ミナツキ

但馬感象

二八月(脚本)

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〇けばけばしい部屋
  未夏の写真。
  お店の紹介のかな、
  化粧してないのかな
  ちょっと鼻の下が赤いとか、
  おでこ、髪の毛の際にできものあったり
  全体的にこんな感じだったっけっていう
  (伏せて顔こっち向けてアップ)
  あどけないスッピン。
  ちょっとふくよかで、こんなだっけ。
  実際会えばまた違うんだろうけど、
  そんな機会もないし
  写真見てもそんな心が動かない。
  魔法が解けたのかな
  それでいいと思う。

〇学校の部室
  未夏さんからファイル2冊渡されて、
  【痛メンと付き合う方法】
  マニュアル?
カンゾウ「メンって何?」
カンゾウ「え、メンってこれのこと?」
  って連呼して聞いて、
未夏「そうだよっ」
  って、返してくる。
カンゾウ「これ見たら痛メンと付き合える?」
未夏「うん」
  『痛メン』って、未夏自身のことだから
  (みなまで言わせないでって?)
  こっちの今までの態度とか誠意を
  汲んでくれて渡してくれたのかな
  このままうまくいけば
  未夏と付き合えるのかな
  ようやく・・・
カンゾウ(どれだけ待ち望んだか)
カンゾウ(キスしてハグして・・・)
  胸元にフリルのリボンついた制服。
  睫毛も含めて黒が目立つ。
  しかしファイル2冊
  (別タイプで、片方は黄色かな)と、
  元々の自分の冊子と、荷物多すぎだな。
  リュックだけじゃ無理、
  紙袋入れて持って帰る?
  すぐに使わないのは部室に置いて
  何日かに分けるか。
  これ見て私のことわかってね
  ってことだから受け入れてくれて・・・

〇川に架かる橋の下
  ──ケンカして、
  それぞれ仲介者に手を引っ張られて
  諭されながら引き合わされて、
  川沿い、電車の鉄橋下潜って
  向こうから来るのは妹か。
  小学生くらい、
  少しポッチャリして頬赤くて
  兄の方は眼鏡かけて、
  細身で髪がペタッとしてる。
妹「男の方がいいなんて言ってんじゃねーよっ」
兄「女の方がいいなんて言ってんじゃねーよっ」
  て、お互い言い合って、
  逆らいながらも付き添いに促されて、
  手を伸ばし握手する。
  和解なのかな。
  恋人、彼氏彼女の
  もつれと思ったら違うんだね。

〇学校の部室
  メンヘラ
  って、
  今さらどうしろってんだ、何夢?
  自分の荷物は紙束いっぱい
  (半分に丸めて何束か紙袋に入ってる)
  それと、無地のファイル。
  ファイルはトレーニング系なら
  すぐ必要じゃないから置いてくか。
カンゾウ(今さら、会うこともできないのに)
カンゾウ(これ見てどうしろってんだ)

〇廃墟の廊下
  みづき含めて何人かが
  爆発に巻き込まれて、
  外傷はないから大したことないのか
  って他の人は思ったりしたけど、
  みづきはいち早く気づいて、
  浴びてはいけない
  放射線のようなものを被って、
  すぐに処置するためにもそこから
  離れて脱出しなくちゃいけない

〇明るい廊下
  そのみづきに付き添って
  (二人で移動しながら)
  建物内、病院ぽいところ、
  人気のない廊下を率先して早足で進み
カンゾウ(最悪俺が面倒みるから)
  って言おうとして、
カンゾウ(最悪じゃ言い方悪いかな)
  と思いつつも、みづきに言うと
信濃みづき「最悪じゃない」
信濃みづき「最高」
  って言われて、そうだよね
カンゾウ(それ最高ってとってくれるんなら)
カンゾウ(俺が一生面倒みるよ)
  みづきの気持ちはうれしいけど、
  まずできるなら処置をしなくちゃな。
  手がミックスベジタブルの
  玉子焼きみたいになるような
  よくないイメージ・・・
カンゾウ(みづきを守りたい)
  (浴びたのは地下か1階
  ちょっと暗いところ、
  そこから階上って連絡通路通って
  別棟に行こうかってところ)

〇古書店
  本屋。
  カウンター上に斜めがけで
  幕が下がってて、占いの館っぽい。
カンゾウ「・・・ミルティいるの?」
  と、そのカウンター向こうに
  ミルティが現れて
  (おずおずと申し訳なさそうに)
カンゾウ「それじゃあ・・・」
  足元の本の平積みの中にあった、
  ミルティの問題の
  記載されてる雑誌を取って、
  最初に持ってた本と重ねて
  (それもミルティ本)
  あわせてミルティに差し出して、
カンゾウ「これをお願いします」
  それを見て
  ミルティも堪らず泣いてしまう。
  やっとというか、会えて、
  問題も含めて
  直接言わなきゃ駄目だよ
  って──
  うん、その機会を今にして言うよ。
カンゾウ「ミルティ、結婚しよう」
  未夏なのか何なのか、
  どっちでもないのか知らないけど
  夢の国だけじゃなく現実に、
  ただ一緒にいたいだけなんだ。
  みんなが「言うように」って言うし、
  俺の意思でもある。
  直接会って、本を差し出したことで
  俺が許した、受け入れたようになって
  ミルティも感極まって

〇月夜
  二つの月が重なるとき
  二人は結ばれる
  すごろくでゴールするみたい。
  タイミングとか、俺はわかんない。
  助けて下さい、お願いします。

〇古書店
黒猫「とっても理解いいこという」
白猫「とっても理解いいこといってる」
  本を読むと言葉が重なる。

〇本棚のある部屋
カンゾウ(・・・恋愛の可能性?)
カンゾウ(いーねー)
カンゾウ(でも確定にして下さい)

〇商店街の飲食店
  未夏は友達いるんじゃん。
  ヘッドフォンつけて帰る顔が笑ってて、
  みんなに誕生日サプライズか何かで
  祝ってもらって帰りの姿
  店を出て、
  ちょっと坂になってるところで
  長めのカーディガンはおって。
  俺はそんな人達いないもんな本当に。

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