炎を宿りし獄炎の女戦士

ヒムネ

同盟(脚本)

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〇山並み
  ──3時間後にイザークと共にシルビアは、リトナと別れた場所にたどり着いた。
シルビア・ヤン・オードリー「あたし、真っ直ぐ走ったつもりだったのに森を曲がってたのね」
イザーク・フェイン・リッダ「なっ、地図みて正解だろ」
シルビア・ヤン・オードリー「うん・・・あっ!」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナのだ・・・」
イザーク・フェイン・リッダ「そうなのか、そんな斧を凄い女の子なんだな」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・あたしの、せいだ」
イザーク・フェイン・リッダ「おい」
シルビア・ヤン・オードリー(いずれは彼《イザーク》も・・・)
イザーク・フェイン・リッダ「詳しく事情は知らないが、思い込み過ぎじゃないか?」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・あたしには、魔物を引き寄せる力があるのよ」
イザーク・フェイン・リッダ「な、なんだいそれ」
シルビア・ヤン・オードリー「早く手がかりを探しましょう」
シルビア・ヤン・オードリー(こういうことが、これからも続くのね、あたしには・・・)
イザーク・フェイン・リッダ「おっ、シルビアさん」
シルビア・ヤン・オードリー「なに?」
イザーク・フェイン・リッダ「魔物がいい置き土産をしてくれたみたいだぜ」
  イザークが指で示したのは、魔物達のリトナを連れて行ったであろう足跡であった・・・。

〇けもの道
シルビア・ヤン・オードリー「はぁぁぁっ!」
ゴブリン「ぶぎゃぁぁっ」
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
  怒りを現れた魔物にぶつけるシルビア。
イザーク・フェイン・リッダ(怒ってるなあ、こわい怖い)
イザーク・フェイン・リッダ「こっちもおいでなすったか」
イザーク・フェイン・リッダ「バーンブレードッ!」
「ぷぎゃぁぁっ」
  魔物を倒しながら地図を確認して足跡を進んでいく二人に見えてきた洞窟。

〇暗い洞窟
イザーク・フェイン・リッダ「この【ヴォルムの洞窟】しかないと思ったが、やっぱりそうだったか」
シルビア・ヤン・オードリー(ここにあの子が・・・あたしも強くならないと・・・)
シルビア・ヤン・オードリー「イザーク、頼みがあるの」

〇黒
ケルス「──侵入者か」
ケルス「デス・キラーよ、がっかりさせるなよ」
デス・キラー「グゥゥゥ・・・・・・」
「ずいぶん楽しそうですねケルス」
ケルス「ムーシャ、貴様がここに・・・なにしに来た」
ムーシャ「光を求めに、フフッ」

〇牢獄
アイン・イヨ・リトナ「痛っ、つ〜、やはり素手では無理ですよね」
  リトナは抜け出そうと壁を拳で思いっきり当てるも、当然びくともしない。
アイン・イヨ・リトナ「はひ〜、お腹すきました・・・シルビアさんのバナナ、美味しかったな〜・・・はあ〜」
「ニャ〜」
アイン・イヨ・リトナ「はっ、ネコ?」
アイン・イヨ・リトナ(グレーキャットちゃんが口に加えてるのは、魚!?)
アイン・イヨ・リトナ「ゴクンッ、あ〜ああ〜」
  ゆだれを垂らすリトナに猫は魚を牢の先へ置く。
アイン・イヨ・リトナ「く、くれるんですか!?」
ネコ「ニャ♡」
アイン・イヨ・リトナ「あ、ありがとうございます〜」
  猫にお礼を言ったリトナは生魚を右手に持ち、魔力を注ぐように焼いていく。
ネコ「ニャッ!?」
アイン・イヨ・リトナ「子どもの頃に気付いたんです。私には温める力があるって、あ、それは私が獣を宿す者だからですかね、はい」
ネコ「ニャー!」
アイン・イヨ・リトナ「持ってきてくれたお礼です。一緒に食べましょう」
ネコ(この赤髪の子、おもしろい♡)

