HEAT

春島傑郎

6 風灯(脚本)

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〇低層ビルの屋上
  5年ほど前──
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「そいつ信用できんの?」
多井 億斗(タイ オクト)「うん すごい人だよ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「まぁ決めたんならしゃあないな」
多井 億斗(タイ オクト)「ここは天馬がいれば大丈夫だよ」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「そやな お前なんかおらんでも上手いことやるわ」
多井 億斗(タイ オクト)「それじゃあね」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「・・・」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「おい! 億斗!」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「死ぬなよ・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「向こうじゃ危ないことはしないよ それに君と違って無茶はしない主義」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「半分シャレみたいなもんや」
多井 億斗(タイ オクト)「そうだ・・・」
多井 億斗(タイ オクト)「そのゴーグル・・・壊さないようにね」

〇黒
  天馬!億斗の話聞いたか?
  向こうで相当──
  ・・・
  なぁ億斗・・・
  あれから結構ガンバってな・・・
  自分でゴーグルのメンテ
  出来るようになったんやで・・・

〇黒

〇おしゃれなリビング
  《フラット》過激派の一翼である破龍会
  を撃破した梓真達
  次なるターゲットを選定していた・・・
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「コイツらは老獪な連中だ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「《フラット》が何者かに狙われてるのにも 気付いてるだろう」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「報道もされとったしなぁ 凶悪な異能犯罪の疑いありって」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「そうだ ここからはより慎重にな」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「わかった・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「じゃあ行ってくる」

〇日本庭園
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「いや〜趣あるなぁ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「また先に行くか?」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「今回は偵察やなくて 暴れちゃおっかな〜」

〇おしゃれなリビング
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(油断するなっつってんのに)
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(何か・・・嫌な予感がする)

〇黒
  天馬侵入から17分・・・
  ・・・
  なんだテメェ!!
  ・・・・・・
  ・・・・・・・・・
  老獪な過激派集団──
  撃破!!

〇おしゃれなリビング
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「お、お疲れさん」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「いや〜大活躍してもたわ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「須藤の情報は無かった」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「そうか じゃあ次はコイツらだ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「《フラット》の中で最も危険な連中だ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「これまでとは次元が違う よりいっそう注意──」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「よし行くか」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「っておい!話聞けよ!」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(大丈夫かアイツら?)
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(次こそは本当に・・・)
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(嫌な予感がする)

〇黒
  《フラット》最強チーム
  げ・・・撃破! !

〇おしゃれなリビング
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「う、うん」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「やるじゃない」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)(早く須藤探さねぇと 今度は俺がやられちまいそうだな)
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「タカトラ〜 マシュマロ食べていい?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「今日はもうダメ」
瀬古 ヒカル(セコ ヒカル)「・・・」

〇映画館の座席

〇川沿いの公園
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「梓真君もアニメとか見るんだね」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「姉ちゃんが好きだったからな〜 特に少年漫画は・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あの映画観たがってたからさ・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「そっか・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「死んだら感想教えられるようにね・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「付き合って貰ってごめんね」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「ううん・・・ 私も観たかったからいいの」

〇寮の部屋
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「・・・!?」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「梓真君から映画のお誘い・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「ぬぅ・・・ 知らない漫画の映画・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「しかも めっちゃ男の子って感じの漫画・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「かくなる上は・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「レオーーン!!」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ど、どうした?」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「レオンのアカウントで漫画買って! 私のだと高いから・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「これっ!」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「結構長いな・・・ 試しに1巻だけにするか?」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「全巻買うっ!」
戸塚・レオン・忠勝(トヅカ≈タダカツ)「ジーザス・・・」

〇川沿いの公園
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「実はレオンさんもハマっちゃったんだよね」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そうなんだ 意外だね」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「最近、楽しいんだ私」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「だから・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「梓真君は・・・死なないでね」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「死んだらって・・・ すぐって意味じゃないよ」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「そっか・・・そだよね なんか心配になっちゃって・・・」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「でも・・・ もし危ないときは」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「私の異能で守ってあげる」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「ありがと・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「でもいいよ そんなの憂華が危なそうだし」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「・・・ふふ」
鎮守 憂華(チンジュ ユウカ)「それ子供の時にも言われた気がする」

