猫の愛(脚本)
〇西洋の市場
今日で最後のお店のアルバイトに早朝3人は話し合っていた。
アイン・イヨ・リトナ「・・・というわけで少し遅れますが」
ウカ・デルマ・ネール「リトナさんがそういうのなら」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、あのネコのところに行くき?」
アイン・イヨ・リトナ「はい、やはりこのままにしておくわけには」
シルビア・ヤン・オードリー「待って」
シルビア・ヤン・オードリー「あんたは仕事してればいい──」
〇ヨーロッパの街並み
カプリース「はあ〜、リトニャ」
カプリース「リトニャ」
カプリース「リ・ト・ニャ」
るんるんで街角で待っていたカプリース。落ち着かず尻尾をフリフリしていた。
カプリース「ま〜だかニャ〜」
カプリース「来たニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「ちょっと」
カプリース「ニャ・・・あ、この前の」
現れたのはリトナではなくシルビアだった事に、睨むカプリース。
カプリース「なんニャ、カプリースはリトニャ待ってるニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナなら働いてる」
シルビア・ヤン・オードリー「あんた」
シルビア・ヤン・オードリー「これ以上リトナに構わないでくれる、あいつには大切な使命があって忙しいの」
カプリース「・・・・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「この世界を崩壊から救うっていう大切な使命がね」
シルビア・ヤン・オードリー「だから悪いけど、あんたに構ってやるヒマはあいつにはないのよ」
シルビア・ヤン・オードリー「そんなわけだから、はいこれ」
カプリース「ニャ、魚ニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「今回の代わりとこのまえ助けてくれたお礼よ、ありがとう」
シルビア・ヤン・オードリー「じゃあね」
帰ろうと振り向くシルビア。
カプリース「・・・リトニャは・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナは、来ないって言ったでしょ」
カプリース「・・・やニャ」
カプリース「リトニャは仲間ニャ・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ? なに言ってるのあんた」
カプリース「リトニャのこと大好きニャ、だからリトニャはカプリースのものニャ!」
シルビア・ヤン・オードリー「カプリースのものって、どういうことよ!」
カプリース「・・・我が両の始と終に力をあたえよ・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(両爪の魔法!)
カプリース「ハンド・ディーグッ!」
カプリース「ニャッ!」
シルビア・ヤン・オードリー「くっ!」
頬から血が垂れるシルビアの前にいるカプリースの目は獲物を狙うネコの目だと感じた。
シルビア・ヤン・オードリー「なにすんの、いきなり」
カプリース「リトニャは、リトニャはカプリースのものニャ、邪魔するなら狩るニャッ!」
カプリース「ニャッ!」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・我が両の始と」
シルビア・ヤン・オードリー「終に力をあたえよ!」
シルビア・ヤン・オードリー「ハンド・ディーグ!」
シルビア・ヤン・オードリー「勝手なこと言うな、ネコォーッ!」
魔法を唱えたシルビアの両爪をすばしこくも避けるカプリース。
カプリース「オマエ倒してリトナはカプリースがもらうニャン」
シルビア・ヤン・オードリー「なによぉーっ」
シルビア・ヤン・オードリー「また避けた!」
シルビア・ヤン・オードリー(早い)
カプリース「そんな攻撃、カプリースには亀の動き同然ニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「ふーん、さすが猫ね」
カプリース「ふんふーん、このままどっか行けば許すニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「誰が!」
カプリース「カプリース優しいニャ〜」
シルビア・ヤン・オードリー「悪いけどこっちもリトナを必要としてるのよ。渡すわけにはいかないわ、ネコッ!」
カプリース「ニャ〜ッ、せっかく優しくしてあげたのに〜っ!」
シルビア・ヤン・オードリー「だったら、ここから去りなさいよっ!」
アイン・イヨ・リトナ(遅い、やっぱり心配です)
アイン・イヨ・リトナ(あれは人集り)
街角で喧嘩していると話している市民たち。
〇草原の道
リトナが向かうと争っていた二人は街の入口を出たという。
アイン・イヨ・リトナ(シルビアさん達だ!)
街の入口に出た場所でシルビアとカプリースは戦っていた・・・。
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさーん」
シルビア・ヤン・オードリー「こんのぉーっ!」
カプリース「ニャ、ニャ、ニャ、あっちいニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ、はぁ、いくら素早くても何回も見てれば目もなれる、それに獣人でも熱には弱いわよね」
「ニャッ!」
やばいと一気に距離をとるカプリース。そんなときでも目を離さないシルビアに苛立ちと焦りはじめていた。
カプリース「そもそも、オ、オマエはリトニャの何なんニャ」
シルビア・ヤン・オードリー「え・・・あたしは・・・」
カプリース「リトニャとカプリースの事に、オマエは関係ないニャ!」
シルビア・ヤン・オードリー「ただ、あたしの旅に必要な人・・・それだけ・・・」
アイン・イヨ・リトナ「・・・シルビア、さん」
このとき戦いに集中していたシルビアにはリトナがいることに気がついてはいなかった。
カプリース「なんニャッ、それならカプリースの方がリトニャを思ってるニャッ!」
シルビア・ヤン・オードリー「でも・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「今は、一緒に旅してる・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「頼れる仲間」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん」
シルビア・ヤン・オードリー「えっ、リトナッ、どうしてここに・・・」
リトナの笑顔と自分の言ってしまった言葉を思い出して赤面するシルビア。
それと同時に恐ろしい気配が。
〇荒廃した国会議事堂の広間
ムーシャ(──世界は確実に崩壊の道を辿っている。だからこそのシステムでもある──)
「ここにいるなんて、本当に来たのね」
ムーシャ「あなたは・・・」
夢花「また会える日が来るとはね」
ムーシャ「フフッ、会わなかっただけじゃないかしら・・・」
夢花「無事に出来るといいわね」
ムーシャ「・・・・・・」
夢花「この世界の網・・・」
〇草原の道
カプリース「──人の姿となりて、獣の力を解きっ、放つっ!」
シルビア・ヤン・オードリー(なにっ!? ネコの魔力が全身にっ!)
シルビアが感じると魔力はカプリースを包み猫を型どっていく。
カプリース「ニャァアアァァァーッ!」
シルビア・ヤン・オードリー「はやっ・・・」
ただでさえ早かったカプリースが更に大きな猫のように素早いため、狙いを定められず・・・、
「いまニャッ!」
「キャァアアアーッ!」
シルビアは切り刻まれた。
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさぁぁーんっ!」
カプリース「ハァ、ハァ、これがネコの力ニャ」
急いでシルビアに自分の膝の上に頭を乗せ回復魔法を唱えるのはリトナ。
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、息はありますか?」
シルビア・ヤン・オードリー「う、リトナ・・・」
カプリース「あ、リトニャ〜・・・」
カプリース「ニャ!?」
抱きつこうとしたカプリースだったが野生の感が足を止める。
アイン・イヨ・リトナ「カプリースさん・・・」
カプリース「リトニャ・・・なんニャ」
アイン・イヨ・リトナ「・・・今度は、私が・・・あなたと戦います・・・」