哀咲姫花のプレイリスト

三雲ユウリ

9話 シーカイ編:説得(脚本)

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〇綺麗な会議室
悲河瑠璃(ひかわ るり)「兄さんが先輩のお母さんを説得する口添え・・・なぜですか?」
鈴喜真琴(すずき まこと)「うちの家さ、勉強していい大学、いい会社に行きなさいって方針なんだよね」
鈴喜真琴(すずき まこと)「父親と同じ銀行員なら尚良しってさ」
鈴喜真琴(すずき まこと)「だから、安定しそうにない別の仕事目指すとか・・・」
鈴喜真琴(すずき まこと)「無駄になりそうな趣味に没頭するのは問題なわけ」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「それは・・・なんというか厳しいですね」
鈴喜真琴(すずき まこと)「あんたのとことは正反対だよねー」
鈴喜真琴(すずき まこと)「で、まあこんな感じだから私だけで母さんの説得は難しいんだけど」
鈴喜真琴(すずき まこと)「ベンチャー社長の悲河玻璃さん推薦ってことなら、なんとかなるかなって」
鈴喜真琴(すずき まこと)「まあ忙しい人だろうし、完全にこっちの事情だから申し訳ないけどさ」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「兄さんに手伝ってもらうこと自体は、頼んだら了承してくれそうですが」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「学生ITベンチャー社長ってそんな箔つくものですか?」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「安定志向とは正反対だと思いますけど」
鈴喜真琴(すずき まこと)「いやさ、テレビで子供プログラミング教室!とか紹介されてると」
鈴喜真琴(すずき まこと)「自主性とか論理思考が身についていいとかわりと好意的なんだよね」
鈴喜真琴(すずき まこと)「で、IT系に好意的というか。パソコン買ってくれたのもそれがでかいし」
鈴喜真琴(すずき まこと)「それに「それっぽい」って大事でしょ。私だけが話すより可能性ありそう」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「まあ、分かりました。兄に相談してきます」
鈴喜真琴(すずき まこと)「お願い」

〇綺麗な会議室
  ──10分後
  瑠璃:兄さん、説得手伝うこと自体は全然いいらしいです
  瑠璃:ただその前に、先輩に聞きたいことがあると言ってるんですが
鈴喜真琴(すずき まこと)「え、何聞かれるんだろ びびるんだけど」
鈴喜真琴(すずき まこと)「まあ手伝ってもらうんだし、仕方ないか」

〇綺麗な会議室
悲河玻璃(ひかわ はり)「改めて、初めまして。鈴喜さん」
鈴喜真琴(すずき まこと)「は、初めまして」
鈴喜真琴(すずき まこと)(言い出したの私だけど! すごく緊張するんですけどこの状況!!)
鈴喜真琴(すずき まこと)(悲河とは話し慣れてるけど、お兄さんの方は・・・)
鈴喜真琴(すずき まこと)(いやでも、効果的かつ頼みやすそうな人がいなかったし)
悲河玻璃(ひかわ はり)「ごめんね急に。一応瑠璃から話は聞いてるんだけど」
悲河玻璃(ひかわ はり)「顔出しとかデビューの可能性があるから反対されそうなんだよね?」
鈴喜真琴(すずき まこと)「はい。あと、そもそも作曲活動ってとこからして問題ですね」
鈴喜真琴(すずき まこと)「以前似たようなコンテストが開催されたとき、軽く確認したんですけど──」
鈴喜真琴(すずき まこと)「時間の無駄だと」
悲河玻璃(ひかわ はり)「それは・・・」
悲河玻璃(ひかわ はり)「ああでも、IT関係の知り合いにもいたな、そういう子」
悲河玻璃(ひかわ はり)「えっと、そうだな。僕はいい感じに推薦してお母さんを説得すればいいんだっけ」
鈴喜真琴(すずき まこと)「そうして頂けると助かります。他の人が話す方が効果的なので」
悲河玻璃(ひかわ はり)「なるほど。じゃあ、さっき瑠璃が言ったと思うけど、一つ質問していいかな」
悲河玻璃(ひかわ はり)「鈴喜さんは曲作ってて楽しい?どうしてもお母さんを説得したいくらい」
鈴喜真琴(すずき まこと)「・・・」
鈴喜真琴(すずき まこと)(回答次第で、手伝うか辞めるか決めたいって感じ?)
鈴喜真琴(すずき まこと)(楽しいかなんて、)

