ミナツキ

但馬感象

二九月(脚本)

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〇ショーの水槽
  ディメンションランドでペンギンショー?
  ステージに並ぶペンギンの
  後姿が見えたので、
  設けられてる座席座って、
  ペンギンって結構大きいんだな
  と思いつつ見てると、
  女友達と連れ立って未夏が来て、
  前方右斜め前に座る。
  距離離れてて気づいてはないか。
  ──しばらくステージ見てるうちに
  ショーの進行スタッフが、
スタッフ「7番の方ー」
  って、お客さんを呼び出して、
  未夏がステージに登る。
スタッフ「特技を見せてください」
未夏「じゃあ踊ります」
  ってなって、
  そんなの寒くない?と思うと
  コマ送りというか、
  パッパッと切り替わるポーズ
  キレッキレなのか
  変に残像が残るような、
  見てる人も、おおっ、
  てなって、反応よく終わる。
  腕なんて細くて痩せたんだな。
  白基調のゆったりした服、
  化粧はちょっと濃いかな。
  一瞬こっち向いて、目合った?
  と思ったけど、
  反応ないからわかってはないか。
  偶然だけど会ったら
  ストーカーって思われるからな。
  ──そこから少し経って、
スタッフ「6番の方ーっ」
スタッフ「6番の方いませんかー」
  見ると自分の靴、白スニーカーに、
  『6番』ってついてる。
  でもステージ上がったら
  モロバレするから名乗り出れない。
  見つからないように伏せてると、
スタッフ「いませんかー」
スタッフ「じゃあ代わりに・・・」
  ってなって、その間にその場離れるか。

〇遊園地の広場
  ディメンションランドに朝一で来て、
  人ガラガラで気持ちいい。
  所々に設置されてる、消防の放水用の
  差し込み口のようなものがあって、
  鉄蓋開けてスコップを差し込むと
  ジュースが出て飲めるようになってる。
  それを飲んでは
  次のところ行って転々として、
  子供の頃に来て以来かー
  思い出もあるんだよなぁ多分、なんて
  本当に他意なく
  いただけなのに何なんだ。

〇アパートのダイニング
  やりたいこと全部できた
  未夏さんと、これで最後で
  ──朝未明、
  出勤準備か着替えるところ
  未夏さんもそうで、
  未夏さんのお父さん?
  割と細身で長身、
  眼鏡かけて、厳格そうな方。
  挨拶も会釈したかくらいだけど、
  いいか、また会うわけでもなし
  二人とも露わな格好で、
  誤解も何もないけどさ
  やりたいことって何だ
  会えた
  未夏さんも出勤なのかな。
  着替えるときのYシャツと、
  下を履こうとするときに
  のぞく太いお尻腿、
  行為はしたんだっけ、
  時間は使って・・・
  ──何か盛り上がって、
未夏の父親「また来てくれることを願っているよ」
  そう言われたって
  もう来ることもないと思うけど。
  モンゴルの家の父さん
  未夏さんと別れの挨拶もなく
  (それぞれ出て行く)

〇空
  楽しかった思い出も
  みなみの空へ
  煙になって消えた

〇裁きの門
未夏「なるべくはやい方法で」
未夏「許して」
閻魔大王「許すよ」
未夏「ほんと?」
閻魔大王「もちろん」
閻魔大王「償いなんていらない」
閻魔大王「救えなくてごめん」
閻魔大王「でも本当に好きだった」
閻魔大王「力になりたかった」
閻魔大王「愛してた」
閻魔大王「支えたかった」
閻魔大王「しょぼんじゃなくて」
閻魔大王「笑顔の顔文字になってほしかった」
閻魔大王「誰が何と言おうと許すよ」
閻魔大王「嘘じゃない」
閻魔大王「生まれてくれて」
閻魔大王「会えて」
閻魔大王「ひとときを過ごしてくれてありがとう」
閻魔大王「手汗も黒子も感触も」
閻魔大王「ありがとうありがとうありがとう」

〇撮影スタジオ
  そうそうこの柔らかさ
  ソフトに湿ってて、
  上から見下ろして露になってる
  胸の上部のボリュームのない形
  見覚えのある
女性(え、え、え?)
  って反応(何もする前から振り向いて)
  ほとんど裸でソファの上に蹲ってる女性
  (グラビアアイドル?)
  こっち向くときにはもう
  受け入れてくれてキス。
  白の下着、黒髪のショートカット。
  枕に夢書いても後で見れない
  (青緑に緑で書いたら見れない)

〇魔界
ツワモノ「成し遂げられます」
閻魔大王「何を?」
  一化に一死をあてれば消せるって?
  化けてる化け物なのが良くなくて?
閻魔大王「せめて」
カンゾウ「苦行の北路じゃなく」
カンゾウ「南十字を安心していけるように」
カンゾウ「『なんか』できますように」
カンゾウ「指南装置にでも何でもなりますから」
カンゾウ「未夏さんを助けて下さい」

〇ゆるやかな坂道
信濃みづき「絶対いっこでやんないもんねー」
  って、みづきと話して──
  地下鉄から地上出るのに、
  途中で、
  みづきから手つないでくれて
  すぐ携帯見るのに離したけど
  またつないで
  (左隣がみづきで、携帯見るときは
  反対側背けて、連絡入ったのか)
  付き合うと写真を撮ってさ
  寝て並んでるところを撮って
  どっちが撮るのか、
信濃みづき「送ってー」
  って、今ならスマホですぐに共有
  一緒にしたりして
  別れたときガビーンなんて考えないで
  で、階段上りつつ、ウォーキングの話で
  隣の駅まで歩くとか
カンゾウ「絶対ただトレーニングってしないよねーっ」
信濃みづき「そうそうっ!ほんと何かと兼ねるよね」
カンゾウ「1つだけってしないね」
信濃みづき「どんだけトレーニング嫌いなんだよってw」
  何て話して、
  夜、少し生暖かくて風が吹いて、
  緩やかなカーブの道を早歩きで、
  みづきと歩く。
  話も盛り上がって、
  こんな幸せなことないな
  ありがとう、夢。

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