『渋谷』それは

遊bot

エピソード1(脚本)

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〇黒背景
  『渋谷』
  それはみんなが憧れる街

〇渋谷の雑踏
  まるでアイドルのように
  オシャレでカワイイ女の子
  大人の魅力あふれる
  かっこいい男性
  道行く人々は、個性的で自信にあふれ、なによりも魅力的だった。

〇渋谷の雑踏
  そんな憧れの街を目指して
  私は高校生活を必死に頑張った。
  もちろ、『渋谷』の街で可愛くなるために!

〇体育館の舞台
  3年間の高校生活を思い起こすと、楽しことも辛い事も沢山あった。
  なにより、卒業とともに友人達と離ればなれになるのが、本当に悲しかった。
  それでも、『渋谷』にいだく憧れは、消えることがなかった。

〇黒背景
  そして、その日がついにきた。

〇渋谷駅前
  とまらないワクワクを胸に秘め
  きがつけば、私は『渋谷』に降り立っていた。

〇SHIBUYA109
ゆめこ「わー、あのビル テレビで見たことある!」
ゆめこ「あ、あのお店! 雑誌にのっていた所だ〜」
ゆめこ「どこから行こうかな〜 迷っちゃうな〜」
ゆめこ「あれ?」
ゆめこ(わー、あの子カワイイー アイドルだったりするのかな?)
ゆめこ(あ!?)
  ふと、女の子と目があい
  恥しくてその場から駆け出してしまった。
かいい子(・・・・・・)
かいい子「あ、そっか!」
かいい子「ふふふふふ」

〇高架下
ゆめこ「はあ、はあ、はあ」
ゆめこ「思わず走っちゃったけど、」
ゆめこ「あの子もコッチみてたし」
ゆめこ「変に思ったよね・・・・・・」
みやした「あ”?」
ゆめこ「ご、ごめんなさい」
  うつむいて歩いていたら、今度は目の前の男性にぶつかってしまった。
みやした「あ”あ”あ”ん? おまえ・・・・・・」
みやした「見えてるな?」
ゆめこ「え?」
  目の前の男性が、不思議な事を言ったかと思うと
  その姿が変わっていく。
ゆめこ「え・・・ な、なに・・・・・・」
  人の2倍程の背丈になったソレは、口と思わしき箇所をグニャリと歪めて言った
みやした「見えてるだけじゃねな? 聞こえてもいるのか?」
みやした「久々にいいもん食えそうだ」
ゆめこ「あ、あ、あ、 だれか・・・・・・」
ゆめこ「だれか、 だれか助けて!!」
  逃げないと、でも怖くて足が動かない。
  その時
ハルコ「いたいた、こっちよ!」
ゆめこ「え?」
  さっきの女の子だ
  私の手を強く引っ張り、女の子がかけていく
みやした「おい、待て!!」

〇公園通り
ハルコ「ほら、走って走って」
  そう言って
  女の子は息を切らす事なく走り続けている
  一方で私はもう体力の限界にきていた
ゆめこ「ちょ、ちょっと待って」
ゆめこ「もう、むり。走れないよ」
ハルコ「うーん・・・・・・ もう少し離れて置きたいのだけど」
ハルコ「まぁ、もう大丈夫かな?」
ゆめこ「はぁ、はぁ、はぁ、」
ゆめこ「助けてくれてありがとう」
ハルコ「うーん、別に助けたわけじゃないのよ?」
ゆめこ「え?」
ハルコ「ただ、あなたがまだ気がついていないようだったから」
ゆめこ「気づいていない? なんのことで・・・・・・!?」
  不思議な事を言う女の子
  彼女にさらに聞こうとしたその時、
ハルコ「ふふふ やっぱり気がついてないのね?」
  そう言って
  彼女は腐臭漂うゾンビへと姿を変えた。
ゆめこ「ひっ!?」
  ソレの匂いを嗅いだ瞬間
  胃から酸っぱいものが込み上げてきた
  私はそれを無理やり飲み込み
  本能のままに逃げ出していた。
ハルコ「あ、もう〜〜 ちょっと待ちなさいよー」
  背中から彼女の声がする
  だけど私は止まることなく走り続けた。

