第3話(脚本)
〇配信部屋
「第二回!」
「みんなからの質問に答えちゃうぞ☆の コーナー!!」
桜田林檎「わー!!✧◝(⁰▿⁰)◜✧」
桜田林檎「まず最初は──!(ʘᴗʘ✿)」
桜田林檎「身長?」
桜田林檎「164cmでーす!」
桜田林檎「はぁ!?」
桜田林檎「サバ!?」
桜田林檎「読んでないし!!」
桜田林檎「龍彦?」
桜田林檎「いくつだろうな〜」
視聴者「257!」
視聴者「5m19!」
桜田林檎「高過ぎない?」
桜田林檎「壁じゃん」
桜田林檎「ちなみに大衆文化大学の七号館は 五階建てで高さは15メートル!!」
桜田林檎「あたし約九人分〜!!」
〇実家の居間
桜田林檎「龍彦、どうしちゃったんだろ」
桜田林檎(ずっと手伝ってくれていたのに)
桜田林檎(無理強いしすぎちゃったかなぁ・・・)
桜田林檎「これは・・・今週の視聴者数の推移・・・」
桜田林檎「やっぱり下がってる──!!」
ももちゃん「やっぱりって?」
ももちゃん「なんか変だと思ったのよね」
桜田林檎「ももちゃん」
桜田林檎「来てたの」
ももちゃん「素人感丸出しなんだもん」
ももちゃん「下がると思った」
桜田林檎「うえーん」
ももちゃん「いいのも見っけ」
ももちゃん「おいしーい!」
ももちゃん「試行錯誤を繰り返して作られた 既製品は間違いないよね」
桜田林檎「聞いてる〜?」
ももちゃん「林檎ちゃんの動画もね」
ももちゃん「悪くないと思うよ」
ももちゃん「コレと」
ももちゃん「コレ」
ももちゃん「同じ味で どっちがいいかって聞かれたら」
桜田林檎「一番目に決まってるじゃん」
ももちゃん「林檎ちゃんのは二番目」
ももちゃん「もったいないよ」
ももちゃん「せっかく中身は面白いんだから」
ももちゃん「編集は龍彦さんに任せたほうがいいって」
桜田林檎「そんなにダメ!!!?」
ももちゃん「それに・・・」
ももちゃん「あの人そこそこイケメンだしね」
ももちゃん「画面映えにイケメンは欠かせないでしょー!」
桜田林檎「そう・・・だよね」
桜田林檎(分かってる)
桜田林檎(みんな、大学のことなんて どうだっていい)
桜田林檎(見てくれてる人だって あたしや龍彦目当てだ)
桜田林檎(見てくれてるだけで ありがたいけど)
桜田林檎(でも・・・でも・・・)
〇おしゃれな大学
大学を見て欲しい
〇都会のカフェ
さうさう「個性やんか」
さうさう「差別化を図るには」
さうさう「他より優位に立てることが大事やと思うで」
桜田林檎「うちの大学が劣ってるっていうの!?」
さうさう「そういうことやなくて」
〇海岸線の道路
さうさう「A大学!!」
さうさう「ここは駅伝の強豪校!!」
さうさう「メディアで取り上げられて 自然と記憶に残るやね」
〇ファンタジーの学園
さうさう「B大は伝統的なお嬢様学校!!」
さうさう「清楚で上品な女子の花園」
さうさう「男にも就職先にも 困らないらしいらしい」
桜田林檎「ふむふむ」
〇巨大な城門
さうさう「そしてー、C大は偏差値頂点の大学ね」
さうさう「これは有名な『赤銅の門』やけど そんなことはどうでも良くて──」
〇都会のカフェ
さうさう「売りを作るんや!!」
さうさう「誰にも負けない売りを 作り出すんや!!」
さうさう「できるやろ?」
さうさう「唯一無二になるんや!!」
桜田林檎(そうだった!)
桜田林檎(悩んでる暇なんかない!!)
あたしには大衆文化大学を救う
使命があるんだから!!
