エピソード21 「テニスバトルロイヤルっ!!」(脚本)
〇学生の一人部屋
北原 そら(きたはら そら)(ふぅ、明日は4人でテニスか。 早く起きないと・・・)
北原 そら(きたはら そら)「あやつから電話か」
園「そら、そらっ!!」
北原 そら(きたはら そら)「どうした、せっかくの休み前というのに」
園「そら、明日は風と香ちゃんと一緒にテニスだよ!」
北原 そら(きたはら そら)「知ってる」
園「ちゃんと準備した? 私なんてジャージも新しいの買っちゃって、テニスの入門書も全部読んじゃって!」
北原 そら(きたはら そら)「気合が入っているな。ただ、私だってちゃんとテニスの練習してるぞ」
園「え、そうなの? そらが練習なんて、意外」
北原 そら(きたはら そら)「私だって、やる時はやるぞ」
園「そっか、そらも気合入ってるんだね! 明日は朝早いから、遅れないようにだからね!」
北原 そら(きたはら そら)「お主が言うな」
園「じゃあ、そら、また明日ね~!」
北原 そら(きたはら そら)「あやつ、自分から電話かけてきたくせに、 自分から切りやがった」
北原 そら(きたはら そら)「まぁいい、練習するか。テニスの・・・」
北原 そら(きたはら そら)「ゲームだが」
〇学校の体育館
西條 園(さいじょう その)「見て、風! ジャージ、買ったんだ!」
東条 風(とうじょう ふう)「すごい似合ってる! 園、なんでも似合うなぁ」
西條 園(さいじょう その)「もう、褒め過ぎだよぉ」
北原 そら(きたはら そら)「なにジャージ着てスポーツ頑張る女子アピールしてんだ、図に乗るな」
西條 園(さいじょう その)「そら、きら~い」
北原 そら(きたはら そら)「褒め過ぎというから中和してあげたのだ」
西條 園(さいじょう その)「いらないよぉ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あとは、香かぁ。香が遅れるなんて珍しいなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「・・・香が走ってくる音がする」
西條 園(さいじょう その)「え、本当に?」
西條 園(さいじょう その)「あ、香ちゃんだ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はぁ、はぁ・・・。 ごめん、遅れちゃった・・・」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃん、お疲れー!」
北原 そら(きたはら そら)「香が遅れるなんて」
東条 風(とうじょう ふう)「全然、大丈夫! 私達もまだ来たばっかりだから!」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ早速、始めよー!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、ちょっと待って!」
東条 風(とうじょう ふう)「え、どうしたの?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はい、園とそらにこれ!」
西條 園(さいじょう その)「あ、うん、ありがとう・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、風には絆創膏ね!!」
東条 風(とうじょう ふう)「あぁ、うん・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あと、お弁当も作ってきたから!!」
北原 そら(きたはら そら)「かおり・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「じゃあ、準備体操から、頑張ろーっ!」
〇学校の体育館
東条 風(とうじょう ふう)「どうする? 早速勝負?」
西條 園(さいじょう その)「え、あの、私まだうまく出来るか自信なくて・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そうだよね!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「じゃあ、風と園、私とそらでダブルスする?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、それいい!」
西條 園(さいじょう その)「風、迷惑かけちゃったらごめんね!」
東条 風(とうじょう ふう)「大丈夫、カバーするから!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「じゃあ、そら、よろしく!」
北原 そら(きたはら そら)「うむ、勝つぞ」
〇学校の体育館
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、サーブ行くよ! それっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はいっ!」
西條 園(さいじょう その)「え、え、あ、あっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「はい、カバー!!」
北原 そら(きたはら そら)「そいやっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「そら、ナイス!」
西條 園(さいじょう その)「キャッ!」
東条 風(とうじょう ふう)「カバーっ!!」
西條 園(さいじょう その)「風、さすがっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「カバー――――っ!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「きゃっ、えっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ぐっ・・・」
西條 園(さいじょう その)「風、ありがとう!! 先制点、取れたよ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「この調子で、頑張ろっ!!」
