Imperial Dawn 設定資料『研修プログラム』

石坂 莱季

3日目『軍務総省及びその他帝国の機関についての研修プログラム』(脚本)

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石坂 莱季

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〇黒

〇綺麗な会議室
マリア・ルータス「あ、おはようございます!」
マリア・ルータス「今日も早いですね!」
マリア・ルータス「本日も、私マリア・ルータスがあなたの研修プログラムを担当させていただきます!引き続きよろしくお願いしますね!」
マリア・ルータス「本日は、『軍務総省及びその他帝国の機関について』のプログラムとなります!」
マリア・ルータス「同じ軍務総省でも、様々な部署が存在しますし、それ以外にも、帝国には数々の機関が存在します」
マリア・ルータス「今日は少し長くなるかもしれませんが、何卒ご了承ください」
マリア・ルータス「それでは早速・・・──」
マリア・ルータス「え?」
???「突然すまない。マリア・ルータス准尉はいるか?」
マリア・ルータス「え、私・・・ですが。あなたは?」
アルマ・リコット「私は、帝国情報局のアルマ・リコットだ」
マリア・ルータス「え?E.I.Aのエージェントさんですか?一体私に、何の用でしょう?」
アルマ・リコット「用があるのはあなたではなく、そちらのシスタニア人だ」
アルマ・リコット「軍務総省とE.I.Aの人事システムに異常があり、こちらで研修プログラムを受ける予定のその人が、」
アルマ・リコット「軍務総省配属予定に書き換えられてしまった様だ」
マリア・ルータス「え?じゃあつまり、この方は軍務総省勤務ではなく、E.I.A・・・帝国情報局の勤務という事なんですか?」
アルマ・リコット「残念ながらその通りだ。ここまで研修プログラムを勧めてくれたマリアさんには申し訳ないが、」
アルマ・リコット「続きは我々E.I.Aで行う。話は以上だ」
アルマ・リコット「これからE.I.A本部へ向かう。ついてきて」
  ・・・

〇黒

〇大きい研究施設
アルマ・リコット「着いたぞ。ここが、E.I.A本部だ」
アルマ・リコット「ん?」
アルマ・リコット「そうだ。E.I.A本部は帝都アルトリア北区の国立自然公園の丘の上にある」
アルマ・リコット「確かに、同じアルトリアとはいえ都心部から少し離れているな」
アルマ・リコット「ん?まだ何か?」
アルマ・リコット「ああ。その通りだ」
アルマ・リコット「銀髪に赤い瞳はシスタニア人の特徴。私も君と同じ移民さ」
アルマ・リコット「では、こちらへ」

〇荒廃した国会議事堂の広間
アルマ・リコット「ここがE.I.A本部のエントランスだ」
アルマ・リコット「手違いがあり申し訳なかった。まず、軍務総省に登録された君のIDをこちらに再設定する」
アルマ・リコット「これで完了だ」
アルマ・リコット「2回目の研修プログラムまではこちらのプログラム内容と同じ様だな。よかった」
アルマ・リコット「では、引き続き3回目の研修プログラムを実施する。こちらへ」

〇小さい会議室
アルマ・リコット「早速研修プログラムを開始しよう」
アルマ・リコット「今日のプログラムは『軍務総省及びその他帝国の機関について』」
アルマ・リコット「まず大前提として、この国には、大きく分けて五つの階層の機関が存在する」

〇野営地
アルマ・リコット「まず一番下の階層である、第一階層。帝国軍や官公庁等が位置付けられる階層だ」
アルマ・リコット「軍部は、言わずもがなこの国の軍隊だ」
アルマ・リコット「陸・海・空に分かれており、軍務総省や帝国国防委員会の司令によって動く」
アルマ・リコット「帝都だけでも巨大な軍事基地が五つあり、帝国全土では約120ヶ所もの駐留基地が存在している」
アルマ・リコット「各軍とも独自に特殊部隊を持っているが、それはまた違うセクションで説明しよう」
アルマ・リコット「帝国は徴兵制だ。齢6歳から兵役が義務付けられている」
アルマ・リコット「6歳になる子供は軍学校初等部から高等部までの12年間、通常の教育とともに軍での経験が義務付けられているのだ」
アルマ・リコット「現在、帝国軍の総兵力は300万人にも及ぶ」