〇昔ながらの一軒家
桜田林檎「売り・・・」
桜田林檎「売り・・・」
桜田林檎「売り・・・」
ももちゃん「また悩んでんの?」
桜田林檎「当たり前じゃん!!」
桜田林檎「あたしが大衆文化大学のこと どんだけ好きか分かってるの!?」
ももちゃん「ハイハイガチです すみませんでした」
桜田林檎「みんなにこの気持ちが伝わればいいのに」
ももちゃん「アイドルじゃないんだから」
桜田林檎「あたしにとってはアイドルよ?」
〇説明会場(モニター無し)
桜田林檎「つまんない授業受けた校舎も」
〇学校の部室
桜田林檎「用もないのに駄弁ってた部室も」
〇並木道
桜田林檎「みんなを癒やしてくれた並木道も」
桜田林檎「全部好き・・・」
桜田林檎「あたしにとっては聖地・・・」
(みんなにとっても そんな存在になれば)
(たくさん遊びにきてくれるかな)
〇体育館の裏
桜田林檎「大衆文化大学が!!」
桜田林檎「聖地になりますように!!」
大学事務員「何やってるんですか どいてください」
桜田林檎「あなたは・・・」
大学事務員「ココの事務員よ」
大学事務員「少なくとも貴女よりは 信頼が置けるかしら」
大学事務員「隠れません」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「職場がなくなっていんですか」
桜田林檎「お姉さんのためでもあるんですよ?」
桜田林檎「大学が生きるか死ぬかは あたしにかかってるんですから!」
大学事務員「う、うるさいわね」
桜田林檎「あっ!」
大学事務員「・・・」
学校関係者「主任、採点終わりましたよー」
大学事務員「助かるわ」
学校関係者「その子は──」
学校関係者「いつも来てる子ッスよね」
学校関係者「どうしたんスかね」
学校関係者「今日は一人なんスね」
桜田林檎(龍彦・・・!!)
大学事務員「そうね、どうしたのかしら」
大学事務員「仲違いしちゃったのかも知れないわね」
桜田林檎「そういうわけじゃ・・・」
桜田林檎(ないよね、たぶん)
桜田林檎(配信部屋は自由に使っていいって言ってたし)
桜田林檎(嫌いな人に家の出入りなんて許可しないよね)
大学事務員「あらあら図星?」
桜田林檎「違っ・・・」
大学事務員「可哀想に」
大学事務員「正直なところ、 貴女の活躍には期待していたんだけど」
大学事務員「駄目みたいね」
大学事務員「転職しなきゃいけないわね・・・」
桜田林檎「──っ!!」
〇体育館の裏
桜田林檎(龍彦がいれば)
桜田林檎(別の角度からアイディアを出してくれるのに)
桜田林檎(あいつがあたしより 冷めてるのは知ってたけど)
桜田林檎(そんなに拒否するほど大学のこと 嫌だったかな)
〇体育館の裏
桜田林檎「・・・・・・」
桜田林檎(いや、そんなわけなくない?)
桜田林檎(絶対遊んでるでしょアイツ!!)
大学事務員「あらあら、熱いわねぇ」
学校関係者「主任」
学校関係者「学生が並んでますよ」
大学事務員「ごめんなさいね」
大学事務員「今伺います──」
桜田林檎「あたしが先です」
桜田林檎「あたしの愛を受け止めてもらうのが先です」
大学事務員「・・・」
桜田林檎「要するに、 聖地がないなら生み出せばいいだけでした」
桜田林檎「お姉さんならご存知ですよね?」
桜田林檎「うちの大学の隠れた名所」
大学事務員「・・・」
桜田林檎「なんで!?」
桜田林檎「勤続10年じゃないですか!!」
大学事務員「知らないものは 知らないのよ」
桜田林檎「ドラマの舞台や ミュージシャンのPVに なってたりするでしょう!!」
大学事務員「大衆文化大学を舐めないでいただける?」
大学事務員「お呼びがかかるなんてこと ある訳ないでしょう?」
桜田林檎「評価低すぎっ!!」
大学事務員「もういいでしょ、 学生の邪魔よ」
桜田林檎「・・・っ」
桜田林檎(見落としてるのよ)
桜田林檎(売り込める要素がないわけない)
〇おしゃれな大学
学校関係者「あのー」
学校関係者「そろそろ閉めるって言ってるけど もういいッスかー?」
桜田林檎「・・・」
学校関係者「そんなに探しても 無いと思いますよ」
