叫んじゃうほど愛おしい

無知の無知

エピソード24 「ついに決着っ!!」(脚本)

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〇更衣室
東条 風(とうじょう ふう)「ふぅ・・・、ふぅ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風、大丈夫?」
東条 風(とうじょう ふう)「き、緊張してきたぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「大丈夫だって、いつも通りの風を出せば大丈夫だから!」
東条 風(とうじょう ふう)「き、緊張してきたぁぁぁああああ!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「・・・いや、いつも通りかも」
夏海 涼花(なつみ すずか)「うーっす。風、調子はどう?」
東条 風(とうじょう ふう)「涼花先輩っ! ガチガチして、緊張ですっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「逆、逆」
夏海 涼花(なつみ すずか)「やっぱり。でもまぁ、悪いけど・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「に、二度とテニスが出来ないぐらいコテンパンにしてひゃる!」
東条 風(とうじょう ふう)「そ、そんなっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、先輩、噛んだ」

〇更衣室
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「あら、風ちゃん。その様子だと、やけに緊張しているようね」
東条 風(とうじょう ふう)「はい、ガチガチの緊張なんで、略してガチ緊張ですっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「え、なんで省略?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「ガチガチで緊張、ガチの緊張、2つの意味でガチ緊張ってことね・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「なかなか余裕あるじゃない! 見直したわ!」
東条 風(とうじょう ふう)「は、はいっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「いやー、偶然じゃないかなぁ・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「でもね、言っておくけど、そんな調子じゃ涼花には勝てないわよ」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「涼花は、風ちゃんが100%の力を出しても届かない所にいるんだから」
夏海 涼花(なつみ すずか)「そ、そうだそうだ~・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃ、じゃあ1000%の力を出せば、届きますか!?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「え、せ、1000?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「と、届かないわよ! あなたが1000出したところで涼花も1000出すだけだから!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「う、うちは一万だぞ~・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、覚醒すればいけますかっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「もはやバトル漫画じゃん・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「え、か、かく・・・?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「ま、まぁ、残念だけど、その時は涼花も覚醒するだけのこと!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「う、うちの覚醒は、3段階だ~・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「ちょ、ちょっと待ってなさい!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「・・・涼花、緊張してる?」
夏海 涼花(なつみ すずか)「ガチ緊張・・・」

〇白い校舎
  コーチ「はい、それじゃあ2人、入ってー!」
東条 風(とうじょう ふう)「うぅ、き、来たぁ・・・っ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「勝つ、絶対に勝つ・・・」
  コーチ「お互い、礼!」
東条 風(とうじょう ふう)「よろしくお願いしますっ!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「よろしくお願いします」
東条 風(とうじょう ふう)「大丈夫、絶対、大丈夫・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「それっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「はっ!!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「風ちゃん、出だしは順調そうね」
南沢 香(みなみさわ かおり)「そうですね。百合先輩と戦ってるのもあって、勝手が掴めてるんじゃないですかね?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「じゃあ、私のおかげってことね」
南沢 香(みなみさわ かおり)「そういう涼花先輩も、凄い集中力ですねよね。凄いなぁ・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「まぁ、涼花だからね。踏んでる場数が違うのよ」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「でも、涼花はスロースターター、ここからどんどん凄くなってくわよ」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風も、スロースターターですから。後半、どんどん強くなっていきますよ」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「それに、涼花は緊張すればするほど強くなるから、今日の涼花はいつもよりも断然、強いわよ」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風も、そうですよ。風も緊張するだけ強くなります」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「あと、涼花は根っからのテニス好きで、休日とかも自主練をするわ」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風も、休日はいつも練習してますよ」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「・・・・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「涼花は、昔からテニスをやってる!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風も、バトミントンやってたので!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「涼花は、夏の暑さにも耐えれる!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風も、夏が1番好きですよ !!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「涼花は・・・、常に冷静!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風は、風は・・・、うるさい、かも・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「よし、勝ったっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「入れぇっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、くそ・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「よしっ!」

〇白い校舎
東条 風(とうじょう ふう)「う、きっつ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)(まずい、どんどん点差が離れて、このゲームも先輩がリード・・・)
東条 風(とうじょう ふう)(ここで逆転しないと、負ける・・・!)
南沢 香(みなみさわ かおり)「風、大丈夫そう?」
東条 風(とうじょう ふう)「ちょっと、きついかも・・・。あともう1ゲーム取られたら終わりだし・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「やっぱり、涼花先輩は強いね・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「でも、大丈夫。 これ食べれば元気が出るから」
東条 風(とうじょう ふう)「え?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はい、これ園からの差し入れ! 1口ゼリー!」
東条 風(とうじょう ふう)「そ、園から!? この試合のために、わざわざ!?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あとこれ、手紙」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん、急いで読んでみる・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「じゃ、それ食べて手紙読んで、絶対に勝つんだよ!」
東条 風(とうじょう ふう)「わ、わかった!」
東条 風(とうじょう ふう)「て、手紙・・・」

