第4話 人間と吸血鬼(脚本)
〇ゆるやかな坂道
リエラ「はぁっ!!!」
虫の怪物「ギェッ・・・・・・」
リエラ「弱い怪物で助かりましたわ・・・・・・」
佐原裕貴「あ、あの、リエラさん・・・・・・」
リエラ「逃げるように言ったはずよ」
佐原裕貴「すみません・・・・・・それと」
佐原裕貴「ありがとうございます」
佐原裕貴「俺、酷いこと言っちゃってごめんなさい・・・・・・」
リエラ「別に、貴方は間違ったことを言っていませんわ」
リエラ「確かにわたくしは吸血鬼ですもの」
佐原裕貴「でも・・・・・・」
佐原裕貴「悪い吸血鬼じゃないんですよね・・・・・・?」
リエラ「何を持って悪とするのかしら?」
リエラ「人の血を吸えば悪?それとも人を殺せば悪かしら?」
リエラ「わたくし達吸血鬼は人の血を吸わなければ生きていけない」
リエラ「でも人間は、当然血を吸われたくない」
リエラ「そこには善悪なんか無くて、ただお互いに生きようとしてるだけよ」
佐原裕貴「じゃあ、リエラさんも人を殺したことが・・・・・・?」
リエラ「もし殺してたら?」
佐原裕貴「えっ・・・・・・・・・・・・」
佐原裕貴「そ、それは・・・・・・」
佐原裕貴「・・・・・・・・・・・・」
リエラ「こ、殺してないですわ!」
リエラ「だから・・・・・・そんな思い詰めた表情はやめてほしいですわ」
リエラ「見たくないもの・・・・・・」
佐原裕貴「・・・・・・良かった!」
佐原裕貴「安心したよ」
リエラ(可愛い笑顔ですわ・・・・・・)
リエラ(こんな笑顔を見せられたら・・・・・・)
リエラ(殺してないだけで血は吸ってるなんて・・・・・・言いづらいですわ)
リエラ(人間は・・・・・・血を吸われるのも嫌悪しますものね)
リエラ「わたくし、そろそろ帰りますわね」
佐原裕貴「ゆっくり休んでくださいね!」
〇男の子の一人部屋
佐原裕貴「・・・・・・・・・・・・」
佐原裕貴「・・・・・・ホントに吸血鬼だったんだ」
佐原裕貴「でも、俺を2回も守ってくれた」
佐原裕貴「悪い吸血鬼じゃ・・・・・・ないんだよな?」
佐原裕貴「・・・・・・考えても仕方ないか」
佐原裕貴「リエラさんは俺を守ってくれた、リエラさんを信じよう」
佐原裕貴「あの時のリエラさん、めっちゃ格好良かったしな」
佐原裕貴(吸血鬼だろうが何だろうが、凄い人には変わりないんだ)
佐原裕貴「また明日もあの辺にいるなら、会いに行ってみよう」
〇学校脇の道
リエラ(今日は人間世界で『どにち』って言うらしいですわ)
リエラ(多くの人間は仕事を休んで家で過ごしたり、遊びに行ったり・・・・・・)
リエラ(わたくしも、裕貴さんと遊びに行きたいですわ)
リエラ(どにちには会えないなんて、寂しいですわ・・・・・・)
リエラ「・・・・・・って!」
リエラ「わたくしはなんで人間に思いを馳せてるのよ!」
リエラ「さん付けまでして・・・・・・」
リエラ「あの男に会えなくても、どうでもいいですわ」
リエラ「・・・・・・何だか今日は、お腹空きませんわ」
リエラ「ん・・・・・・この匂い・・・・・・」
佐原裕貴「リエラさん!こんばんは!」
リエラ「・・・・・・どうしてここに?」
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仲直りできてよかったですし、夜だけのデートも面白いですね😆
羨ましいです👍
人間と吸血鬼でどんな風に付き合っていくのか? 展開が楽しみですね😀