第7話 ヒモを目指して幾星霜(脚本)
〇上官の部屋
岡崎弾助「ちょ、ちょっと待ってください!」
岡崎弾助「アヤカ先生、 親父を知ってるんですか!?」
アヤカ「・・・」
アヤカ「・・・ええ」
岡崎弾助「親父は・・・」
岡崎弾助「親父は、生きてるんですか!?」
アヤカ「・・・・・・」
岡崎弾助「・・・いえ」
岡崎弾助「今のは忘れてください」
アヤカ「ダンスケ・・・」
岡崎弾助(親父は死んだんだ・・・)
岡崎弾助「それで、アヤカ先生」
岡崎弾助「俺はシエラ様に会って、何をすれば?」
アヤカ「それはまだわからない」
アヤカ「あの人は、何をしてくるか わからないから・・・」
ナタリー(学園長)「先ほども言ったが」
ナタリー(学園長)「私たちは、姉上の暴走を 止めなければならないということだ」
岡崎弾助「暴走を・・・止める?」
アヤカ「母は、父がいなくなってから 変わってしまった」
アヤカ「このヒモ学園も、 母の暴走から始まったの」
ナタリー(学園長)「ヒモを育てるなんて、まあ 無茶ぶりをしてきてな・・・」
ナタリー(学園長)「世界各地にヒモ学園を 設立しようとしている」
岡崎弾助「世界各地!?」
アヤカ「ヒモが増えれば 当然働き手が少なくなる」
アヤカ「経済が狂っていくわ」
岡崎弾助「でもそれなら」
岡崎弾助「まず、このヒモ学園をやめるべきでは?」
ナタリー(学園長)「ここは、言わば堰き止めだ」
ナタリー(学園長)「ここがなくなっても 第二第三のヒモ学園が生まれるだけ」
ナタリー(学園長)「モーリディッヒの経済力を甘く見るな」
ナタリー(学園長)「奴の資産は湯水のように現れる」
岡崎弾助「インフレになりそうな話ですね」
アヤカ「秋の選評会には、母も出席するわ」
アヤカ「その時までにハイブリッドヒモの スキルを完璧に近づけてほしいの」
岡崎弾助「わ、わかりました」
〇明るい廊下
岡崎弾助(シエラ様、 なんか凄そうな人だな・・・)
岡崎弾助(でも、どうせ選評会までにヒモスキルを 向上させようって決めてたから・・・)
岡崎弾助(やるべき事は変わらない)
岡崎弾助(俺はただ、ヒモを目指すだけだ)
〇空
〇空
〇貴族の応接間
???「ぅああああああ!!」
???「あなたぁ・・・! あなた、どうしてなのっ・・・!!」
幼い頃のアヤカ「お母様・・・」
幼い頃のアヤカ「お母様、アヤカがいるよ・・・」
幼い頃のアヤカ「だから・・・」
だから、こっちを向いてよ──
〇女の子の部屋
アヤカ(夢か・・・)
アヤカ「ダンスケに お母様の話をしたからかな・・・」
〇美術館
校外学習
飛鳥イヅル「あ〜 校外学習かったるいな〜」
岡崎弾助「でも、いつも学園にカンヅメ状態だし」
岡崎弾助「それに、この後は 久々の自由時間じゃないか!」
澤森ケンタ「おっ、それそれ!」
飛鳥イヅル「俺もう行くところ決めてあるもんね〜!」
澤森ケンタ「ダンスケは?」
岡崎弾助「俺は・・・」
〇川沿いの公園
岡崎満知子「にいちゃーん!」
岡崎弾助「みんな、久しぶり!」
飛鳥イヅル「何人兄弟!?」
澤森ケンタ「大家族とは聞いていたが・・・」
岡崎善子「どうも、弾助がいつもお世話に・・・」
飛鳥イヅル(ダンスケ母、わりと美人!)
飛鳥イヅル「こちらこそ、ダンスケ・・・君には お世話になってます」
飛鳥イヅル「ダンスケ君のお母さん・・・ 話に聞くよりお綺麗でびっくりしました」
岡崎善子「まあ、お上手ね」
澤森ケンタ「友人の親に本領発揮すな」
飛鳥イヅル「いや〜、練習になるかなって」
飛鳥イヅル「じゃあ、ダンスケ、 俺たち行くかんな」
澤森ケンタ「またな」
岡崎弾助「ああ、また後で!」
岡崎善子「いい学園生活を送ってるのね」
岡崎弾助「母さん」
岡崎弾助「ごめん、ここまで来るの大変じゃ なかった? 満知子もまだ小さいし」
岡崎善子「みんなが協力してくれてるから 大丈夫!」
岡崎善子「それに、兄ちゃんに会いに行くぞーって 言ったら」
岡崎善子「みんなお利口だったわ」
岡崎弾助「そうか・・・」
〇川沿いの公園
アヤカ「・・・ん?」
アヤカ「あれは・・・」
アヤカ「そういえば、家族と会うって 言ってたわね・・・」
アヤカ「・・・」
岡崎弾助(・・・あ!)
岡崎弾助「アヤカ先生!」
アヤカ(なんで気づくのよ!)
