第4話(脚本)
〇書斎
桜田林檎「龍彦・・・」
桜田林檎「小説家だったの!?」
富士宮龍彦「あぁ・・・」
富士宮龍彦「黙っていて申し訳ない」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「それじゃあ、エッセイ書こうよ!!」
桜田林檎「今まであたしに協力してきたこと ネタにしていいからさ!」
鬼頭剛志(編集)「こっちが先だろ!!」
桜田林檎「ちッ・・・」
鬼頭剛志(編集)「嬢ちゃんはコレでも読んで待ってな」
桜田林檎「これは・・・」
〇荒廃したショッピングモール
ダイキ(龍彦の小説のキャラ)「ここは危険だ!!」
ダイキ(龍彦の小説のキャラ)「君は先に逃げてくれ!!」
リサ(龍彦の小説のキャラ)「イヤよ」
リサ(龍彦の小説のキャラ)「あなたみたいな弱い人を 一人になんかしておけないわ!」
ダイキ(龍彦の小説のキャラ)「聞こえないのか!!」
ダイキ(龍彦の小説のキャラ)「先に行けって言ってるだろ!!」
リサ(龍彦の小説のキャラ)「ダイキ──!!」
〇古めかしい和室
桜田林檎「おもしろ・・・」
ウィステリア藤子は
あたしでも聞いたことがある有名な作家
処女作のラノベがヒットして
コミカライズもされたからだ
まさか、龍彦だとは
桜田林檎(そういえばこのシーン、 龍彦んちの神社がモデルだわ)
桜田林檎(どうして気づかなかったんだろ)
鬼頭剛志(編集)「まだいたのか!」
鬼頭剛志(編集)「嬢ちゃんはもう帰んな」
桜田林檎「いますよ」
桜田林檎「あたし、 龍彦の(ビジネス)パートナーだし?」
鬼頭剛志(編集)「おまえのせいで遅れてんだからな」
桜田林檎「は?」
鬼頭剛志(編集)「坊っちゃんは本来、 スケジュール管理は完璧なんだ」
鬼頭剛志(編集)「パートナーだかなんだか知らんが 面倒くせぇことに巻き込みやがって」
鬼頭剛志(編集)「責任取ってくれるんだろうな!?」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「あたしに言われても」
鬼頭剛志(編集)「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!! コイツには会社の命運がかかってんだからな!!」
桜田林檎「龍彦だけでもってる会社なんか どっちみち潰れますよ」
鬼頭剛志(編集)「あぁ!?」
桜田林檎「あなたが作家を大事にしないなら 早まっちゃうかもー」
鬼頭剛志(編集)「・・・」
桜田林檎「龍彦を大事にするってことはー」
桜田林檎「そう!!」
桜田林檎「龍彦の大事な人であるあたしのことも 大事にしなくちゃ!!」
鬼頭剛志(編集)「うるせぇんだよ!!」
鬼頭剛志(編集)「とにかく!!」
鬼頭剛志(編集)「お前、 何としてでも〆切に間に合わせろよ!!」
鬼頭剛志(編集)「いいな!!」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「面倒なことになった・・・」
桜田林檎「大学以外のことに 時間割きたくないのに・・・」
桜田林檎「そうだ!!」
〇書斎
桜田林檎「じゃーん!!」
桜田林檎「林檎ちゃんオススメの、 『ドラッグストアでも買える ロボット型マッサージ機』〜!!」
富士宮龍彦「・・・何しに来たんだ?」
桜田林檎「決まってるじゃん」
桜田林檎「お疲れの龍彦を癒やしてあげようと思って」
桜田林檎「わざわざ都内から 駆けつけてあげたのよ」
富士宮龍彦「静かにしててもらえると助かるんだが」
桜田林檎「大丈夫、大丈夫ー!」
桜田林檎「ほらほら目閉じて」
桜田林檎「気持ちいいでしょ」
桜田林檎「スイッチを入れると」
桜田林檎「AIロボくんが 凝った場所と疲労度を認識して 適切にマッサージしてくれるの」
富士宮龍彦「気持ちいい・・・」
桜田林檎「良かった!!」
桜田林檎「原作を書いた漫画、 マッサージのシーンがやたら出てくるから」
桜田林檎「喜んでくれると思ったんだよねー!!」
富士宮龍彦「・・・た」
桜田林檎「ん?」
富士宮龍彦「もっと下の方も揉んでくれ・・・」
桜田林檎「下?」
桜田林檎「いいけど」
富士宮龍彦「できれば手で」
富士宮龍彦「機械もいいが 指圧が欲しくなってきた」
桜田林檎「了解」
桜田林檎(龍彦がこんなこと頼むなんて よっぽど疲れてるんだ)
桜田林檎(いつものお礼も兼ねてしっかりやらないと!!)
