8 火之迦具土(脚本)
〇綺麗な教会
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「急に呼び付けてすまない」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「いえ、助かります・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「さぁ早く中に」
〇教会の控室
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「でも・・・ 俺達を匿うと巻き込まれますよ?」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「もう十分巻き込まれてるんでね」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「それと私には秘密があるんだ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・?」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ついておいで・・・」
〇地下に続く階段
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「地下なんてあったんですね・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「そこは驚くべきポイントじゃない・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「さぁどうぞ 皆お待ちかねだ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・すごい」
〇秘密基地のモニタールーム
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「よぉ梓真 互いに無事で良かったな」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「いや、良くはねぇか・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「天馬は? そっちに向かったんじゃ・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「レオンにここを誘ってもらえてな それを見届けて何処かに行きやがった」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「高虎君とは仕事で繋がっていてね」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「俺が情報を仕入れてる内の1人なんだよ 顔を見るのは初めてだったがな・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「彼ほどではないがそれなりに知っている 特に憂華と接触してからはね・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「なるほど・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「これからどうする? 全国指名手配の日陰者は確定だが・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「国外逃亡でもして大人しくするか?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・いや」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「ヒデ兄を殺った億斗って奴は殺す」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・必要なら天馬もな」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「だよな・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「その前に梓真君に1つ相談がある」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「・・・」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「憂華のことについて・・・」
〇黒
〇個別オフィス
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「健御君が亡くなったそうだね」
第一秘書「異能犯罪共謀の疑いを掛けられ 強く抵抗したそうです・・・」
第一秘書「自業自得では?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「彼にそんな大それたことが出来れば もっと良かったんだけど・・・」
第一秘書「・・・?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「一般の報道なんてカバーストーリーさ 私は彼を買っていたんだけどなぁ」
第一秘書「異能者では使い道が・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「異能者を御する役目としては最適だった 些かクリーン過ぎたけど・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「彼は人に希望を抱き過ぎてた 在るべき正しさにいつか気付いてくれるとね」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「そして彼はどこか魅力的だった 薄ら寒い大正義に熱を帯びさせる力があった」
第一秘書「何が足りなかったのでしょうか?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「利害の提示かな・・・ 正しさで人は行動しない」
第一秘書「社会的弱者である異能者に利害の提示は 難しいでしょうね」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「弱者だから利害を示せないんじゃなく・・・ 利害を示せないから弱者なんだよ」
第一秘書「・・・なるほど」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「クリーンな彼には怖さが無かったね」
第一秘書「蘆田様が怖いと思う人なんているのですか?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「行動する人間・・・ 倫理や法律ではなく利害に従って」
第一秘書「強引な手段はお互いに取れるのでは?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「そうだね でも偶にいるんだよ・・・面倒なのがさ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「こんにちは・・・蘆田君」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「噂をすればだな・・・」
第一秘書(・・・君!?)