アヤカ「え、えーと、偶然ね?」
岡崎弾助「先生、家族に紹介したいんで、 来てください!」
アヤカ「え!?」
アヤカ「か、家族に紹介!?」
〇川沿いの公園
岡崎弾助「母さん、俺、 この人のヒモになる予定なんだ!」
岡崎善子「ヒ、ヒモ!?」
アヤカ「アヤカ・モーリディッヒです。 学園の講師をしています」
岡崎善子「モーリディッヒ!?」
岡崎善子「う、う〜〜ん・・・」
岡崎弾助「か、母さーーん!!」
〇川沿いの公園
アヤカ「ダンスケ、それは早すぎるわ!!」
岡崎弾助「早すぎる?」
アヤカ「と、とにかく紹介はいいから!」
「あーっ! 兄ちゃんが 綺麗なお姉さんと話してるー!」
岡崎善子「弾助、そちらのお嬢さんは?」
アヤカ(や、やだ、 お嬢さんだなんて・・・!)
岡崎善子「んもう! 彼女ができたんなら 紹介しなさいよ!」
「かっ・・・」
アヤカ(か・の・じょ!?)
アヤカ(いい響き・・・!)
↑※ヒモしかいた事がない
岡崎弾助「母さん、失礼だよ」
岡崎弾助「この人は学園の先生なんだ」
岡崎善子「えっ、先生!?」
岡崎善子「し、失礼しました! 弾助の母でございます」
岡崎善子「息子がいつもお世話に・・・」
アヤカ「いいえ、こちらこそ ありがとうございます」
岡崎弾助(なんで泣いてるんだ・・・?)
〇華やかな寮
〇シンプルなワンルーム
岡崎弾助「あーっ、久々の校外楽しかったな!」
澤森ケンタ「ダンスケ」
飛鳥イヅル「見たぞ」
岡崎弾助「えっ、何?」
澤森ケンタ「あの後、 アヤカ先生と逢引していただろう」
飛鳥イヅル「そーだそーだ ヒモの特権使いやがって!」
岡崎弾助「えっ? 逢引!? 特権!?」
岡崎弾助「偶然会っただけだし!」
岡崎弾助「それに俺はまだヒモじゃないぞ!?」
飛鳥イヅル「まさか、 授業もあんな事やこんな事・・・」
澤森ケンタ「えっ、まさか・・・」
飛鳥イヅル「キャーッ! イヤーッ!」
岡崎弾助「二人とも・・・」
「いい加減にしろーーーーッッ!!!!」
〇グラウンドのトラック
岡崎弾助「そいういうわけで先生」
岡崎弾助「二人にも特別授業をお願いします」
アヤカ「無理よ」
岡崎弾助「えっ?」
飛鳥イヅル「な、なんでですか!? やっぱり手取り足取り!?」
アヤカ「はあ・・・あのねぇ・・・」
アヤカ「キミたちには適性がないからよ」
岡崎弾助「適正?」
アヤカ「私の方を見て」
アヤカ「魅了《ファッジネイト》」
アヤカ「とまあ、こんな感じよ」
澤森ケンタ「今、俺たち魅了にかかっていたのか!?︎」
飛鳥イヅル「なんでダンスケだけかからないんだ!?」
アヤカ「ダンスケ自身が魅了を使えるからよ」
アヤカ「まあ、意識して使いこなせる わけじゃないみたいだけど」
澤森ケンタ「じゃあ、俺たちもダンスケのように 魅了が使えるようになれば」
飛鳥イヅル「学食のおばちゃんに気に入られるように するとか?」
アヤカ「言っておくけど」
アヤカ「キミたちがダンスケの真似をしても 魅了はできないわよ」
飛鳥イヅル「ええー、じゃあどうすれば?」
アヤカ「キミたちには、 キミたちの良さがあるでしょう?」
アヤカ「ダンスケが 家事スキルを得意とするように」
「自分の得意分野か・・・」
飛鳥イヅル「・・・よし!」
飛鳥イヅル「アヤカ先生」
飛鳥イヅル「先生を初めて見た時から感じていました」
飛鳥イヅル「まるで月の女神のようだと」
飛鳥イヅル「俺はあなたを照らす太陽になりたい」
飛鳥イヅル「秋のサロンでは、ぜひ先生のお側に 置いていただけませんか?」
アヤカ「ふふっ、いいわね」
飛鳥イヅル「魅了、いけそうっすか?」
アヤカ「側に置くのは無理だけど」
アヤカ「もう少し洗練すれば 魅了に繋がると思うわ」
飛鳥イヅル「がんばります」
岡崎弾助「すごいなイヅル!」
岡崎弾助「ああいった言葉は、俺には出てこないよ」
飛鳥イヅル「俺も、ダンスケみたいに自分だけの ヒモ道が見つかるといいんだけどな」
澤森ケンタ「・・・」
澤森ケンタ(魅了に繋がる・・・ 俺だけの・・・)
澤森ケンタ(そんなもの、あるだろうか・・・?)
すみません爆笑しましたwww
どちらかというとヒモになりたい方なのですが新たな扉を開きそうです…
アヤカ先生、教鞭を取ってるだけあってヒモとしか一緒にいたことないんですね。流石です。
ダンスケのイケメン友達二人の将来のヒモ姿も、すごく見てみたいです🤩
ヒモ学読むと元気出るんですよね✨☺️
みんなが必死にヒモ学を学んだり悩んだりしている姿にパワーをもらえるんです!!!!!!✨💪
キャラたちの魅力が溢れてますよね✨
次回も楽しみにしてます✨☺️
ヒモ道にも色々あって、いろんな技があるのですね~。
考えたこともないので、勉強になります。それ以上に笑えますww
楽しい学園生活で羨ましいですね~、アヤカ先生にも会いたいな💛