〇ハート
桜田林檎「藤子ちゃん どうですかー?」
富士宮龍彦「いい・・・」
桜田林檎「良かった! 次は肩の方も揉むね!」
富士宮龍彦「気持ちいい・・・!!」
桜田林檎「なんかオーラ出てるけど」
富士宮龍彦「これは演出上の仕様だ」
〇書斎
鬼頭剛志(編集)「お前らいい加減にしろ!!」
桜田林檎「なによー」
桜田林檎「どうにかしろって言ったのは そっちじゃない」
富士宮龍彦「・・・」
鬼頭剛志(編集)「〆切!!」
鬼頭剛志(編集)「忘れてねぇだろうな!!」
富士宮龍彦「それはもちろん・・・」
鬼頭剛志(編集)「ちょっと来てもらう」
鬼頭剛志(編集)「身体に言い聞かせなきゃ 分かんねぇみたいだからな」
〇ビジネスホテル
桜田林檎「・・・龍彦は?」
鬼頭剛志(編集)「閉じ込めた!」
桜田林檎「閉じ込めた!?」
鬼頭剛志(編集)「心配することはない」
鬼頭剛志(編集)「いつまでも提出しねぇから ちょーっと喝を入れただけだ」
鬼頭剛志(編集)「それに、まぁ・・・」
鬼頭剛志(編集)「『ホテルに缶詰め』に させてみたかったんだよなー!!」
桜田林檎「・・・・・・」
〇書斎
桜田林檎「失礼しまーす・・・」
桜田林檎「あった! これだ!」
桜田林檎「龍彦が書いた原作小説!」
桜田林檎「これは・・・メモ?」
桜田林檎「うわっ 文字がギッシリ!!」
桜田林檎「すごいなぁ・・・ こんなに練り込んであるんだ」
桜田林檎(あたしはこんなに長く書けない)
桜田林檎(せめてアイディア出しくらいは 力になりたかったけど)
桜田林檎(余計なお世話だったかな・・・)
桜田林檎「もう一枚挟まってる」
桜田林檎「これは──」
桜田林檎「懐かしい!」
桜田林檎「確か、マンダラートって言うんだよね」
〇電車の中
富士宮龍彦「詰んだ?」
桜田林檎「そうなのー!!」
富士宮龍彦「何のレポートだっけ?」
桜田林檎「祭りー」
富士宮龍彦「意外だな」
富士宮龍彦「祭りとか好きそうなのに」
桜田林檎「────」
桜田林檎「汗臭いじゃん?」
桜田林檎「あたし、清廉潔白だから そういうの合わないのよね」
富士宮龍彦「そうか」
富士宮龍彦「使い方間違ってるけどな」
富士宮龍彦「そういうときはこれを使え」
富士宮龍彦「マンダラートと言うらしい」
富士宮龍彦「真ん中に 想像を膨らませたいキーワードを書いて」
富士宮龍彦「周りのマス目に そこから連想する言葉を書いていくシステムだな」
富士宮龍彦「この間授業で習ったんだ」
富士宮龍彦「発想が豊かになる魔法の紙だ!」
〇書斎
桜田林檎「・・・・・・」
桜田林檎(Fラン大だって言われてた)
桜田林檎(学費の無駄だって言われた)
桜田林檎(だけど・・・)
富士宮龍彦「『祭り』は、そうだな・・・」
富士宮龍彦「『伝統』『夏』『太鼓』『にぎわい』・・・」
富士宮龍彦「これらを使って新たな話を展開していくと まとめやすいと思う」
桜田林檎「学んだことは無駄じゃなかったよね、龍彦」
〇会議室のドア
桜田林檎「頑張って、龍彦!!」
桜田林檎「逃げちゃだめだよ!」
「逃げねぇよ」
桜田林檎「息抜きにさ、 あたしのアイディアなんかどう?」
「?」
桜田林檎「大学のとき、教えてくれたよね 発想の仕方」
桜田林檎「あたしの頭の中で良ければ いくらでも見せてあげる!」
桜田林檎「あっ!ネタバレもしないよ!」
桜田林檎「大好きな龍彦のためだから」
「!!」
桜田林檎「どんな無茶振りでもがんばっちゃう☆」
桜田林檎「ん?」
桜田林檎「龍彦ー? どうしたー?」
桜田林檎「龍彦ー」
桜田林檎「龍彦!」
〇ホテルの部屋
桜田林檎「へ、編集さんお元気で・・・」
鬼頭剛志(編集)「はッ・・・」
鬼頭剛志(編集)「威勢のいいこと言うけどなぁ」
鬼頭剛志(編集)「素人の書いたのなんて 何の役にも立たねぇよ!!」
桜田林檎「そ・・・れは・・・」
富士宮龍彦「いいじゃないですか」
富士宮龍彦「見せて?」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「おう」
富士宮龍彦「・・・俺・・・?」
富士宮龍彦「俺のことをこんなに 考えてくれてたのか・・・?」
富士宮龍彦「・・・ありがとう!」
〇会議室のドア
鬼頭剛志(編集)「・・・何を書いたんだ?」
桜田林檎「ひみつ」
早く完成させて、
またあたしの相棒役に戻って来ーい!
〇警察署のロビー
富士宮龍彦「できました」
鬼頭剛志(編集)「早いな・・・」
〇神社の本殿
龍彦を取り戻すことに夢中で
あたしはすっかり忘れていた
最大の高校生の集客が見込める
オープンキャンパスまでもうすぐ
『聖地化』するには、
時間がないってこと──
to be continued──
すみません、コメント書き直すためにスキップ閲覧してしまいました💦
マッサージシーンいいですね。
エフェクトがマッチしてます…
オーラ🤣
両片思いが溢れてますね。
もうすでにラブラブだぁ〜🥰
今回もとても面白かったです☺️
マッサージのシーンはいろいろと想像が膨らみますねw
そんな信頼し合える2人だからこそ、龍彦は今回の困難を乗りこられたのかもしれませんね😌
オープンキャンパスの日程まで時間がないのにどうなるのか次回が気になります☺️
マンダラート、やってみたいと思いますw
鬼頭さんのポジションが、本当にイイ感じで、乗り越えてくぞ! って気持ちに共感できるの!
続きも楽しみにしております"(∩>ω<∩)"