魔報士の戦場

ぽんたろう

第10話『実力』(脚本)

魔報士の戦場

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〇原っぱ
ビルデ「いやぁ、エイリと仕事するなんて いつ以来だろ?」
エイリ「さあね、2年ぐらい?」
エイリ(気安く呼び捨てにするなっていうの)
エイリ(キショ)
ビルデ「俺とエイリが一緒に動画に出れば また視聴率が爆上げだ」
エイリ「そうね」
リユ(あんなエイリちゃんの顔見たことない)
ビルデ「俺がエイリを護衛している時に A級モンスターと遭遇し 討伐するというシチュエーションだ」
エイリ「はいはい」
エイリ(何も考えてねえな)
ビルデ「そういう感じだから頼んだよ」

〇岩山
ビルデ「今日はA級モンスターの討伐」
ビルデ「このグレガラダスの敵ではない」
エイリ(ほとんど武器のおかげでしょうが)
エイリ(まあ、何も出来ないふりして 何もしなくていいのが救いかな)
ビルデ「ほう、来たか!」
ビルデ「エイリさんは危険だから下がっていてくれ」
「はいはい」
ビルデ「よし、うまく逃すことはできた!」
ビルデ「もう遠慮することはない!」
ビルデ「では、尋常に勝負!」
ビルデ(いつもなら、弱らせてから とどめをさすが仕方ない)

〇岩山
レセ「オーラみたいなのが凄いですね」
レイド「そうだね、さすがスターだよ」
レセ「俺たちは見てるだけですね」
レイド「仕方ない」
レイド「何かあった時は加勢しよう」
レセ「いくら、ビルデさんでも A級モンスターは一人だと きついんじゃないんですか?」
レセ「集団討伐級ですよ」
レイド「いや、あいつの持っている武器は 相当レアなものだ」
レイド「A級1体ならなら油断さえしなければ 1人でも何とかなるだろう」
レイド「ただS級になると さすがに無理だろうね」
レセ「大災害級軍隊派遣レベルのS級なんて この辺りではまずいませんけどね」
レセ「でも凄いな」
レセ「俺なんて1人でD級倒せるのがやっとなのに」
レセ「ちなみに、レイドさんは?」
レイド「Bぐらいなら何とかなる 集団で来られたらまずいけどね」
レセ「それでも凄いですよ」
レイド「ビルデと開いてしまったな実力の差が」

〇岩山
A級モンスター「グガガガ」
ビルデ「見切った!」
ビルデ「防いで見せたぞ」
A級モンスター「グガガガ!!!」
ビルデ「とどめだ!」
ビルデ「口ほどにもない!」
エイリ「さすが、ビルデね」
エイリ(台本とはいえ吐きそう)
ビルデ「当然だ!俺に勝てる敵なんていないさ」
エイリ「これからも頼りにしてるよ」
エイリ(これで最後 最後だから我慢)

〇戦地の陣営
ビルデ「おかげで、いい動画が撮れたよ」
ビルデ「中継でも評判良かったらしい」
エイリ「はいはい」
エイリ「ていうか、もういい?」
ビルデ「ああ」
ビルデ「協力感謝する」
エイリ「じゃあね」
ビルデ「ちっ、さっきの戦闘で怪我したか」
ビルデ「さすがA級だな」
ビルデ「いつもなら弱らせてるからな 少し手こずってしまった」
ビルデ「だが、これさえあれば 怪我なんてカバーできる」
ビルデ「ちょっと待て」
ビルデ「刀身にヒビが入ってる!?」
ビルデ「最近使い過ぎたからな」
ビルデ「これで使ったら壊れてしまうな」
ビルデ「だが修理出せば問題ないか」

〇原っぱ
エイリ「はぁぁ」
エイリ「茶番なんかに付き合ってさ 何やってんだか僕は」
エイリ「パパ、ママ」
リユ「エイリちゃん?」
エイリ「リユちゃん」

〇テントの中
エイリ「ごめんね、話に付き合ってもらって」
リユ「気にしないで」
リユ「でも、1人であんな寂しそうな顔をしてたから驚いちゃった」
エイリ「僕も寂しくなることがあるんだよ」
エイリ「本当はこんな姿誰にも見せたくなかった」
リユ「レセも呼ぶ?」
エイリ「あまり男の子には 今の自分を見て欲しくない」
エイリ「僕ね、パパとママに会いたいの」
エイリ「本当は元の世界に戻って パパとママと一緒に暮らして 友達と学校に行きたい」
リユ「エイリちゃん」
リユ「大陸一の歌姫って言われているけど やっぱり普通の女の子なんだね」
エイリ「うん」
エイリ「グレーシアに行けば 何かわかるかもしれないんだ」
リユ「そうなんだ」
エイリ「あの日、僕はパパとママと 一緒に大きな事故に巻き込まれたの」
エイリ「それで気付いた時に シュプネーにいた」
エイリ「それで、たまたま メリティスに保護されて 今に至ってる」
エイリ(レセ君が助けてくれたんだけどね)
リユ「幼い時に、異世界に来て 絶望しかないわよね」
エイリ「うん、でもね」
エイリ「生きて絶対にパパとママに会うって決めたら 不思議とね、希望が湧いたの」
エイリ「ここに来たのなら きっと元の世界に戻る手段があるってね」
リユ「なるほどね」
リユ「私も全力で力になる!」
リユ「今回でちょうど契約更新の話があるし エイリちゃんの旅に同行するよ」
エイリ「本当?嬉しい!」
エイリ「よろしくね」
リユ「うん」

〇溶岩池のある洞窟
魔女「暑っ!」
魔女「これぐらいは我慢だよ」
魔女「さて、S級モンスターでも 召喚してやるか」
魔女「ちょいとばっかし 対価が必要だけどそれは依頼者本人に 払ってもらおうか」
魔女「いでよ!」
魔女「来たか」
魔女「予想以上にヤバいやつが来たようだ」
S級モンスター「mv2ぬら@!」
魔女「契約だ」
魔女「エイリという娘を殺しな」
魔女「それに成功すれば、あんたは自由だ」
魔女「話が通じたようで良かった」
魔女「異世界の化物は本当に危険だ」

次のエピソード:第11話『それぞれの覚悟』

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