〇更衣室
東条　風（とうじょう　ふう）「スーッ、ハーッ・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「風、調子どう？」
東条　風（とうじょう　ふう）「まずまず、かな。とりあえず、集中・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「風、頑張ってね。風は一年生の中でも期待されているんだから」
東条　風（とうじょう　ふう）「いや、そんなことないってぇ・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「まぁ、私も吐きそうなぐらい緊張してるんだけどさぁ・・・」
　　?「１年生のくせに、調子乗ってるわね」
東条　風（とうじょう　ふう）「その声は、高ノ宮、百合先輩っ・・・!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「一年生だからって、簡単に勝てると思わないで欲しいわね」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「それに風ちゃん、最近デートしてるみたいじゃない？」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「そんなモチベーションで試合になんて勝てるのかしら？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「仰る通り・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「ちょっと、香!?」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「はっきり言って、そんな心構えじゃ、三年生はおろか、二年生の私達には勝てないわよ」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「二年生にはこの私・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「・・・の親友の涼花がいるんだからっ！ ね、涼花!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「うーっす。風、お手柔らかにー」
東条　風（とうじょう　ふう）「よ、よろしくお願いしますっ!!」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「百合先輩、自分のことでは無いんだ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「私さぁ、１対１はそんなに強くないんだよねぇ・・・」

〇更衣室
南沢　香（みなみさわ　かおり）「トーナメントの順番的に、涼花先輩と当たるの私なんだよなぁ・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「あ、香？　 いいじゃん、ちょっとテンション上がる」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「もう、涼花先輩、どういう意味ですか？」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「えー、香って可愛いしー」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「香なら精神的にボコボコに出来るかなって」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「先輩、容赦無さ過ぎません!?」
東条　風（とうじょう　ふう）「私は・・・、百合先輩と・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あら風ちゃん、私と勝負？ 私に挑むなんて良い度胸ね」
東条　風（とうじょう　ふう）「いや、トーナメント表を決めたの私じゃないですし！」
東条　風（とうじょう　ふう）「でも、ここで勝てば香と戦えるし、頑張らないと・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「香ちゃんは、涼花と勝負らしいわね」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「そう簡単にいくと思うかしら？ あなた達が涼花に勝てるわけないじゃない」
東条　風（とうじょう　ふう）「そんなことないです！ 香は、絶対に勝ちますから！ 余裕ですよ、負けませんっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あら、香ちゃん、随分調子に乗ってるわね。涼花の実力を知ってのことかしら？」
東条　風（とうじょう　ふう）「涼花先輩こそ、そんな大口叩いて油断してるんじゃないですか？」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「せいぜい、試合を楽しみにしてなさい。涼花が絶対的な差を突きつけてあげるわ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「楽しみにしてますよ、香が、けちょんけちょんにしてやりますから！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「何も喋ってないのに、勝手に話が・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「うちもずっと無言だったんだけど」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「うちらのことはいいから、自分たちはどうなのさ」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「ぬぇっ!?」
東条　風（とうじょう　ふう）「ぬぁっ!?」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あぁ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「えぇと・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「風ちゃん、強いからなぁ・・・。先輩として勝ちたいけど、勝てるかなぁ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「先輩と本気でトーナメント試合するのなんて初めてだし、不安ですっ!!」
　　涼花「２人は自分のことに集中しようか」

〇白い校舎
　　コーチ「はい、トーナメント始めるよー。最初の二人、入ってー」
東条　風（とうじょう　ふう）「うわ、最初、私か・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「風、頑張って！」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「はぁ、風ちゃんとかぁ・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「ほら、二年生の威厳、見せてき」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「風ちゃん、強いもん。 勝てる自信無いよぉ・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「百合が勝ったら泊まりに来ていいからさ」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「・・・っ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あ、あらそう！　な、なら涼花のために頑張って差し上げないこともなくてわよっ!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「語尾がすごいことになっちょる」

〇白い校舎
　　コーチ「はい、挨拶っ！」
東条　風（とうじょう　ふう）「よろしくお願いしますっ！」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「よろしくお願いしますわっ!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「香、風は本番強いタイプ？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、涼花先輩。風は、集中したら相当強いですよ」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「正直、私は風に勝てる気がしないです」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「へぇ、やるね！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「まぁ、その・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「ふぅ・・・、すぅ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「それっ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「あ、まず！　空振った！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「集中したら、の話ですけど」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「うわぁ、緊張してるねぇ」

〇白い校舎
南沢　香（みなみさわ　かおり）「涼花先輩、百合先輩は本番に強いんですか？」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「ううん、弱い。クソザコ」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、そうなんですか。 そこまで言わなくても・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「それっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あっ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「つ、躓いちゃった・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「百合、本当はもっと強いんだけどね・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「そ、そうですよね！　総当たり戦を勝ち上がってるぐらいですから！」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「まぁ、なんとかね。二年生は少ないから勝ち上がりやすいけど・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「はっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「うっ・・・!!」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「百合先輩、調子悪いですね・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「百合は、こんなもんだよ」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「で、でも、ここまで・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「もう、しょうがない・・・」
　　涼花「百合、頑張ったら添い寝してあげるけどっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「す、涼花っ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「はっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「そいねぇっ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「は、速っ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「是が非でも、勝つっ・・・!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「私がいないと駄目なんだから・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「百合先輩、これで勝ってきたんだっ！」

