愛する猫(脚本)
〇綺麗な港町
──港街とも言われるモイス。
〇西洋の市場
そこのお店ではお肉や魚介類の販売、料理が沢山あり他の国々のお客さんもよくやっていのるが・・・
「なによこれっ!」
と、怒号。
「シーッ」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・どうしてこんな格好しなきゃいけないのよ」
アイン・イヨ・リトナ「どうしてって、これも仕事ですよ、ねぇウカさん」
ウカ・デルマ・ネール「そうですよ」
シルビア・ヤン・オードリー「だからって、どうしてメイド服なんか・・・」
ウカ・デルマ・ネール「何でもやるって言ったじゃありませんか」
シルビア・ヤン・オードリー「そ、それはそうだけど〜・・・」
シルビア・ヤン・オードリー「恥ずかしい」
アイン・イヨ・リトナ「ウカさんが、ヴォルムに早く付くには漁船で行く方法しかないって」
シルビア・ヤン・オードリー「う〜ん」
アイン・イヨ・リトナ「それには燃料が必要で、だから私たちのために知り合いのお店で3日間働かせてくれるんじゃないですか」
シルビア・ヤン・オードリー「それは・・・そうだけど」
アイン・イヨ・リトナ「ウカさんが丸一日、海を渡れば着くって言ってましたから頑張りましょう」
シルビア・ヤン・オードリー(・・・どうして、リトナは平気なのよ)
アイン・イヨ・リトナ「それに、シルビアさんのメイド姿可愛いですよ、ね、ウカさん」
ウカ・デルマ・ネール「はい、とても似合ってますよ」
シルビア・ヤン・オードリー「バッ、バカッ!」
「シーッ」
シルビア・ヤン・オードリー「もう〜・・・」
シルビア・ヤン・オードリー(似合ってる、か、フフッ)
〇闘技場
ここは地下の闘技場。
スワン「いないっ、いないっ、いなーい、あのカプリースはどこへ行ったのだ!」
ウルフ「スワン!」
スワン「おお、見つかったかのウルフ」
ウルフ「もう時間だ、悪いがカプリースの事は二の次だ」
スワン「・・・そうか」
スワン「では行くとしよう」
ウルフ「ああ・・・行こう、我々獣人のためにもな」
〇海辺
ネコ「・・・ニャニャここは・・・海ニャ、どうしてこんなとこに?」
「ギャザァァァ」
ネコ「ニャニャッなんニャッ!」
シャークファイター「ギャザァァァッ!」
ネコ「殺る気ニャニャ」
シャークファイター「ギャザァァァアッ!」
カプリース「ニャァァァアッ!」
「ギャ・・・ザ・・・」
カプリース「ペロッ、オマエになんか殺られない、ニャ♡」
海を見渡して思いついたカプリースは、
カプリース「決めたニャ、魚を狩って沢山た~べよ、ニャ♡」
魚狩りを始めたのだった・・・。
〇西洋の市場
二日目。
アイン・イヨ・リトナ「ありがとうございました〜」
ウカ・デルマ・ネール「リトナさん、接客はしたことはあるんですか?」
アイン・イヨ・リトナ「いえ、初めてです」
ウカ・デルマ・ネール「接客初めてとは思えないほどですよ」
アイン・イヨ・リトナ「ホントですか!?」
ウカ・デルマ・ネール「はい、上手です」
アイン・イヨ・リトナ「うれしいです〜」
アイン・イヨ・リトナ「・・・シルビアさん、は〜」
シルビア・ヤン・オードリー「いらっしゃいませ・・・」
お客さん「ひいっ」
シルビア・ヤン・オードリー「何にいたしますか」
シルビアの真顔を見てお客は去っていく。
ウカ・デルマ・ネール「はぁ〜」
「シルビアさ〜ん、お客様を恐がらせないで〜」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、笑った顔は可愛いんですがね」
アイン・イヨ・リトナ「ん?」
ネコ「ニャ」
アイン・イヨ・リトナ「あ、グレーキャット、ちゃん!?」
ネコ「ニャ!」
