青鷺の午睡

ましまる

#4 2023.6.23 ②(脚本)

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〇オフィスの廊下
  2023.6.23(Fri.) 21:14

〇小さい会議室
RICO「もー、ゴメンってぇー」
RICO「許してもらえるまで謝るから・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・・・・」
依田 大樹(構成作家)「栗沢ディレクター様よォ」
依田 大樹(構成作家)「そろそろ機嫌直したらどうだい?」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・・・・」
依田 大樹(構成作家)「もっと広い度量を持たないと、」
依田 大樹(構成作家)「巨乳キャバ嬢のモモちゃんにも 嫌われちまうぞ」
「えっ!?」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・ど、どうして彼女の名前を」
依田 大樹(構成作家)「ディレクター様よぉ」
依田 大樹(構成作家)「いくら休憩時間だといっても」
依田 大樹(構成作家)「番組直前に推しの巨乳ちゃんのブログを チェックするってさぁ・・・」
RICO「うわー、現場で・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・つい」
依田 大樹(構成作家)「後ろから丸見えだったぞ」
依田 大樹(構成作家)「おっ、モモちゃんって本日出勤中か」
栗沢 大和(ディレクター)「何をチェックしているんですか!?」
依田 大樹(構成作家)「お店のホームページ」
RICO「えー、モモちゃん、アタシも見たいー!」
依田 大樹(構成作家)「ほらよっ」
RICO「うわー、ほんわか癒し系の子なんだー!」
RICO「すっごい可愛い顔してるー!」
依田 大樹(構成作家)「でも胸周りは、可愛いどころか・・・」
RICO「えげつないボリュームしてるわね・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「もー、やめてください!」
栗沢 大和(ディレクター)「職場で不適切なブログチェックしたのも 謝りますから」
栗沢 大和(ディレクター)「RICOさんの謝罪も受け入れますから」
RICO「うん、ありがとー!」
依田 大樹(構成作家)「よしっ、これから一緒にモモちゃんに 逢いに行くかー!?」
栗沢 大和(ディレクター)「一緒なんて、絶対にイヤです・・・」

〇小さい会議室
RICO「そうそう、コレは2人へのお土産」
依田 大樹(構成作家)「おっ、緑山の粒あんマドレーヌか!」
栗沢 大和(ディレクター)「ホントに緑山市に行ってきたんですね」
RICO「栗沢クン、これ好きよね?」
栗沢 大和(ディレクター)「はい、いただきます」
依田 大樹(構成作家)「好物なら、俺のもやるわ」
依田 大樹(構成作家)「さっきの詫びも兼ねてな」
RICO「あら、甘党のセンセが珍しい」
RICO「以前の道南土産の大沼のお団子だって 全部一人で食べちゃったのに」
依田 大樹(構成作家)「俺が全部食ったのは、みたらし味だけだ」
依田 大樹(構成作家)「餡子と胡麻味は残してやったろ」
RICO「あーいうのは、バランスよく残すものなの」
RICO「ま、そんな甘党の2人には、 もうひとつ、プリンの差し入れもあるから」
「はぁ!?」
RICO「見かけると、つい買っちゃうのよね・・・」
依田 大樹(構成作家)「お前、ホンマモンの馬鹿か!?」
RICO「いーじゃない プリンとして美味しく食べられるんだから」
依田 大樹(構成作家)「・・・俺、パス」
依田 大樹(構成作家)「ディレクター様への献上品にするわ」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・ちょっと、横に並べないでください」
依田 大樹(構成作家)「確かに2つ並べると・・・」
RICO「それっぽく見えるわね・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・・・・」
RICO「ま、よかったら召し上がってね」
依田 大樹(構成作家)「モモちゃんのよりは小さいけどな」
栗沢 大和(ディレクター)「もー、いい加減にしてください!!」