〇大企業のオフィスビル
アルマ・リコット「帝国の官公庁についても説明しておこう」
アルマ・リコット「官公庁とは、国を運営する為の法やライフライン等を整備する各省庁の連なりを言う」
アルマ・リコット「法務省、教育省、国土省、警察省、労働省、総務省と様々あり、その職員達は皆軍部と同じ第一階層に位置する訳だ」
アルマ・リコット「軍事的な関わりは無いにせよ、この国で暮らす人々の生活を支援する、なくてはならない政府機関だと言えるだろう」

〇タワーマンション
アルマ・リコット「次に第二階層。第二階層に位置するのは、アルタイル・マグファレス氏が委員長を務める、帝国国防委員会だ」
アルマ・リコット「委員会は軍務総省の下部組織であり、有事の際に国防計画を立てたり、軍施設や兵器開発、特殊部隊の設立など、」
アルマ・リコット「軍務総省からの委託を受け、軍部を管理する部署だ」
アルマ・リコット「軍務総省から与えられた国防費を何に使うかを決定出来る権限も持っている」
アルマ・リコット「国防費は主に、軍施設の改修や新築、また兵器開発や人材派遣・収集等に充てられている」
アルマ・リコット「もちろん、アルタイル委員長の独断で決められる訳ではない。最終的には軍務総省の承認が必要になる」

〇小さい会議室
アルマ・リコット「ここまではいいかな?」
アルマ・リコット「次は第三階層。我々E.I.Aや、軍務総省が属する階層だ」

〇高層ビルの出入口
アルマ・リコット「まず、君がこちらの手違いで最初に向かってしまった軍務総省について説明しよう」
アルマ・リコット「簡単に言えば、軍務総省は軍部の全権を担う省庁だ」
アルマ・リコット「国防委員会が『守り』専門なのに対し、軍務総省は『攻め』専門。と考えるとわかりやすいかな?」
アルマ・リコット「現在帝国は、大海を隔てた西大陸諸国と冷戦状態にあるのは君も知っているだろう?」
アルマ・リコット「軍務総省は現在、サキュラス陛下の言う全世界統一作戦『人類最後の聖戦(ラグナロク)』遂行のため、軍備の拡張に励んでいる」
アルマ・リコット「軍務総省は委員会を通じて軍を自由に動かせる他、独自の特殊部隊も有しており、その権力は強大だ」
アルマ・リコット「権力を私物化しない様に監視する取締機関、『内部監査室』と言う部署も中には存在している」
アルマ・リコット「とまぁ、軍務総省についてはこれぐらいでいいだろう」

〇小さい会議室
アルマ・リコット「次に軍務総省と並ぶ第三階層に位置する、我々E.I.Aについて君に教えよう」

〇大きい研究施設
アルマ・リコット「E.I.A・・・Empire Intelligence Agency 帝国情報局は、この国の諜報機関だ」
アルマ・リコット「軍務総省が光なら、E.I.Aはこの国の闇」
アルマ・リコット「現在エージェントは200名程であり、軍部とは何も関係のない人間だけで構成されている」
アルマ・リコット「主な業務内容としては、全世界の犯罪者、テロリスト、危険思想者の調査及びリスト化だ」

〇電脳空間
アルマ・リコット「『トラブルリスト』・・・。聞いたことはあるだろう?」
アルマ・リコット「E.I.Aが世界各国にエージェントを送り込んで、諜報活動の末に手に入れた犯罪者等のリストだ」
アルマ・リコット「トラブルリストは全世界にネットで公開されており、中にはその情報をもとに懸賞金を稼ぐ、」
アルマ・リコット「バウンティハンターの様な仕事を生業としている民間企業もいるぐらいだ」
アルマ・リコット「しかし、誰もが全ての情報を閲覧できる訳ではない」
アルマ・リコット「情報の重要度に応じて閲覧できるクリアランスレベルというものが設けられており、民間人ではレベルCまでの情報しか閲覧できない」
アルマ・リコット「我々E.I.Aのエージェントは無条件にレベルSまでの情報を閲覧することができる」

