エピソード1(脚本)
〇警察署の入口
石川琢磨「またか・・・」
石川琢磨「山田公園で殺し合いに発展しそうな勢いの喧嘩。互いに武器を持っている」
石川琢磨「急いで現場に向かわなければ・・・」
〇川沿いの公園
一ノ瀬五郎「おらああ!!!!」
綾部浩紀「はああっ!!!!」
石川琢磨「おい!!やめろ!!」
一ノ瀬五郎「え?」
綾部浩紀「なんっすか?」
石川琢磨「喧嘩するんじゃない。やめないか」
一ノ瀬五郎「いや、これは演劇の殺陣の練習です」
綾部浩紀「そうっす」
石川琢磨「また殺陣か・・・」
〇警察署の入口
石川琢磨「最近、公園での喧嘩の通報があって向かうと演劇の殺陣の練習ばかりだ」
石川琢磨「私はこの事件を「連続殺陣事件」と名付けた」
石川琢磨「何かがおかしい。一体どうしてこんなにも急に演劇が流行り始めたんだ」
石川琢磨「正義感に燃える私は、一人の警察官としてこの奇妙な事件の全貌を解決させるために・・・」
〇大劇場の舞台
石川琢磨「休暇を利用し、演劇を鑑賞してみる事にした」
綾部浩紀「それがお前の望みなのか?」
一ノ瀬五郎「ああ」
綾部浩紀「ならば俺は、お前を斬らなければならない」
一ノ瀬五郎「やれるのか?お前に」
綾部浩紀「やってやるさ」
一ノ瀬五郎「来い」
石川琢磨(なかなか迫力があるな)
おばちゃん「あんた、そろそろ出番よ」
おっさん「おう、そうだな。そろそろ出番だな」
石川琢磨(ん?出番って?何の話だ?)
綾部浩紀「師匠から譲り受けたこの技で・・・」
一ノ瀬五郎「いくぞ」
一ノ瀬五郎「ぐはっ・・・」
綾部浩紀「やった・・・・やったよ・・・父さん・・・」
おばちゃん「きゃああああ!!一ノ瀬ちゃーん!!!」
おっさん「綾部―!!いいぞー!!男前ー!!」
石川琢磨(なるほど。出番ってのは、盛り上げ役ってことね)
〇渋谷のスクランブル交差点
石川琢磨「演劇は参加した人、皆が役者なんだな」
石川琢磨「役者がいて、盛り上げ役がいて・・・」
石川琢磨「ふふっ。なんてな」
石川琢磨「実は俺も警察官という役を頂いた役者なのだよ」
石川琢磨「人は誰しもが社会の中で、決まった役割を演じている。人生とは舞台の上なのだよ」