ジビエの姫

山本律磨

ジェノサイド!(前編)(脚本)

ジビエの姫

山本律磨

今すぐ読む

ジビエの姫
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇事務所
梶「・・・」
梶「また有給?」
綾「はい」
梶「まあこの三年間働きづめだったから少しは大目にみるけどさ。いい加減・・・」
綾「よろしくお願いします」
梶「大神姫子の取材、もう打ち切れ!」
綾「・・・」
梶「誰も、お前もあれがハントしてる所、見た事ないだろ」
梶「一人で狩猟やってるって言うけど、本当はパートナーとかいるんじゃないか?」
梶「『大きな鉄砲』持ってる男とかさあ!」
綾「・・・誰の影響?」
梶「あ?」
綾「最低な冗談ね」
綾「・・・」

〇黒

〇事務所
梶「な、何だよ・・・」
綾「年明けに害獣駆除が行われます。その取材が終わるまではやらせて下さい」
梶「・・・好きにしろ」
梶「チッ・・・」
綾「・・・」

〇ハローワーク(看板無し)

〇学校の廊下
  本年度第一回有害鳥獣捕獲合同対策説明会
辻村「むむむ・・・」
綾「ううう・・・」
辻村「繁殖期は交配のために運動量が多くなる。だから肉が固く臭くなるんだよ」
綾「な、なるほど」
姫子「そこ、無駄口叩かない」
綾「す、すみません」
姫子「両足の裏でしっかり地面を踏んで下さい」
姫子「手は合掌でも腰でもバンザイでも構わないんで呼吸に集中して下さい」
姫子「っていうか感じて。地球(ガイア)と一体になって」
綾「ううう・・・」
辻村「むむむ・・・」

〇地球

〇学校の廊下
宍倉「・・・」
宍倉「何をやっとるんだお前ら」
姫子「ヴルグシャーナサよ」
綾「ガイアと一体になってます」
宍倉「日本語を喋れ」
綾「あ!明けましておめでとうございます!」
鎌井「元気そうだね。それヨガ?」
綾「は、はい。体幹を鍛えてます。どこででも出来る木のポーズなんですよ」
綿貫「ふ~~ん。ダイエットにも効きそうだな。カミさんにやらせみるか」
隈川「おい、行くぞ」
綾「お疲れ様でーす」
辻村「ふう、ガイアは中々受け入れてくれないな」
宍倉「辻村さん」
辻村「お久しぶりです宍倉さん」
宍倉「この度はご協力感謝します」
辻村「『虐殺』以来ですね」
宍倉「・・・」
宍倉「口のきき方には気をつけてくれ」
宍倉「幾ら町のために協力してくれてるとしても言っていい事と悪い事がある」
綾「虐殺って?」
辻村「聞いてないの?五年前の・・・」
宍倉「おい!」
姫子「ツッジー!」
「・・・」
姫子「お喋りな男は下品ですことよ」
辻村「はいはい・・・っと」
宍倉「姫子。参加するならとっとと中に入れ」
姫子「・・・」
綾「会長・・・」
宍倉「姫子はともかくあの男には関わるな」
宍倉「あれは猟師じゃない。ただのチンピラだ」
綾「それでも綺麗に仕留めます。動物も苦しませないし肉を無駄にもしない」
綾「姫子さんだって・・・」
宍倉「あの男は・・・あの時、笑ってたんだ」
綾「あの時って?」
宍倉「五年前の・・・あの日だ」
綾「・・・?」
  Tobe・・・

次のエピソード:ジェノサイド!(後編)

ページTOPへ