アイン・イヨ・リトナ「よん、でるの・・・」
ウカ・デルマ・ネール「シルビアさん、笑顔を忘れてますよ笑顔」
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ〜、ごめんなさい」
シルビア・ヤン・オードリー(だって、恥ずかしいんだもん)
ウカ・デルマ・ネール「あれ、シルビアさんリトナさんは知りませんか?」
シルビア・ヤン・オードリー「知らないけど、リトナいないの?」
ウカ・デルマ・ネール「はい、さっきまで居たんですが〜」
〇ヨーロッパの街並み
リトナはグレーキャットが気になって追いかけるもなかなか止まらない。
アイン・イヨ・リトナ「グレーキャットちゃん、どこまで行くんですか?」
「ニャ」
アイン・イヨ・リトナ「ニャッ、じゃないですよ〜、私は仕事が」
どこまで行くのかと思っていたら街角に止まるグレーキャット。
すると煙が突然と吹き出し驚くリトナの目の前に人の姿を見せたカプリース。
アイン・イヨ・リトナ「人っ!?」
カプリース「あはっ、リトニャ」
アイン・イヨ・リトナ「喋った、あなたは一体・・・」
カプリース「ニャアはカプリース、獣人ニャ」
アイン・イヨ・リトナ「獣人カプリース、ですか、あのときは魚をくれてありがとうございました」
カプリース「ニャン〜」
アイン・イヨ・リトナ「どうして、助けてくれたのですか?」
カプリース「他人とは思えニャくて、面白そうだったから」
アイン・イヨ・リトナ「面白そうって・・・」
カプリース「そんなことよりリトニャ、一緒に行こうニャ」
アイン・イヨ・リトナ「な、なんですか急に!」
カプリース「リトニャはカプリースとずっと自由気ままに・・・」
カプリース「愛し合うニャ」
アイン・イヨ・リトナ「あ、愛しっ、あいしっ!?」
生まれてからおじいちゃん以外に愛してるなど言われたこともないリトナは顔を赤らめる。
カプリース「カプリースはリトニャが面白くて可愛くて優しくてだ〜いすきになったニャ」
アイン・イヨ・リトナ「ええーっ!」
カプリース「さぁさぁ、一緒に自由な愛の旅に行こうニャン、リトニャ〜」
「リトナッ、どこーっ」
アイン・イヨ・リトナ「あ、シルビアさんここです!」
カプリース「リトニャ、明日またここに来て返事待ってるニャ」
リトナが振り向くとサッと消えていったカプリースだった。
シルビア・ヤン・オードリー「あ、いた・・・何してたのよリトナ、仕事なんかサボって」
アイン・イヨ・リトナ「実は・・・」
〇西洋風の部屋
そんなカプリースがリトナに会っていた頃。消えた二人に取り残されたイザークは自宅に戻って二日目の事。
フレイア・フェイン・アイン「──じゃあ、外の魔物には気をつけてね」
イザーク・フェイン・リッダ「すまないなフレイア、いつもお兄ちゃんのわがまま聞いてもらって」
フレイア・フェイン・アイン「そんなことないよ、あたしだって消えたっていうシルビアさんたちが心配だもん」
イザーク・フェイン・リッダ「じゃあフレイア、行ってくる」
フレイア・フェイン・アイン「いってらっしゃーい」
フレイア・フェイン・アイン「・・・イザーク兄(にぃ)」
フレイア・フェイン・アイン(待ってるからね・・・ずっと・・・)
〇山並み
イザーク・フェイン・リッダ(すまないフレイア、寂しい思いばかりさせて・・・)
イザーク・フェイン・リッダ(だがおそらくはこれが俺の『獣を宿すもの』の使命な気がするんだ。そしてそのために旅をしていれば二人にも出会うはず、必ずな)
イザーク・フェイン・リッダ(まずはあの街へ・・・)
〇海辺
夜の海を眺める一匹の猫、カプリース。
ネコ「ニャンニャンニャン、リ・ト・ニャ、やっぱりニャア達と同じだったニャ〜ン、明日が楽しみニャン」