〇男の子の一人部屋
鈴喜真琴(すずき まこと)「いやここのフレーズ天才すぎるな・・・」
鈴喜真琴(すずき まこと)「ってやば!もう3時?!」

〇教室
鈴喜真琴(すずき まこと)(始業前だし、ちょっとだけ確認・・・)
鈴喜真琴(すずき まこと)(あ、コメントわりと来てる)

〇カラオケボックス(マイク等無し)
鈴喜真琴(すずき まこと)「あ、ねえひめ──?」
哀咲姫花(あいさき ひめか)「こと────」

〇綺麗な会議室
鈴喜真琴(すずき まこと)「──!」
鈴喜真琴(すずき まこと)(違う、楽しかったのは本当なはず)
鈴喜真琴(すずき まこと)(オーディションだって本当に参加したいと思ってる・・・)
悲河瑠璃(ひかわ るり)「先輩?」
鈴喜真琴(すずき まこと)「えっ。あ、あぁ」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「どうかしたんです?」
鈴喜真琴(すずき まこと)「なんでもない」
鈴喜真琴(すずき まこと)「ごめんなさい悲河さん。 ちょっと色々考えてて」
鈴喜真琴(すずき まこと)(うだうだ考えてる暇じゃない。本当かどうかなんてどうでもいい)
鈴喜真琴(すずき まこと)(ひめの推しを探さないと。 そのためになら嘘だって・・・)
鈴喜真琴(すずき まこと)「私は、作曲が──」

〇綺麗な会議室
悲河玻璃(ひかわ はり)「よし、大体わかった。 鈴喜さんのお母さんの説得、やってみるよ」
鈴喜真琴(すずき まこと)「あ、ありがとうございます」
悲河玻璃(ひかわ はり)「お母さん、LIMEかなにか使ってる?電話とかの方がいいかな」
鈴喜真琴(すずき まこと)「LIME使ってます。中学の時の連絡網でも使ったらしいですし」
悲河玻璃(ひかわ はり)「ならこっちから連絡取れるかな」
悲河玻璃(ひかわ はり)「ああそうだ、そろそろ帰る時間だっけ?」
鈴喜真琴(すずき まこと)「はい、そろそろ電車乗らないといけなくて」
悲河玻璃(ひかわ はり)「じゃあ、どうなったかは瑠璃から伝えるから」
鈴喜真琴(すずき まこと)「お願いします」

〇綺麗な会議室
鈴喜真琴(すずき まこと)「私は、作曲が好きです」
鈴喜真琴(すずき まこと)「やってて楽しいし、見てもらえると嬉しいし──」
鈴喜真琴(すずき まこと)「拠り所ですから」

〇シックなリビング
悲河玻璃(ひかわ はり)「はい。ありがとうございます 失礼します」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「いつの間にか通話になってたみたいだけど。どうだった?」
悲河玻璃(ひかわ はり)「問題ないってさ」
悲河瑠璃(ひかわ るり)「あれ、以外とすんなり行ったんだね もうちょい大変かと思ってた」
悲河玻璃(ひかわ はり)「あーまあ、新しいソフトのβテストも兼ねてとか言ったしな」

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コメント

  • 頭ごなしに否定するのも、かといって全てを許容するわけにはいかず…親の許可問題って本当に難しいですね😓
    私も昔は割と厳しかったですが、今はのびのびとさせてもらっています…笑

    真琴の作曲に対する想いは本物だったのだなと思いました
    姫花の死でその想いも分からなくなっていると…🤔
    彼女が復讐を遂げることもですが、最終的にはまた楽しく作曲できるようになればいいなと思います😭😭

  • 私はやりたい放題やっていた大馬鹿野郎なので、何とも言いにくいのですが😅
    まあ確かに親みたいな年齢になってくると、応援よりも心配の方が勝りますね。リアリティのある作品だから尚更で。
    しかし相変わらず会話が面白い……

  • 私は親の同意がなければあきらめる情けないキャラでした…。真正面からぶつからず、うまく親を説得した真琴の頭脳が子供の頃にほしかったですね。笑
    真琴の心の中にあるのは復讐心だけかと思ってましたが、作曲への想いが少し垣間見えたシーン、とても良かったです^^

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