〇開けた交差点
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「今日も絶好調やったなぁ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そうだな」
隼瀬 天馬(ハヤセ テンマ)「じゃまた呼んで」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あぁまたな」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)(《フラット》はほぼ壊滅 だが須藤の情報は出てこないか)
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「どうした?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・わかった戻るよ 天馬もまだ見えるから一緒に──」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・!?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「わかった」

〇おしゃれなリビング
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「戻ってもらって悪かったな・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「何があった?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「須藤が見付かった」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・!!」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「どこだ?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「殺すか?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「当たり前だ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「それは無理だ・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・は?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「もう死んでる・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・!?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「お前が殺ったんじゃねぇのか?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そんな訳ないだろ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「確認するが・・・ 吉田は殺したんだよな?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「あぁ・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「どうやって?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「燃やした」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「須藤もそうだ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「吉田が殺された死体安置所でな!」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「有り得ない」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「警察の友人から仕入れた情報だ 間違いない」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「あの日、天馬もいたんだろ?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「いたけど・・・ 死体安置所では見てない」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「見てないって そういう異能だろアイツは・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「まぁいい これを見てくれ」

〇研究施設の玄関前
  お前の姉が殺される1ヶ月ほど前の
  監視カメラの映像だ
梓真の声「須藤・・・」
  エネルギー関連の研究施設だそうだが
  須藤は場違い極まる
  そしてこれが3日前
梓真の声「天馬・・・?」

〇おしゃれなリビング
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「これがお前にだけ戻ってもらった理由だよ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「本当に天馬なのか?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「顔は映ってないが・・・ 俺はそう見てる」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「おい! ハメられたんじゃねぇのか?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「大層な研究施設に場違いな2人が たまたま入っていくなんてことあんのかよ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「3日前なら天馬は俺達といたんじゃないか?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「これ・・・時間と場所は?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「20時52分 場所はセンター街の辺りだ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「いや、有り得ないぞ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「解散したあと2人で飯食ったんだ・・・ その時間には間に合わない」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「随分仲良くなってたんだな・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「一連の事件でお前が得をしているようには見えなかった」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「だが天馬は別だ・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「関西では《フラット》と似たような活動をしていたウワサもあった」
「・・・」
「・・・・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「ここらが潮時だな」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・!?」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「お前の姉を殺害した実行犯は全員オダブツ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「《フラット》もほぼ無力化した・・・ これでヒカルも安心だ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「共同戦線の解除条件は 満たしたってことか・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「まぁ天馬を信じたい気持ちは解るよ」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「最近は3人でやるのが なんていうか・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「ちょっと楽しくなってきてたからな」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
瀬古 高虎 (セコ タカトラ)「だがきな臭くなった以上、俺はここで抜ける 約束は守ったしな」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・わかったよ」

〇おしゃれなリビングダイニング
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)(最近、元気そうだったのに・・・ どうしたんだろ)
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「アイス食うか?」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「今日はいいかな」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「そうか・・・」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「・・・」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「そういえば 《ギフト》に新しい子入ったんだ」
甕速 梓真 (ミカハヤ アズマ)「そうなんだ」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「悩んでそうだったから 電話番号教えて24時間待機してたのに」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「全然掛かってこないのよ なんか寂しいからさ」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「俺から掛けたんだよ 割と毎日・・・」
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「そしたらさ・・・」

〇空きフロア
タケル「あっ! ヒデさん そんなに毎日電話しなくてもいいですよ?」

〇おしゃれなリビングダイニング
健御 公英(タケミ ヒロヒデ)「俺、迷惑だったのかなぁ? やっちゃったよ〜」

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コメント

  • 春島さんこんばんは〜
    お邪魔します〜
    てんま君がなんやかんや大活躍〜!のサムネ可愛くて最高でした🤣

    ゆうかちゃんのひたむきな所、とても可愛くて癒やされます

  • え…これ10話で完結できるんだ。姉が安置されている施設に変わってしまった旧友、恋愛模様。納めるには割と大変な気が。本音はもう少し続いて欲しい。
    そして公英ーーーー!やっぱり死にそうだ。死ぬのか!?そして梓真が暴れて終わるのか!?気になりすぎる!
    あのスーツの性能はなんでしょう。多分攻撃は武器みたいなものを使ってるとして…。異能対策はどの程度できているのか。次回も楽しみです。

  • 6話怒涛の展開でしたね。緩急があってとても見応えがありました。次回も楽しみすぎる!

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