西條 園(さいじょう その)「うんっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「風、なんかいつもより強くないっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「これが、園のバフ効果か・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「バフ効果?」
北原 そら(きたはら そら)「園がいると風の力が二倍以上になる」
南沢 香(みなみさわ かおり)「そんなゲームみたいなことが現実にあるなんて・・・」
〇学校の体育館
東条 風(とうじょう ふう)「なんとか、勝てたー!」
西條 園(さいじょう その)「風、カバーしてくれてありがと!! 風のおかげで勝てちゃった!!」
東条 風(とうじょう ふう)「ううん、ペアだから当然のこと!! ・・・疲れた」
南沢 香(みなみさわ かおり)「うわぁ、負けちゃったぁ」
北原 そら(きたはら そら)「風、本当に強いな」
北原 そら(きたはら そら)「疲れた、ちょっと休憩」
西條 園(さいじょう その)「私も、一回休んでもいい?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「うん、了解! じゃあ、風、一緒にやろっか!」
東条 風(とうじょう ふう)「おっけー! よし、勝つぞー!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「私だって、絶対負けないから!」
東条 風(とうじょう ふう)「いくよ、はいっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はいっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「それっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あぶなっ!!」
西條 園(さいじょう その)「うわぁ、二人ともさっきよりもすごっ!」
北原 そら(きたはら そら)「さすが、部活やってる人は違うな」
西條 園(さいじょう その)「風、頑張れ~!!」
東条 風(とうじょう ふう)「園、えっ!?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「油断、しないっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、やばっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁ、間に合わなかったぁ、油断したぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「はい、先制点~!」
北原 そら(きたはら そら)「まさか、園の応援にはデバフ効果があるのか」
西條 園(さいじょう その)「デバフ?」
北原 そら(きたはら そら)「園の応援により風の能力が半減する」
西條 園(さいじょう その)「え、そうなの!? 悪いことしちゃった!?」
北原 そら(きたはら そら)「ゲームだと、能力が上昇するはずなのだが、普通は・・・」
〇学校の体育館
東条 風(とうじょう ふう)「ぎ、ギリギリ勝ったぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「やっぱり風、強いなぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「でも、これで風の戦い方はわかったから、部活での試合は余裕だね」
東条 風(とうじょう ふう)「怖いこと言うね、負けないけど!」
西條 園(さいじょう その)「お疲れ様〜」
北原 そら(きたはら そら)「お疲れ」
東条 風(とうじょう ふう)「本当に疲れたぁ、ちょっと休憩」
南沢 香(みなみさわ かおり)「私も、何か飲も」
西條 園(さいじょう その)「そういえば、2人とも部活の調子はどう?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、順調!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「私達、総当り戦の上位に入ったんだよね」
西條 園(さいじょう その)「へぇ、凄い!!」
北原 そら(きたはら そら)「試合は、それで終わりなのか?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「えっとね、この総当たり戦の上位の人同士でトーナメントして、順位をつけるの」
東条 風(とうじょう ふう)「うまく1回戦を勝ち上がれば、香と私が当たるよね」
北原 そら(きたはら そら)「では、なんとしてでも勝たなきゃだな。どんな手を使ってでも」
東条 風(とうじょう ふう)「そら、なんかズルい手を考えてない?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「私は、総当たり戦ギリギリだからあんまり上に行ける自信無いけど・・・、風の所までは行きたいなぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、絶対に戦お! 私も頑張るからっ!!」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ私、風のこと応援しに行こ〜!」
東条 風(とうじょう ふう)「嬉し過ぎ! ありがとう!!」
北原 そら(きたはら そら)「お主の応援はデバフだが」
西條 園(さいじょう その)「そ、そうならないような応援をする!!」
東条 風(とうじょう ふう)「わ、私も園の応援を受け止めれるように頑張るっ!!」
北原 そら(きたはら そら)「それは一体、何に頑張ってるのやら・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、あの~。練習試合は、部活の人以外は基本的に見学禁止なんだけど・・・」
