泣き虫彼氏は無愛想彼女のために今日も泣く

無知の無知

エピソード10「やっぱり俺は好きなんだよっ!!」(脚本)

泣き虫彼氏は無愛想彼女のために今日も泣く

無知の無知

今すぐ読む

泣き虫彼氏は無愛想彼女のために今日も泣く
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇一人部屋
月見 時雨(つきみ しぐれ)「陽葵との家デートから、もう一週間が経つのか・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)(あの日から、陽葵と一切喋ってねぇな。LIMEもしてねぇし・・・)
月見 時雨(つきみ しぐれ)(・・・こんな、急に終わるもんなんだな)
月見 時雨(つきみ しぐれ)「あー、涙も出ねぇ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・結人から、LIME」
  結人『おい、お前、大丈夫か? 大学で会っても、全然喋らねぇし・・・』
  結人『っつか、一週間もLIME溜めんなよ。返信よこせ』
月見 時雨(つきみ しぐれ)「返信・・・?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「うわ、マジか。 一週間も返信してねぇじゃん・・・」
  時雨『マジでごめん。返信したつもりになってた・・・』
  結人『凹む気持ちはわかるけどよ・・・』
  結人『明日、お前ん家行くわ。とりあえず、何があったか話せ』
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結人、優しいなぁ・・・ こんな俺のために・・・」

〇一人部屋
月見 時雨(つきみ しぐれ)「開いてるー」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「なんでドア開いてんだよ、不用心だな」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「っつか、寝巻かよ。 せめて着替えろよ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「なんかもう、どーでも良くなっちゃって」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「ったく、人のLIMEも返信しねぇし・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「とりま酒、買ってきたから」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「で、何があったんだよ。 「やらかした」しか、聞いてねぇんだけど」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・陽葵にアレを誘われたのに、俺がひよって断っちゃったんだよ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「そういうことか・・・。 まぁ、やっちゃったなって感じだな」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「考えが、甘かったよ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・普段、陽葵は自分から誘うようなタイプじゃなかった。まして、お家デートなんて言ったら、とてもとても」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「それを、わざわざ自分から誘ったんだ。 よっぽど、勇気出してくれたんだろうな・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「部屋の中でも、陽葵はすっげぇアプローチしてくれて、頑張ってくれて、それなのに・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・それなのに、俺は嫌われるのが怖いなんて、下らない理由で・・・」

〇女性の部屋
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・すっごく、残念」
  時雨『陽葵のあんな悲しそうな顔、初めて見たよ。俺は、なんで期待に応えられなかったんだろうな・・・』

〇一人部屋
月見 時雨(つきみ しぐれ)「俺は、あいつの期待を裏切って、臆病風に吹かれて・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「俺にはもう、付き合う資格なんて無いんだろうな・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・なるほどなぁ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・お前にもあんだけ協力してもらったのに、本当にごめんな」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「いや、俺のことはいいよ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「まぁ、初めて付き合うのなんて、なかなかうまくいかないって聞くぞ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・まぁな」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「確かに、これだけ彼氏にアプローチして手を出してもらえないっつーのは、彼女にとって辛いかもしれない」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「まして、奥手な彼女さんだ。結構ショックだったかもしれねぇな」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・でもな、俺はお前の気持ちもわかる」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「お前が手を出さなかったのは、それだけ彼女を大切にしたいって想いの表れだろ?」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「最初はそんなこともあるだろ。それを責めるつもりはねぇよ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・結人」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・ただ、一つだけ言わせてくれ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「てめぇ、簡単に付き合う資格が無いとか言ってんじゃねぇよっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「っ!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「俺は、お前が彼女のために必死に頑張ってんのを見てんだよっ!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「そんなお前が付き合う資格が無い訳がねぇだろっ!! なんでここまで来て逃げてんだよ、マジで訳わかんねぇ!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「付き合うってのは、相性もある。どうしようも無いこともあるけどな・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「何もせずに簡単に別れたら、てめぇのことぶち殺すからなっ!!!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「ゆ、結人・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「もう一回、告白しよーぜ。 それで駄目だったら、そん時は徹夜で飲み明かそうぜ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結人・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結人ぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「いや、なんで泣いてんだよ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結人の想いに感動してさぁ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「そうだよな、俺はあいつの最高の彼氏になるって誓ったんだ!! こんな所で止まってるわけにはいかねぇよな!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「何を話せばいいんだぁぁぁぁ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「そんなの、彼女のことを好きになったきっかけとか、想いをぶちまければいいだろ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「この前、別れ話があるって勘違いした時に全部ぶちまけちまってさぁ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「お前、何してんだよ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「でも、それから時間が経ってるわけだろ? お前の気持ちだって変わってるだろ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「今の気持ちを全部ぶちまけろ、それだけだ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「そうか、そうかそうか、そうだよなっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「待ってろ、ひまりぃぃぃぃいいいい!!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「おい、お前! 服、服っ!!」

〇川に架かる橋
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・時雨から、呼ばれちゃった」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・この前のこと、かな」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「はぁ、はぁ、陽葵・・・ 急に呼び出して、ごめん・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・大丈夫」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・時雨」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・陽葵、少しだけ話してもいいか?」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・うん」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「っ!!!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「えっ、ギュって・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「マジで俺、お前のこと大好きだからっ!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・え?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「もう、なんて言えばいいかわかんねぇけど、とにかく好きなんだよっ!! 誰よりも好きなんだよっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「男らしく無い所もあるかもしれねぇ!!  この前のことで、俺のこと幻滅したかもしれねぇっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「でも、絶対に、絶対に陽葵の理想の彼氏になるからっ!! 絶対になるからっ!! 俺、陽葵の為なら無限に頑張れるんだよっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「だからっ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「っ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「だから、もう少しでいい! もう少しだけ、付き合ってくれ!! いや、くださいっ!!!! お願いしますっ!!!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・えっと」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・ごめんね、ちょっと考えさせて」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・そっか」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・そっか」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・もしもし、結人?」
  結人「お疲れ様、どうだった?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「駄目っぽいわ。だから、明日飲もうぜ」
  結人「・・・まぁ、今日はゆっくり休め」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「おう!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「あー、そっか」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・帰るか」
  エピソード10
  「やっぱり俺は好きなんだよっ!!」
  ~完~

次のエピソード:エピソード11「うぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ……」

コメント

  • 見ていて、時雨クンの気持ちも陽葵ちゃんの気持ちも理解できるが故に、読んでいて胸が……そんな中、結人くんよくぞ言ってくれたという気分です👍
    ええと、次回最終回ですよね……ストーリーがどう帰結するのかドキドキしてます🥲

ページTOPへ