〇けもの道
綿貫「ホーーーーーーーーーッ！」
隈川「ヤーーーーーー！ホーーーーーー！」
鎌井「ホーーーッ！ホーーーッ！」
宍倉「北の沢。川下左、大岩側に追い込んだ」
宍倉「頼むぞ」

〇山中の川
辻村「オッケ～で～す！」
辻村「天国へようこそ！」
辻村「ハッ！」
辻村「ふむ。美味しく頂けそうだ」

〇山並み

〇古い競技場
綾「辻村さん。今日も容赦ないな」
綾「弱肉強食・・・か」

〇事務所

〇事務所

〇古い競技場
綾「・・・」
綾「・・・もう関係ない」
綾「どうでもいい。これは私の問題」
綾「強くなる・・・美しくなる」
　　『綾さん』
綾「はい」
　　『追い込んだわ』
　　『雄の猪。100キロはある』
綾「・・・100キロ」
　　『・・・』
綾「そうですか」
綾「大丈夫です」
　　『公衆トイレ側から来るはずよ』
綾「了解です」
綾「・・・」
　　『引鉄は引くんじゃなくて絞る感じで』
綾「はい」
　　『スラグは弾速が遅いから鼻を狙うくらいでちょうどいいわ』
綾「分かってます」
　　『もう理屈はいらないか』
　　『アバラ三枚なんて忘れて』
　　『命中部位なんて関係ない。当てれば危険だけは回避できるから・・・』
綾「分かってるって言ってんじゃん！」
綾「・・・」
綾「・・・すみません」
　　『気を付けてね』
綾「はい」
綾「来る・・・」
綾「・・・！」
綾「冷静に・・・」
綾「感謝して・・・」
綾「人も獣も同じ命・・・」
　　同じだと？
綾「・・・え？」
　　お前と俺が同じだと？

〇黒
　　笑わせるな
　　一緒にしないで
　　アンタは豚でしょ
綾「・・・」
綾「・・・豚」

〇教室の教壇
　　豚
　　豚
　　豚
綾「・・・」
？？？「一年で撃てると思ってたの？」
？？？「三年で強くなれると思ってたの？」
？？？「五年で幸せになれると思ってたの？」
？？？「豚」
？？？「豚」
？？？「豚」
綾「豚・・・豚・・・豚」
？？？「弱肉強食」
？？？「弱肉強食」
ゆりあ「弱肉強食」
綾「弱肉強食・・・弱肉強食・・・弱肉強食」

〇古い競技場
　　弱肉強食。弱肉強食。弱肉強食
　　弱肉強食弱肉強食弱肉強食弱肉強食
　　弱肉強食弱肉強食弱肉強食弱肉強食
　　弱肉強食弱肉強食弱肉強食弱肉強食
　　弱肉強食弱肉強食弱肉強食弱肉強食
綾「・・・え？」

〇古い競技場
姫子「大丈夫？綾さん」
綾「姫子さん・・・私・・・」
綾「私、弱くて・・・醜くて・・・」
綾「今も弱いままで・・・醜いままで・・・」
綾「・・・私」
姫子「・・・弱肉強食と、もうひとつ。こういう言葉もあったわ」
姫子「適者生存」
姫子「大丈夫。あなたはちゃんと生き残れる」
綾「・・・」
姫子「ちゃんと。ね」
　　ｔｏｂｅ・・・