先苦しむだけだったろうし 逆に運が良いんじゃない?」
嫌味な医者「それよりさぁ 例の車買っちゃったんだ」
嫌味な医者「今度ドライブ行かない?」
看護師「はぁ・・・考えときますね」
看護師(爆発しないかなぁ・・・その車)
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
〇駐車スペース
〇開けた景色の屋上
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「憂華ちゃん 死んだんやって?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あぁ、お前か・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「恋人やったん?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「それは・・・ どうだったんだろうな」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「その様子やと・・・ もう完全に打ちのめされてもうたかな?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「お前は何がしたいんだよ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「もう明確に敵ってことでええで 結構悩んだから許してな」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「やっぱ顔は見せとかんで正解やったなぁ そもそも素顔わからんヤツ信用したアカンで」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そうか・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「意外な反応やな まぁそれもそうか・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「勝手に復讐しまくって・・・ 結局、犠牲者増やしただけなんやからなぁ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「どうすれば良かったんだろうな・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「大人しく姉ちゃん弔って終わっとけば こんな酷いことにはなってへんかったな」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「もう終わりにしいや」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「殺すか?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「お前が身柄さえ渡せばこれ以上は無い 瀬古とギフトの連中も悪い様にはならん」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あれだけ報道されてたのにか?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「相手はそんだけ大物ってことや・・・ まぁ死んだ連中がスケープゴートやろけど」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「俺はどうなるんだ?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「いや、もうどうでもいい・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「もう疲れた・・・」
〇謎の施設の中枢
ASH隊員「甕速 梓真がまもなくこちらに・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「何人か死んだのかな?」
ASH隊員「それが抵抗は無かったようで・・・ 天馬とやらが上手くやった様です」
多井 億斗(タイ オクト)「それは良かった・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「約束通り連れてきたで」
多井 億斗(タイ オクト)「意外とすぐ会えたね梓真君」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「妙な気は起こさないでね・・・」
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春島さん9話もあっという間に読みました
自信失くした時、私もありました😂
HEAT悲しいシーンもあるけど面白いです
ゆうかちゃん、残念でしたが繋いだ手のイラストが印象的で良かったです
憂華ちゃん😭つらいけど、手を繋いだ最期は美しかったです。しかし梓真つらすぎる😭
ヒカルが「天にはいない」とか言い始めたとき、まさかじご……と思いましたが、優しくて良かった😭わたしの心が汚れてた😭
次回天馬がどう動くか、楽しみです……!
天馬!信じてたぞ!
そしてスチルも描いて貰えるとは!やったな!
後半は敵にヘイトが十二分に溜まった状態でぶん殴るパターンになってきて読後感がとてもいいですね。しかし医者のあのサバサバ感。リアルですわー。知り合いの外科医もあんな感じ。
憂華は残念でした。名前からもう儚い感じですからね、HEATで生き残るのは難しかったのかもしれませんね。
モノローグすごかったです。泣けました。