〇白い校舎
東条　風（とうじょう　ふう）「これで、終わりっ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「キャッ!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「うううぅぅぅぅ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「うわ、負けたぁ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「はぁ、勝てたぁ、緊張したぁ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「風ちゃん、なかなかやるじゃない。次からの試合、負けたら承知しないからね」
東条　風（とうじょう　ふう）「は、はい、頑張りますっ!!」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「風、お疲れ様」
東条　風（とうじょう　ふう）「良かったーっ!! 勝てたーっ!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「百合、どんまい」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「涼花ぁ、負けたぁ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「負けちゃったぁ・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「待ってて。私が仇を討ってくるから」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「涼花ぁ・・・!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「風ちゃん、聞いてたっ!?　涼花が私の敵を取ってくれるから、覚悟しておきなさいよっ！」
東条　風（とうじょう　ふう）「の、望む所です！ っていうか、香が勝ちますけど！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「え？　え、えぇ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「香、頑張ってきてね！」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「香、よろしく」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「は、はぃ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「香、どしたの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「き、緊張してきた、吐きそう・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「大丈夫だって！ 香なら勝てる、絶対っ!!」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「だ、だって、涼花先輩は二年生のエースだし、部内でも１、２を争う実力だし、勝てるかな・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「香、大丈夫」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「100試合連戦したらトータルでうちが勝つ自信あるけど、ここ１試合だったら何が起こるかわからないでしょ」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「は、はいっ！」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「お互い頑張ろ、香」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ありがとう、ございます！」
　　コーチ「はい、じゃあ次の二人、コート入ってー！」

〇白い校舎
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ふぅ、よし・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「頑張るぞー」
　　コーチ「礼っ！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「よろしくお願いしますっ！」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「よろしくお願いします」
東条　風（とうじょう　ふう）「涼花先輩、相手である香にアドバイスを送るなんて、優しいなぁ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「あら、風ちゃん、涼花のこと何もわかってないのね」
東条　風（とうじょう　ふう）「え？」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「涼花が優しくしたのは・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「じゃあ、それ～」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「えっ、見えなかったんだけど・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「まぁ、１ミリも勝たせるつもりないけどねー。どこまで持ち堪えられるか、楽しみだなー」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「希望を見せて絶望に落とすためなんだよね～、涼花はサドだから・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「涼花先輩、容赦無っ!!」

〇白い校舎
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ま、負けたぁ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「か、香、お疲れ。大丈夫・・・？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「で、でも、涼花先輩から何点か奪えたっ！　それだけでとりあえず、よしとするっ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「良かった。うん、そうだよ！ 次は１ゲーム奪うつもりで!!」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「涼花、お疲れさま。さすが涼花、余裕だったわね」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「そうでもないよ。一切油断出来なかったし、今年の１年生、強いわ」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「まぁ、私は心配してなかったけど？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「涼花先輩、今度また一戦やってもらってもいいですか！」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「おっけー。楽しみにしてる」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「それと、涼花先輩！ 風は私の比じゃないぐらい強いので、油断しないでくださいよ！」
東条　風（とうじょう　ふう）「えっ!?　あ、いやぁ・・・」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「もちろん、全力でいくからねー」
東条　風（とうじょう　ふう）「わ、私も、全力でやりますっ!! 勝ちますからっ!!」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「望むところだー」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「はぁ、油断できないなぁ・・・」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「涼花、もし涼花が勝ったら、私の家でお泊り会をしてあげてもいいわよ？」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「もう、お泊り会の約束無くなったからって」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「・・・いっぱい、甘えてもいい？」
高ノ宮　百合（たかのみや　ゆり）「もちろん///」
夏海　涼花（なつみ　すずか）「・・・頑張ろ」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「涼花先輩と百合先輩、風と園に負けず劣らずの関係っ!!」
東条　風（とうじょう　ふう）「そっちの方も、先輩ってことか・・・っ！」
　　エピソード22
　　「トーナメントスタートっ!!」
　　～　完　～

〇教室
北原　そら（きたはら　そら）「今日は香の代役、園を迎えて・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「振り返りをするぞっ!!」
西條　園（さいじょう　その）「なんもわかってないんだけど・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「ミュージック、スタートっ!!」

〇教室
西條　園（さいじょう　その）「さ、「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしますっ！」
西條　園（さいじょう　その）「今日は風と香ちゃんの試合ですっ!!」
北原　そら（きたはら　そら）「みたいだな」
西條　園（さいじょう　その）「風は、試合に勝ったみたい！」
北原　そら（きたはら　そら）「まずは１勝」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃんは、残念みたいで・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「相手が相手だ、仕方ない」
西條　園（さいじょう　その）「これは、風に敵を取ってもらわなきゃ！」
北原　そら（きたはら　そら）「頼んだぞ、風」
北原　そら（きたはら　そら）「しかし、相手は２年生のエースとか」
西條　園（さいじょう　その）「そこは任せて！」
西條　園（さいじょう　その）「私が最高の差し入れするからっ!!」
北原　そら（きたはら　そら）「応援の力ってやつか」
西條　園（さいじょう　その）「次回、「応援パワーっ!!」」
北原　そら（きたはら　そら）「乞うご期待」
西條　園（さいじょう　その）「・・・・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「・・・・・・」
西條　園（さいじょう　その）「そらと香ちゃん、いつもこれを・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「サボったことは無いぞ」