〇大きい研究施設
アルマ・リコット「トラブルリストは、何も犯罪者やテロリストを列挙してあるだけの物ではない」
アルマ・リコット「この国で起きる大規模なテロを未然に防いだり、または彼らを利用して作戦を展開したりと様々な使い道があるのだ」
アルマ・リコット「それ以外に、我々E.I.Aは世界中から集めた情報をもとに帝国に優位な作戦を提唱したり、時には暗殺や破壊工作などの」
アルマ・リコット「過激な任務を請け負う事もある」
アルマ・リコット「我々E.I.Aは、独自の指揮系統で動いているため、帝国の他機関との接点は殆どない」
アルマ・リコット「軍とは全く関係のない、この国の裏と言えるだろう」

〇小さい会議室
アルマ・リコット「さぁ。第三階層についてはわかってもらえたと思う。次は第四階層だ」
アルマ・リコット「第四階層は、軍務総省の中でも一部の人間しか知らない、この国の暗部だ」
アルマ・リコット「あのまま軍務総省の職員として研修プログラムを受けていたら知る由もなかっただろうな」
アルマ・リコット「だが、君はその一部の人間に選ばれた。誇りに思うがいい」

〇近未来の会議室
アルマ・リコット「第四階層・・・。そこに位置するのは、この国の全てを陰で操る、帝国政府最高機関『七貴人』」
アルマ・リコット「名前の通り、7人のフィクサー達だ。すなわち・・・」
アルマ・リコット「特殊部隊に配属される兵士を訓練する為の施設『Area51』の創設者にして、所長であるダグラス・アレクサンドラ氏」
アルマ・リコット「帝国官公庁の統括長官である、テレジア・ラグラード氏」
アルマ・リコット「ナノマシンの開発を行ったとされる、通称『技術局』局長のアレクシス・レイノルズ氏」
アルマ・リコット「帝国皇家と七貴人のホットラインとして知られる、皇族家臣『クレシェンティア家』当主ロベルト・クレシェンティア氏」
アルマ・リコット「七貴人副議長レイス・フリッツ氏」
アルマ・リコット「そして・・・」
アルマ・リコット「我らがE.I.Aの長官である、ユアン・バスクード氏と、」
アルマ・リコット「軍務総省長官兼、七貴人議長。皇家を除けばこの国のトップと言える、ハザウェイ・ラングフォード氏」
アルマ・リコット「以上の七名が七貴人の現在のメンバーだ」
アルマ・リコット「普通に生きているだけであれば、ここまでの情報を知ることは愚か、七貴人という存在すら知り得ないだろう」
アルマ・リコット「それこそが第四階層。この国を陰で操る7名のフィクサー達。と言う訳だ」

〇謁見の間
アルマ・リコット「最後の最上階層は、もうわかるな?」
アルマ・リコット「そう。全てにおいてその頂に君臨する、帝国皇族だ」
アルマ・リコット「七貴人の存在を知らない階層の者たちは、全て陛下が一人で政治の采配を行っていると思っているが、」
アルマ・リコット「陛下はなにぶんご多忙のため、そのバックアップとして七貴人と言う権力機関が存在するのだ」

〇小さい会議室
アルマ・リコット「以上が第一階層から最上階層までの帝国の機関の全貌だ」
アルマ・リコット「本日の研修プログラムはここまでとする」
アルマ・リコット「長い時間で疲れただろう?今日は帰ってゆっくり休め」
アルマ・リコット「朝は迎えを寄越す。明日の研修プログラムは、『ナノマシン技術について』だ」
アルマ・リコット「今の世の中を語る上で絶対に外せない重要な研修プログラムとなるだろう」
アルマ・リコット「では、引き続きよろしく頼む」

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