〇小さい会議室
栗沢 大和(ディレクター)「・・・ていうか、こんな話をするために わざわざ残った訳ではないですよね」
RICO「・・・ゴメンナサイ」
依田 大樹(構成作家)「で、緑山市に行ってきて、どうだった?」
RICO「飛び降り現場を見てきた」
RICO「その子が飛び降りた商業ビルは もう普通に営業をしていて・・・」
RICO「周辺のお店も変わらず営業をしていて、 その現場の前も多くの人が行き交っていた」
RICO「そこが現場だったことを知らせるのは 地面に置かれた手向けの花、一束だけ」
RICO「まるで、事件のこと自体が 社会から切り離されたような空気感だった」
依田 大樹(構成作家)「世間的無関心ってヤツか・・・」
RICO「・・・そうね」
栗沢 大和(ディレクター)「事件の日以降、全く報道されていないのも 影響しているのかもしれませんね」
依田 大樹(構成作家)「そういや、あれ以来 一切ニュースで流れていないな」
栗沢 大和(ディレクター)「ただ、そのことで気になることがあって」
栗沢 大和(ディレクター)「いじめが原因で自殺があった場合って、」
栗沢 大和(ディレクター)「事件の数日後に、学校関係者の記者会見が 行われるじゃないですか」
依田 大樹(構成作家)「あー、関係者がズラリと横並びになって、」
依田 大樹(構成作家)「何秒くらい頭を下げるかも 台本で決められているお馴染みのヤツだな」
栗沢 大和(ディレクター)「そうです、アレです」
栗沢 大和(ディレクター)「でも、今回の事件では 記者会見のニュースが一切無いんですよ」
RICO「・・・確かに妙ね」
栗沢 大和(ディレクター)「コレって、飛び降りた子は いじめと無関係だったってことですかね」
依田 大樹(構成作家)「いや、違うな」
RICO「えっ!?」
依田 大樹(構成作家)「緑山市関係の匿名掲示板を見たら、」
依田 大樹(構成作家)「中学校名からその子の情報まで 色々と書かれていてよ」
依田 大樹(構成作家)「その子、春宋中学の2年生の女子で 4月から不登校だったってさ」
依田 大樹(構成作家)「ちなみに、飛び降りの後の中学校では、」
依田 大樹(構成作家)「月曜日は臨時休校 火曜日には保護者説明会があったようだな」
RICO「保護者説明会の内容って その掲示板に書かれていた?」
依田 大樹(構成作家)「ああ、学校側の説明が すごく歯切れの悪いものだったようだ」
依田 大樹(構成作家)「飛び降りについては 終始「転落死」という表現が使われて」
依田 大樹(構成作家)「その原因については、まだ確認中だってさ」
栗沢 大和(ディレクター)「学校の対応、何か引っかかりますね・・・」
RICO「・・・そうね」
栗沢 大和(ディレクター)「それにしても、依田さん・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「ちゃんと匿名掲示板のチェックを していたんですね」
依田 大樹(構成作家)「まあな」
依田 大樹(構成作家)「俺って責任感が強い男だから」
依田 大樹(構成作家)「職場でキャバ嬢のブログをチェックする どこぞのディレクター様とは違ってな」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・もう勘弁してください」
RICO「で、他に気になる書き込みはあったの?」
依田 大樹(構成作家)「ああ、同級生と名乗るヤツの 書き込みがあって、」
依田 大樹(構成作家)「その子に対するイジメの キッカケが語られていたな」
RICO「えっ!?」
栗沢 大和(ディレクター)「ホントですか!?」
依田 大樹(構成作家)「ま、匿名掲示板だから 真偽の程は定かではないけどな」
RICO「それで、そのキッカケって?」
依田 大樹(構成作家)「ああ、キッカケは去年、 飛び降りた子が中1のときのことだな」
依田 大樹(構成作家)「同級生の男子が彼女に告ったんだけど、 にべもなく振られてしまったことで」
依田 大樹(構成作家)「その男子が逆恨みをしたというのが 全ての始まりだってさ」
RICO「・・・しょーもない男子」
依田 大樹(構成作家)「その後、振られた男子とソイツの友達共が 彼女を無視したり、嫌な言葉をかけたりと」
RICO「・・・最低」
栗沢 大和(ディレクター)「でも、こういうときって 同性の友達が庇ったりしますよね」
依田 大樹(構成作家)「彼女にとって不幸だったのが、」
依田 大樹(構成作家)「その振った男子が、同級生女子たちから 人気のあるヤツだったということ」

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コメント

  • 栗沢さん、現場で、しかも本番前にブログチェックは不味いですよ、、、ていうか、お土産にあのプリンを買ってくるセンス高すぎるよ、リコさん🤣プリン並べてテンション高くなるって、いい大人が3人揃って何してんの😆
    それにしても、緑山市の20年前から続く連続自殺、、急にホラー展開になってきましたね😟
    そして、最後はしっかり下ネタで締めるリコさん、、、どんだけプリン買ってきてたのよ🤣

  • 自殺が続いているというのは、気になりますね!
    一体、何が起こっているのでしょうか……!
    そして、プリン😂
    スチルで増えていくプリンに笑っちゃいました🤣
    リコ姐さん、一人に2個あげられるように買ってきたんですかね!?

  • www
    もうwwwプリンに全部持っていかれるwwwお話思い出せない😂👍

    毎年起こる殺人事件、凄く気になりますね!
    リコ姉、頼りになるけど気を付けて😧

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