📖秘密の読書会📖

ぽむ

エピソード3 秘密の読書会開催(脚本)

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〇おしゃれな居間
本屋の主人「こんにちは!」
本屋の主人「読書会へようこそ〜!」
椿「は、はは・・・はい」
  初めての読書会。
  人と本の話をするなんて。
  なんか、ドキドキする。
  好きな本の話を、というのだけれど、
  趣味を晒すということは
  心の内を話すようで、
  なんだか恥ずかしい。
椿(ましてや、男のヒト。 面識がなさすぎて クラクラする)
椿(さらにヒトが、沢山来るようなのは 凄くすごく緊張する・・・)
椿(緊張しすぎて、 笑うしか・・・)
椿「はは、ははは・・・」

〇部屋の扉
  コンコン
  
  「こんにちは」
本屋の主人「どうぞ、お入りください」
  ばばーん。
  
  部屋にゾロゾロと、人が入ってきた。
椿(わ、わわっ)
マダム・ブッカー「本日は、お招きありがとうございます」
ロード・グランデューク「また、いつもの常連メンバーですね。 こういう会を開催するのを待っていましたよ」
小説家ショウヘイ「ええ、本当に楽しみにしていました。 ありがとうございます」

〇おしゃれな居間
椿「は・・・はは・・・ はじめまして・・・」
椿「わわ、ワタシは、 椿と申します・・・」
マダム・ブッカー「オホホホ そんなに硬くなさらないで。 取って食べたりしないわよ?」
執事「マダム本日も、お美しい」
マダム・ブッカー「フン、御世辞なんかいいのよ! ワタシは、面白い本を求めているの!」
本屋の主人「彼女は、かなりのお得意様でね」
椿「はぁ・・・」
マダム・ブッカー「貴方の叔父様にも、 よく本を紹介していただいたわ」
マダム・ブッカー「亡くなったんですってね。 ううう・・・」
執事「マダム・・・」
メイド「そんなにお悲しみになって・・・」
マダム・ブッカー「くすん。 ええ・・・ですからね。姪だという椿さんに ひと目合ってお話したいと思ったのよ、 ワタクシ」
マダム・ブッカー「とても素敵な方だったのよ・・・」

〇おしゃれな居間
椿「ありがとうございます。 椿というワタシの名前も叔父がつけたものなのです」
マダム・ブッカー「困ったことがあったら 言ってちょうだいね〜。 ワタクシが、力になりますからね」
椿「あ、ありがとうございます〜 大丈夫です・・・」
椿「ハハ・・・ (困ったなぁ)」
本屋の主人「では、会をすすめて参りましょう〜」

〇おしゃれな居間
本屋の主人「今回は、お題になる本を、主催の 椿さんが選んでくれたのですが・・・」
ヒデアキ「本日のお題は、 僕の初めての著書 「また波のさざめきが聞こえる」です」
椿「ワタシ、この本、大好きです。 最近出版された続編も読んでいます」
椿「まさか、 筆者様がすぐそばにいらっしゃるなんて、思いもしませんでした。」
ヒデアキ「いえ、こちらこそ、ありがとうございます。生の感想が聞けるなんて、作者冥利につきます。」
ヒデアキ「遠慮なく感想を言ってください。 厳しくても・・・」
ヒデアキ「まだ初めてで、物足りない部分もありましたから」
椿「いえ、そんな・・・」
本屋の主人「皆様はいかがでしょう?」

〇おしゃれな居間
ロード・グランデューク「スミマセン・・・ ワタシはまだ、その本を読んだことがないのです。」
本屋の主人「良いんですよ。お忙しい中、来ていただいただけでも、有難いのです。 それも承知の上でして。」
本屋の主人「従来の読書会ですと、 必ず「お題になった本を読んでくる」等の決まりがあるようですが、」
本屋の主人「ウチの読者会は厳しい縛りとかなく・・・ お題の本を「読んでなくても」参加できます」
本屋の主人「むしろ読んでない方が「読みたい!」と思われるプレゼン的なことが、ワタクシどもで、できたらOKというか」
ヒデアキ「今回は、私の本ですから その場で音読したり、解説を聞きながら読んでも構いませんし。 素直な感想が聞きたいです」
本屋の主人「ネタバレを避けたいような本は、言われるより先に読みたい気持ちになるかも、しれませんしね。そこは個人の判断に任せています」
本屋の主人「ウチは本屋なので、興味を持っていただき、購入に繫がれば、初見でも、むしろ歓迎と言えるのです」
椿「なんか・・・自由で、とてもいいですね」
ヒデアキ「様々な職業や忙しいのに来てくださる方もいますしね」
本屋の主人「ですから、年齢も歴も問わず、 気軽に会に参加して いただけるようにと。 誰でも本を好きになってほしいのです」
椿(本当に本が好きなのだわ)

〇おしゃれな居間
本屋の主人「では、本日のお題 「また波のさざめきが聞こえる」」
本屋の主人「あらすじは 「海の近くに住む漁師の息子である主人公の少年と、帰ってこない人の帰りを待つ少女の話で」
本屋の主人「毎日、海に来ては行方不明の父が 帰ってこないかと様子を見に来る彼女に、 彼が声をかけた時、二人の不思議な関係が始まる、」
本屋の主人「とある海のお話です」
椿「すごく繊細な表現が好きで、 彼のセリフの中で」
椿「「魚がなぜ流れに逆らって進むのかって? それは、住み慣れたところから流されてしまわないようにする為だよ」
椿「必ず故郷に戻ってきたいと思うためなのさ。」って。 諦めるな、って言葉を素直に言えない彼の 表現に胸を打たれました」
小説家ショウヘイ「そうですね、 僕は彼女がそれに答えるように 「暖かさに触れすぎると、魚はヤケドしてしまうんですって。」って」
小説家ショウヘイ「冷たい水にしか住めないのよ。と 大好きなのに、一定の距離を保とうとする 繊細な感じがたまらないですね」
椿「どこで、そういう言葉を思いつくのですか? とても不思議です」
ヒデアキ「恥ずかしいな・・・」
椿「素敵です〜」

〇おしゃれな居間
  そんな読書談義が深まって、
  時間は過ぎていくのでした・・・

〇おしゃれな居間
マダム・ブッカー「もうこんな時間。 きょうはとても楽しかったわ。 良い本にも巡り会えたし。 ありがとう」
マダム・ブッカー「こちらの本を10万部ちょうだいね。 じゃ、よろしく」
椿「ジュ、十万部!?」
ヒデアキ「ありがとうございます!」
本屋の主人「毎度あり〜」
ロード・グランデューク「私にも五万部いただこう! 翻訳しなくては」
ロード・グランデューク「頼むよショウヘイくん?」
小説家ショウヘイ「ハイ!」
マダム・ブッカー「オホホホ」
マダム・ブッカー「では、きょうは失礼するわ。 またね」
椿「は、ははははは・・・」
椿(どうなってんの!?)

〇古書店
本屋の主人「お疲れ様でした!」
椿「・・・」
本屋の主人「彼らは世界的なブックバイヤーなのですよ。 ですからね」
本屋の主人「とても目が肥えていますし、 常に新しい本を求めているのです。 お判りですか?」
ヒデアキ「そうですね。 椿さんの叔父様は、そういった方を相手に、 素晴らしい本を発掘し、作家さんも育ててきたのです」
椿「はぁ・・・」

〇黒
  つづく

次のエピソード:エピソード4 椿の気持ち

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