第三話(脚本)
〇川沿いの原っぱ
少年「なぁなぁ! いつ迎えに来てくれる?」
男「お前が良い子にしていれば 迎えに来るさ」
少年「だから、いつになるんだよぉ」
男「そうだなぁ・・・ 4回目の満月の夜にまた来るさ」
少年「わかった 俺、良い子で待ってるから」
男「ああ」
少年「やくそくだよ! ぜったい迎えに来てね」
男「はは、分かった分かった またな・・・」
〇川沿いの原っぱ
・・・
少年「まだかなぁ まだかなぁ」
少年「今日が4回目の満月のはず」
少年「俺ずっと良い子にして待ってたよ」
少年「・・・」
少年「遅いなぁ」
少年「もしかして満月は明日なのかなぁ」
少年「うーん お月さんはまんまるに見えるんだけど」
少年「俺の勘違いかな? うん、きっとそうだ」
少年「今日は戻ろうっと」
少年「明日はきっと・・・」
〇川沿いの原っぱ
少年「どうしたんだろ」
少年「5回目の満月も過ぎたよ」
少年「何かあったのかなぁ」
少年「・・・」
少年「まだ俺が良い子じゃないのかな」
少年「もっとみんなの役に立てば来てくれるかな」
少年「きっとそうだ まだ足りないんだ」
少年「もっと一杯頑張らなきゃ」
〇川沿いの原っぱ
それから1年が過ぎ、2年過ぎ
3年が過ぎても迎えは来なかった
5年過ぎた頃には現実を受け入れた
あの約束は嘘だったのだ
──になればあの人の事がわかる
そう信じていた
その為にどんな辛い事も我慢した
それなのに・・・
最初から迎えにくるつもりは無かったのだ
全ては自分をこの世界に連れてくる為に
自分には──になる素質があると煽て
・・・許せない
この世界の奴らはもう誰も信じない
俺は俺の為に生きるんだ
誰が──になんてなるか!!
〇黒背景
〇古風な和室(小物無し)
「おい、起きろ いつまで寝ている」
(うーん・・・ もうちょっとだけ)
カラス「もう、食えねぇ・・・むにゃ」
キツネ「いい加減に起きろ!! もう昼過ぎだぞ」
カラス「いてててて・・・ なーにすんだよ! 人が気持ちよく寝てたというのに」
カラス「まだ、もう少し寝かせろよ 疲れてんだしさぁ ふわぁーあ・・・」
キツネ「寝るな!」
カラス「なんだっていうんだよ 今日は別に任務も無いだろぉ!」
キツネ「・・・お前 主上に教育係を任されただろ?」
カラス「おう、それがどうした」
キツネ「どうした、じゃない! 早く迎えに行け 待っているんだぞ」
カラス「待ってるって・・・?」
キツネ「お前の準備が整い次第 黒虎を迎えに行く約束だっただろう もう忘れたか」
カラス「忘れてないさ ただな・・・」
キツネ「なんだ?」
カラス「心の準備ってやつがな・・・」
キツネ「はぁ?」
カラス「と、いうわけで 精神の修行に行ってくるぜ 後はよろしく!」
キツネ「えぇ?」
キツネ「って、こらぁ! 逃げるんじゃない!! まてぇ!」
〇黒背景
〇けもの道
カラス「刻丸ー! いるか?」
刻丸「カラスのアニキ! どうしたんスか?」
カラス「ちぃーっとばかり 匿ってくれないか?」
刻丸「まーたキツネの姐さんと 喧嘩でもしたんスか?」
カラス「ちげーし!! 実はな──」
〇丘の上
カラス「──っていうわけでよぉ」
刻丸「へぇー アニキがそのボウヤの教育係にねぇ・・・」
カラス「主上もなにをかんがえているのやら」
刻丸「いいじゃないッスか」
カラス「はぁ? 何がだよ?」
刻丸「アニキの舎弟にするって事ッスよね そのボウヤ」
カラス「いや 舎弟とは違うんだが・・・」
刻丸「あっしも昔アニキに憧れて 舎弟になったんでサァ あの頃のアニキは誰よりも強くて」
カラス「そ、そうか・・・? 昔はまぁ色々やっちまったけどな」
刻丸「あの頃のアニキの勇姿は忘れられないッス 襲いかかってきたヤツらを ちぎっては投げ──」
刻丸「目を瞑ってもあの頃の勇姿が目に浮かぶッス」
カラス「そ、そうか?」
刻丸「あっしにとっては 今もアニキは憧れの漢ッスよ」
カラス「いやぁ照れるぜぇ」
刻丸「ボウヤも絶対憧れるッス アニキは最強最高にカッコいいアニキだって」
カラス「そうか やっぱ俺の強さに惹かれちゃうかぁ」
刻丸「そうッスよ 早くボウヤを迎えに行かないと!! きっと待ってるッス」
カラス「しゃーねぇなぁ 俺様が迎えに行ってやるかぁ」
刻丸「・・・」
刻丸「これでいいッスか? キツネの姐さん」
キツネ「ああ 協力ありがとう、刻丸」
刻丸「しっかし・・・ 相変わらずチョロいッスね、アニキ」
キツネ「おだてに弱い単純馬鹿だからね」
刻丸「あっしに出来ることがあれば またいつでも連絡くださいな 姐さんの頼みならなんでもやるッス」
キツネ「ありがとう刻丸 いつも助かるよ」
刻丸「では、あっしはこれで失礼しやす」
キツネ「ふふふ」
キツネ「ボクの作戦通りだな」
〇黒背景
〇アパートの中庭
世話役の女性「カラス様、お待ちしておりました」
世話役の女性「黒虎はすっかり落ち着いてますわ」
黒虎「・・・」
世話役の女性「ほら、挨拶しなさい これからあなたはカラス様の所で 世話になるのですよ」
黒虎「ウー」
カラス「この俺様がお前を舎弟にしてやるってんだ 有り難く思えよ」
黒虎「グルルルルルル・・・」
黒虎「ニク・・・エモノ・・・」
カラス「えっ!?」
黒虎「オマエ・・・マルカジリ・・・!」
カラス「ヒェッ!!」
〇血しぶき
〇アパートの中庭
カラス「いたっ! 痛い痛い!! いや・・・ちょっ・・・!!」
黒虎「エモノ・・・マテ・・・!!」
世話役の女性「まぁ、仲が良いですわね その子をよろしくお願いします」
カラス「ちげえ!! 喰われてるんだぁ! たぁすけてくれーぃ!!」
黒虎「ガウゥ!!」
〇血しぶき
〇けもの道
カラス「なんで俺がこんな目に・・・ チックショウ!!」
〇黒背景
〇雲の上
???「相性はまずまずってとこかのぅ 楽しそうで何よりじゃ ほっほっほ」
〇岩の洞窟
???「・・・」
???「まだ、足りない・・・ もっと集めないと」
〇幻想
やっと黒虎を迎えに行きましたが
カラスには教育係が務まるのでしょうか
第四話へ続く──
虎「ニク……エモノ……」
カ「うっ、頭が(物理的に)」
エフェクトが実装されて、より表現出来るようになりましたね。あとは処理落ちさえ無くなれば……
続きを楽しみにしてます!
からすの頭皮のダメージが心配だな……w