学校関係者「あったら廃校なんて話出ないッスよ」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「みんな!!」
桜田林檎「諦めるの早いんだよ!!」
〇神社の本殿
桜田林檎「来ちゃった」
桜田林檎(協力できないって言われたけど)
桜田林檎(やっぱり龍彦がいないと上手くいかない)
桜田林檎(なんでもいいからアドバイスくれないかな)
女子高生「本当にあるー!!」
女子高生「ガチであると思わんかったね」
女子高生「割れ石ー!!」
女子高生「恋愛成就に効くってほんとかな」
女子高生「あれは小説の設定だよ?」
女子高生「でもでも〜 万が一ってこともあるし〜」
女子高生「ずるい 私もっ!!」
桜田林檎「すごい・・・」
桜田林檎「龍彦の家も『聖地』になってたのか」
桜田林檎「なのに大学は聖地化してないなんて・・・」
桜田林檎「悔しい!!」
桜田林檎「SE I CHI KA!!!!」
「てめぇいい加減にしろよ!!」
桜田林檎「何・・・?」
〇暗い廊下
桜田林檎「こっちの方からだ」
桜田林檎「龍彦の部屋がある方・・・」
桜田林檎「何かあったのかな・・・?」
桜田林檎「部屋には入るなって 言われてるけど・・・」
〇部屋の扉
富士宮龍彦「すみません・・・」
???「あのさぁ!!」
???「自分が言ったんだからな!!」
???「必ず今週中には提出するってよぉ!!」
???「自分で言ったことくれぇ 自分で守れよ!!」
富士宮龍彦「申し訳ございません・・・」
???「謝って済む問題じゃねぇんだよ!!」
桜田林檎「・・・!?」
桜田林檎(どうしたの!?)
桜田林檎(龍彦は何をされてるの!?)
???「分かってるよな!?」
???「てめぇはウチの稼ぎ頭」
???「オレらの生活も゙担っているっつーことを 自覚してもらわねぇと困るんだよ!!」
桜田林檎「どうしよう・・・」
桜田林檎「ヤバい・・・」
桜田林檎(早く助けないと龍彦が──!!)
「龍彦!!」
〇書斎
???「ほら」
???「食器が割れる描写くらい 秒で書けんだろうがよ」
???「たるんでんじゃねぇよ!!」
富士宮龍彦「・・・」
富士宮龍彦「林檎!?」
富士宮龍彦「どうして・・・」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「おじさん?」
桜田林檎「事情は知らないけど」
桜田林檎「一方的に責め立てるのは どうかと思いますよ」
???「あんた誰?」
桜田林檎「あたしは・・・」
桜田林檎「・・・パートナーよ!!」
???「へぇ~!!」
桜田林檎「龍彦?」
???「それじゃあ、 オレからも言わせてもらおう」
桜田林檎「これは?」
???「嬢ちゃんがパートナーなら、 オレも、コイツのパートナーっつうワケ」
富士宮龍彦「・・・」
鬼頭剛志(編集)「オレはこの本の担当編集者だ」
鬼頭剛志(編集)「この本の作者── 『ウィステリア 藤子』の、な!!」
桜田林檎「え・・・じゃあ龍彦ってもしかして」
鬼頭剛志「そう」
鬼頭剛志「ウチの看板作家」
鬼頭剛志「『ウィステリア藤子』だ!!」
to be continued・・・
いや面白い素材ですね‼大学の立て直しや、応援なんて全く想像もつかないです💦 SNSの活用も不慣れなので勉強になりますね‼成程個性化大事ですね。こうやって人気を取っていくのか…ふむふむって感じです🤔
そもそも、これは何のジャンルになるのでしょう。 未開のジャンルかも? 珍しい話の展開なので全く想像がつかず興味深いです!!
あっ、だから龍彦は協力できないって言ってたんですねー! まさかまさかこの平和なお話でそんな不穏な空気がっって思ってたら安心しました!
龍彦まんざらでもなさそう☺️ はやくくっついて!🤣
初っ端から流れる不穏な空気、頼みの龍彦がいなくなり、少し迷走する林檎ちゃんでしたが、大学の聖地化といったアイディアは素晴らしいですね!
そして、明かされた龍彦の謎😂
龍彦の実家が聖地なのも、龍彦自身が関係しているのですかね☺️だったら龍彦の力を借りれば、大学も?
ただ編集さんが一癖ありそうなので、今後が気になりますね!