西條 園(さいじょう その)「にゃっ!?!?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そ、そっか・・・」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、学校の屋上から拡声器でっ!! もしくは校内放送!!!!」
北原 そら(きたはら そら)「ただただ迷惑だから、やめてくれ・・・」
〇学校の体育館
西條 園(さいじょう その)「じゃあ次は、私とそらで戦う?」
北原 そら(きたはら そら)「だな、負けた方がスイーツ奢りで」
西條 園(さいじょう その)「えー、やだぁ。 私、負けそうだもん、」
北原 そら(きたはら そら)「だからこその提案じゃないか」
西條 園(さいじょう その)「ひっどー」
北原 そら(きたはら そら)「私はトイレに行ってくる。 せいぜいその間に腕を上げておくんだな」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、私もトイレ行こっかな。 風、ちょっと待ってて」
西條 園(さいじょう その)「そらー! 賭けテニスは犯罪だからねー!!」
西條 園(さいじょう その)「もう、そらってば・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あはは・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、園とそらの試合、楽しみだなぁ!」
西條 園(さいじょう その)「え? 全然、大したことないよぉ、香ちゃんと風に比べたら」
東条 風(とうじょう ふう)「ううん、そんなことないよ! やっぱり、人の試合って見てて楽しいし、園もすごく上手くなってるし!」
西條 園(さいじょう その)「本当に? ありがとうっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・嬉しいなぁ」
西條 園(さいじょう その)「え、どうしたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、あの・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「だって、あのテニスの本、読んでくれたんでしょ? 今日のためにそこまでしてくれて、嬉しいなぁって」
西條 園(さいじょう その)「あ、気づいてたんだ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「もちろん気づくよ! だって、フォームが本のまんまだもん!!」
西條 園(さいじょう その)「それ、褒められてる・・・?」
東条 風(とうじょう ふう)「あぁ、ごめん! 褒め言葉のつもりでね!」
東条 風(とうじょう ふう)「なんか、園がこの日のために頑張ってくれたって思うと、嬉しくなっちゃって」
東条 風(とうじょう ふう)「今日、一緒にテニスできて本当に良かったなぁって・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「園、ありがとっ!!」
西條 園(さいじょう その)「わ、私も、楽しかった、ありがとう・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・風の試合、本当に応援してるから! 頑張ってね!」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、もちろん!!」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、香とそらが戻ってくるまで、2人で練習しよっか」
西條 園(さいじょう その)「うんっ!!」
エピソード21
「テニスバトルロイヤルっ!!」
~ 完 ~
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「あぁ、筋肉痛、筋肉痛・・・」
北原 そら(きたはら そら)「振り返りをするぞっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「筋肉痛は大丈夫っ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ミュージック、スタートっ!!」
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テニス、お疲れ様ー!」
北原 そら(きたはら そら)「お疲れ様」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テニス、楽しかった~!」
北原 そら(きたはら そら)「たまに動くのもいいな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風と園も楽しそうだったし!!」
北原 そら(きたはら そら)「運動嫌いの園が楽しんでたのは、珍しい」
北原 そら(きたはら そら)「それで、2人はこれからが本番か?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そう、部内トーナメントがあって・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「緊張するぅ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「いつも通りのことをやるだけだ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そうだよね! いつも通り、頑張ろ!!」
北原 そら(きたはら そら)「最善を尽くしたまえ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「次回、「トーナメントスタートっ!!」」
北原 そら(きたはら そら)「乞うご期待」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あと、私の戦う先輩、癖が強くて・・・」
北原 そら(きたはら そら)「この3人に囲まれた香が言うのなら、 よっぽどだな」