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「外してくれるかな?」
第一秘書「あ、はい 失礼致します」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「秘書の前で君付けはちょっとなぁ これでも世界に影響力のある立場なんだ?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「僕に名前を覚えて貰っているなら最上では?」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「分かった分かった ヒノカグツチの件はどうなった?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「アテは見付けたから安心して」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「ふぅ・・・ それなら日本はまだまだ安泰だな」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「それにしてもASHの彼を随分信用してるな 何でも自分でやらないと気が済まない君が」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「億斗君のことかな? 彼とは一心同体に近いものがあるからね」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「君にそこまで言わせるとは・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「ヒノカグツチの再建も目前・・・ あの頃を思い出すね」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「僕に思い出すって感覚は無いけど 君の尺度なら懐かしいんだろね」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「それじゃ失礼するよ」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「進捗があれば何時でも連絡してくれよ!」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「あれからもう40年か・・・」
恐ろしいね・・・
超常の知能というのは・・・
〇研究施設のオフィス
──約40年前
烏丸 百慧 齢7にして・・・
父親を殺害する
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「烏丸先生 今日こそ話を聞いていただきます」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「AI診断システムは停止すると言った それで決まりだよ」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「政府が構築した平等化措置 それが白紙に戻ると大混乱になります」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「兼ねてより懸念していたことが起こったんだ やはり異能者はいた」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「明らかに数が増えてきていたし 指し示す数値もどんどん高くなっている」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「彼女の出現で確信した このままのシステムでは彼等にとって・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「ですが先生・・・」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「そもそも既得権益を加速させただけだった 研究費に目が眩んだことを恥じるよ」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「検討する余地はないと?」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「あぁそうだ」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「よく解りました・・・」
蘆田 総士(アシダ ソウシ)「それでは次は・・・ 検討したくなる利害の提示を準備して来ます」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)(やんごとなき若造め・・・)
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「父さん また揉めてるの?」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「お前が気にすることじゃないさ それより紹介したい子がいるんだ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「どんな奴?」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「お前と同じステージ3の女の子 それも同い年だぞ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「僕と同じ・・・?」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「数値だけならお前を超えている ステージを新設しないといけないくらいだ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「どこにいるの? 早く会いたい」
〇食器
は?
ミコト「モモエくんあそぼーよ」
なんだこの馬鹿は?
ミコト「オママゴトする?」
これが僕と同じ・・・?
ミコト「お料理してあげるねー」
有り得ない
〇研究所の中枢
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「あれが僕を超えてる? 絶対にシステムのアルゴリズムにミスがある」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「父さんも大して賢くないから・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「・・・・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「ステージは総合点で分けてるのか・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)(僕は知能指数による点数が支配的・・・ 最高ステージの3の中でもトップ)
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「肝心の彼女は・・・ カテゴライズされていない数値が異常だ」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「この数値は? 父さんの記録を・・・」
〇近未来の手術室
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「ミコト研究記録58日目・・・ やはり異能を持つ次世代の人類は存在する」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「恐らくは進化による産物と仮定している 脳の構造が違うことも確認された」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「原理は全くの不明だが・・・ 特殊な脳波による超能力の行使が可能である」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「状況だけ見れば彼女は恐らく・・・ 信じられないことだが」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「原子レベルに作用する異能を備えている」
〇研究所の中枢
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「異能者・・・ 進化による新人類・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「おもしろいけど 所詮は異能だけの存在・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「でもいつかは・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「うん やりたい事がやっと見付かった」
〇研究施設のオフィス
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「遅くまでお疲れ様」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「百慧か・・・珍しいな ありがとう」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「ミコトとは仲良くなれたか?」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「うーん アレはちょっとね・・・」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「まったく・・・アレとは何だ! お前は人を見下し過ぎている」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「百慧・・・ 本当の意味で賢くありなさい」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「価値観を迎合させるのは難しい・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「悪いけど知性が足らないモノは不愉快なんだ 害虫を見てる様にね」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「至らない弱者には蹂躙される義務がある」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「お前・・・」
烏丸 百慧 (カラスマ モモエ)「父さんも例外じゃない・・・」
烏丸 一(カラスマ ハジメ)「うぅ・・・百慧・・・お前」
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今回も体感あっという間でした!
烏丸ももえの幼少期、頭はいいけどさみしげでした
そして腕を組んだ立ち絵がまさに!って感じでした〜👍
過去編、楽しませてもらいました。
幼いうちに過度な知性が宿ると目的に躊躇なく行動しがちで、そのまま大きくなったとすれば恐ろしいですね。
過去の記憶が今と遜色なく記憶できる実在の人間は、そのうち今見ている情報と過去の記憶が等価になりすぎで常に幻覚を見ているようになって破綻するものですが(実話)、彼は果たして…。
核融合を超える技術となると限られてきますが…… 話の規模がどんどんデカくなっていく😂😂
それはさておき、烏丸の外道っぷりが輝いてましたね。ここまでやると清々しいです。ヴィラン役としては理想的か。こんなキャラ作りたいっす❤️