〇渋谷駅前
ゆめこ「だ、だれか だれか助けてください」
ゆめこ「化け物が 化け物が!!!!」
  街には沢山の人がいる
  なのに、誰も私の声に反応してくれない
  それどころか、足を止めてくれる人さえいない。
ゆめこ「あ、あの!!!!」
玉川「うん? どうした??」
  やった、この人は私を見てくれた!!
ゆめこ「助けてください! 化け物が!!」
玉川「化け物? それって・・・・・・」
ゆめこ「え?」
ゆめこ「ひっ!?」
  サラリーマンが化け物になった
  そんな光景を受け止めきれず、体の力が抜けていくのを感じた。
  その拍子に、背中越しにいたソレとぶつかった。
道玄「ちょっとなに? あぶないわよ!!」
ゆめこ「あ、あ、あ、あ、あ、」
ゆめこ「きゃーーーーーーーーーー」

〇黒背景
  力の限り叫んだのを覚えている
  そして、気を失う瞬間に私は気がついた

〇渋谷駅前
  道行く沢山の人々のなか
  私の事をみているのは
  カレらだけだという事に
  それが意味するのは・・・・・・
ハルコ「あ、よかった! 気がついたのね」

〇黒背景
かいい子「あなたもコチラ側だって事に」

〇ハチ公前
ヒカリ「あ! あれが有名な忠猫七公だよ」
ちとせ「やっぱりカワイイ〜」
ヒカリ「『渋谷』といえばやっば七公だよねー」
ちとせ「さっそく ムービー撮ってアゲちゃおうヨ♪」

〇ハチ公前
「うーんと、こんな感じでいいかな?」
「じゃあ、撮るよー」

〇ハチ公前
「え!?」

〇ハチ公前
ちとせ「どうしたの?」
ヒカリ「あ、うん。 ごめん、なんでもない」
ちとせ「そう?」
ヒカリ「うん! じゃ、撮るねー」

〇渋谷ヒカリエ
ヒカリ「あのさ 七公の前で言えなかったんだけどさ」
ヒカリ「撮れちゃったかも「ユメコ」」
ちとせ「え? 「ユメコ」ってあの都市伝説の?」
ヒカリ「うん・・・・・・」
ちとせ「え── 消してよそんなの!!!」
ヒカリ「うーん、でも本当に撮れてたら人気でるじゃん?」
ちとせ「もー ホントに「ユメコ」が撮れてたら、人気どころじゃないヨ!!」
ちとせ「知ってるでしょ 「ユメコ」の都市伝説!!!!」
ヒカリ「うーん やっば危ないよねー」
ちとせ「もう 次に行こう、つぎ!」
ヒカリ「うん、そうだね」

〇黒背景
  『渋谷』
  それはみんなが憧れる街

〇渋谷の雑踏
  アイドルのようにカワイイ女の子が

〇渋谷の雑踏
  恐ろしいゾンビになっても

〇渋谷の雑踏
  大人の魅力あふれるカッコいい男性が

〇渋谷の雑踏
  身の毛の立つ化け物になっても

〇渋谷の雑踏
  みんな憧れるからやってくる
  彼女も同じ理由

〇黒背景
  「ユメコ」
  それは、
  『渋谷』に憧れた一人の少女
  自分が化け物になった事も忘れ
  『渋谷』の街をさまよい歩く。

〇渋谷の雑踏
  彼女を見た者もまた、
  アチラ側の住民になるのだと噂されている。

〇渋谷の雑踏

コメント

  • ゴクリ。。。。という展開な終盤が好きです。

  • ジャンルがホラーなので気になりましたが、可愛い女の子が化け物になったシーンでゾッとしました🥲
    助けてくれた子が化け物だったら、もう誰に助けを求めたらいいかわからなくなりますよね🤦‍♀️笑

  • 誰もが憧れる街は誰にとってもという所に確かに!!と納得しました。ユメコ自身も化け物になったことに気がついてないとは…憧れの街渋谷で叶えたかった夢がユメコにもあったのだろうなぁ

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