〇黒
ケウロ「──【クシャガ】が動き出した。つまりそれは」
ケルス「運命《さだめ》の巫女が動いている」
ケウロ「そしてそれは人間の安定をもたらす」
ムーシャ「そうやってこの何百年ものあいだ、この世界クローズは護られてきたわ、運命《さだめ》によってね」
ケルス「そうだ」
ムーシャ「でも今度は、私たち魔物が外を支配する番よ」
ケルス「ムーシャ」
ケウロ「・・・・・・」
ムーシャ「私たち魔物にも色々あったわね」
ムーシャ「魔力の強い私たち魔物女《ジュレディ》、とくに力が強い魔物男《ビースト》、」
ムーシャ「この2つに分裂、殺し合ったことだってある。しかしもう、そうはいかないわ」
ケウロ「・・・我々が手を組むと?」
ムーシャ「そうよ、地上を支配してから・・・気に入らなければ争えばいい」
ケウロ「だが貴様等、魔物女《ジュレディ》は必ず裏切る」
ムーシャ「それはお互いさま、だから今度はそうならないようにするわ。標的は、人間なんだから」
ケウロ「証だ、裏切らないという証を見せろ」
ムーシャ「さすがケウロね、どうしろと?」
ケウロ「貴様の脚一つ切り落とせ」
「・・・・・・」
ケルス「よせケウロにムーシャ」
ケルス「ここで我々が争っても無駄なだけだ、そうこうしているうちに見ろ」

〇暗い洞窟
シルビア・ヤン・オードリー「はぁ、はぁ」
シルビア・ヤン・オードリー(どこなのリトナ)
イザーク・フェイン・リッダ「まて、なにか来る」
シルビア・ヤン・オードリー(なに、魔物?)
  少しづつ姿が見えると知らない三人組だが、シルビアたちを黙って横切る。
イザーク・フェイン・リッダ(何者だ、こいつら・・・普通じゃない)
シルビア・ヤン・オードリー「ちょっとまって」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・ここに赤髪の女の子しらない? 捕まってるんだけど」
ムーシャ「あ〜、それならもしかして奥に運ばれた人かもね」
シルビア・ヤン・オードリー「・・・あんたたち、何者」
ケルス「我々は奪われた光を求めるもの」
イザーク・フェイン・リッダ「奪われた光? なんのことだ」
シルビア・ヤン・オードリー「イザーク、行くわよ」
  3人は闇の中へと消えていった。
イザーク・フェイン・リッダ「シルビアさんよ、あいつら怪しかったぜ」
シルビア・ヤン・オードリー「わかってる、普通じゃないわ」
シルビア・ヤン・オードリー「でもだからってここで確認するために戦ったら、リトナは救えないわ」
イザーク・フェイン・リッダ「そう、だな・・・」

〇暗い洞窟
ムーシャ「いいの? あいつら片付けなくて?」
ケウロ「殺らなくて良かったんですかね」
ケルス「すでに罠は仕掛けた・・・」
ケルス「見せてもらおうではないか、宿す獣の力を」
ケルス「そしてムーシャ」
ムーシャ「・・・なにかしら」
ケルス「同盟の話、乗ることにする」

〇牢獄
「リトナッ!」
アイン・イヨ・リトナ「この声っ、シルビアさんッ」
アイン・イヨ・リトナ「私はここですっ!」
シルビア・ヤン・オードリー「リトナ、よかった無事なのね」
アイン・イヨ・リトナ「シルビアさん、助けに来てくれたんですね」
アイン・イヨ・リトナ「はて、その人は?」
イザーク・フェイン・リッダ「よう」
シルビア・ヤン・オードリー「話はあと、ここを抜け出すわよ」
アイン・イヨ・リトナ「はい!」
「グォォォォォォーッ!!!」
イザーク・フェイン・リッダ「な、なんだこの雄叫びは!」
シルビア・ヤン・オードリー「こ、この声は・・・」
アイン・イヨ・リトナ「デス・キラー・・・」

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