ジビエの姫

山本律磨

ジェノサイド!(後編)(脚本)

ジビエの姫

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〇原っぱ
猟師「ヤーーーーー!ホーーーーーッ!」
猟師「ホーーーーーッ!ホーーーーッ!」
綿貫「囲い込め!」
鎌井「いいぞ!柵の中に追い込め!」
宍倉「よし。全部柵の中に入ったな」
姫子「何十匹いるんだろ・・・」
宍倉「黙れ」
姫子「・・・」
宍倉「構えろ」
鎌井「これで俺たちも立派な外道だ」
隈川「・・・かもな」
「古いな~そういうの」
鎌井「ああ?」
辻村「無駄な殺生云々ですか?」
隈川「ああ。今回は全部廃棄される猟だ」
隈川「気は進まんよ」
辻村「動物は食べる分しか殺さない。道楽で命を奪うのは人間だけってか?」
辻村「狩りを楽しむ動物だっているんですけど」
辻村「事実ですよ事実」
鎌井「ケッ・・・」
辻村「エンジョーイ♪」
宍倉「撃てーーーーーーーッ!」
姫子「・・・」
「ヒャッハーーーーーーー♪」
辻村「う~ん。最高」
辻村「ヘッドショットばかりだとつまんねえからちょっと細い所狙ってみるか?」
辻村「なに?お嬢ちゃん」
辻村「いってえなこのガキ!」
辻村「正義感ズラすんなら鉄砲なんざ捨てろ!」
姫子「そんなんじゃない」
辻村「ああ?」
姫子「気持ち悪んだよ。お前」
辻村「・・・え?」
姫子「キショいから笑うなつってんの」
姫子「・・・」
姫子「私も同じだ」
姫子「勝手に山から引きずり出して」
姫子「勝手に殺して」
姫子「勝手に泣いてる」
姫子「マジ気持ち悪い」
隈川「姫子・・・」
宍倉「・・・」
姫子「あの子、まだ若いね」
姫子「よかったね。食用にできるよ」
姫子「早く殺せば?」
辻村「嫌な言い方するなよ」
姫子「事実じゃん。あんたの好きな」
辻村「・・・フン」
姫子「・・・」
宍倉「姫子・・・」
姫子「気持ち悪いよ。みんな」
  『それから大神姫子は猟友会を抜けたった一人で狩りをするようになった」

〇学校の廊下
宍倉「俺達は・・・人間は弱い。だから群れ成して山と向き合うんだ」
宍倉「たとえ情けなくても、汚くても、醜くても」
宍倉「気持ち悪くても」
宍倉「たった一人で罪と向き合っちゃいかん」
宍倉「まして女子供の手を血で汚すなどあってはならん。その為の弓引町猟友会だ」
綾「私・・・」
綾「どうして姫子さんが皆さんを嫌ってるか、やっと分かりました」
宍倉「・・・」
宍倉「そうかね」
綾「・・・」
宍倉「なあ、綾ちゃん」
宍倉「強く、美しく、自分らしく。それがそんなに大事なことかね?」
綾「・・・」

〇ライブハウスのステージ
  『戦って・・・戦って・・・』
  『暴れて・・・暴れて・・・』
  『獣のように純粋で、誰にも従わず、あるがままに生きて』

〇学校の廊下
宍倉「それがそんなに美しいかね?」
宍倉「そんな生き方が本当に幸せかね?」
綾「・・・」
宍倉「君には似合わんと思うよ」
綾「戦って・・・戦って・・・」
綾「・・・」
  Tobe・・・

次のエピソード:ザ・ビッグゲーム!

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