〇白い校舎
西條 園(さいじょう その)「風、お疲れ様! 今は試合中かな?」
西條 園(さいじょう その)「対戦相手の先輩は強いって聞いたけど、風もすっっっごく強いから、大丈夫だよ!」
西條 園(さいじょう その)「それでね、風が全力を出せるように差し入れ作ってきたの。ぜひ、食べてねっ♡」
西條 園(さいじょう その)「試合、いつもの風みたいに楽しんでねっ!! ファイトッ!!」

〇白い校舎
東条 風(とうじょう ふう)「園・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「よし、勝つかっ!!」

〇白い校舎
東条 風(とうじょう ふう)「それっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「はっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「つ、つよ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「ふぅ、ふぅ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「せいやっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「よし、1ゲーム、取り返したぁっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「ふぅ・・・、ま、まずいね・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「風、やるじゃんっ! 調子、取り戻してきたじゃん!」
東条 風(とうじょう ふう)「ちょっと、負けられなくなっちゃったんでっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「・・・なるほど」
夏海 涼花(なつみ すずか)「やっばいな、折れそう・・・」
  涼花!!
夏海 涼花(なつみ すずか)「っ!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「なに負けそうになってんの、情けないっ!!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「自分にぐらいは勝てっ!! そんな情けない涼花、私、認めないからねっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「・・・・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「・・・やっぱり、百合には敵わないなぁ」
夏海 涼花(なつみ すずか)「ごめんね、風」
東条 風(とうじょう ふう)「なんですかっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「うちも、ちょっと負けられなくなっちゃってさ~。だから・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「絶対に勝つっ!! うちの全てを出し切って、絶対に風を倒すっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「望むところですよっ!! 私も、絶対に負けませんからっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「いくよっ、風っ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「かかってきてください、先輩っ!!」

〇白い校舎
  コーチ「試合、終わり!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「か、勝ったぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「ま、負けた・・・」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「涼花―っ! おめでとーっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「百合・・・。ありがと、応援してくれて」
夏海 涼花(なつみ すずか)「百合がいなかったら、多分負けてた・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「ありがと、本当に」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「えー、やめてよ。照れるじゃん」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風、どんまい。 かなり善戦したんじゃない?」
東条 風(とうじょう ふう)「まぁ、うん・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、勝ちたかったーっ!! 園が隣に居れば、もっとできた!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「それは、次の勝負まで取っておけば?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「次、園の目の前で勝って、かっこいい姿を見せればいいじゃん!」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・そうだね」
夏海 涼花(なつみ すずか)「風、対戦ありがと。めっちゃ楽しかったよ」
東条 風(とうじょう ふう)「はい、私も楽しかったです!!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「風ちゃん、さっきの差し入れ、恋人からのものかしら?」
東条 風(とうじょう ふう)「こ、恋人なんてっ!! 恋人っていうか、その、友達以上と、言いますか・・・///」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「ま、涼花も、恋人である私の応援のおかげで、勝ったんだけどね!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「人前で恋人とか言うなし」
夏海 涼花(なつみ すずか)「・・・事実だけど」
東条 風(とうじょう ふう)「そっか、恋人の応援・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「先輩、また色々と教えてください・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「うん、もち!」
東条 風(とうじょう ふう)「恋愛のこととかっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「あ、そっち!?」

〇教室
北原 そら(きたはら そら)「園。校内新聞で風のことが載ってたぞ」
西條 園(さいじょう その)「え、本当っ!? 見たい、見たいっ!!」
  決めては、愛の力!?
  昨日、テニス部の部内試合にて、一年生のルーキーこと東条風さんと、二年生のエースこと夏海涼花さんが対戦をした。
  両者一歩も譲らない戦いの中、風さんは恋人からの差し入れで、涼花さんは恋人の応援で最後のブーストをかけた。
  結果は、1-2で涼花さんの勝利。やはり決め手は、恋人の応援の差、だろうか。
西條 園(さいじょう その)「わ、私の差し入れ・・・」
西條 園(さいじょう その)「応援に負けたぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
西條 園(さいじょう その)「悔しいぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
西條 園(さいじょう その)「私も現地に行けば良かったぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
北原 そら(きたはら そら)「誰だ、こんな新聞を書いたのは」
  エピソード24
  「ついに決着っ!!」
  ~ 完 ~

次のエピソード:おまけ⑤ エピソード色々

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